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イングランドの都市 ウィキペディアから
リヴァプール(Liverpool)は、イギリス・イングランド北西部マージーサイド州の中心都市である。2019年の人口は約50万人。かつてはイギリスの主要な港湾都市であったが、現在では観光都市として知られる。世界的ロック・バンドであるザ・ビートルズの出身地。
シティ・オブ・リヴァプール City of Liverpool | |||
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上から時計回りに、リヴァプールの都市景観、Royal Liver Building, リヴァプールのスカイライン、Albert Dock, リヴァプール・アリーナ, ビクトリア・ストリート. | |||
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位置 | |||
リヴァプールの位置 | |||
位置 | |||
座標 : 北緯53度25分 西経3度0分 | |||
行政 | |||
国 | イギリス | ||
連合王国 | イングランド | ||
リージョン | ノース・ウェスト・イングランド | ||
大都市カウンティ | マージーサイド | ||
市 | シティ・オブ・リヴァプール | ||
市長 | ジョアン・アンダーソン (労働党) | ||
地理 | |||
面積 | |||
市域 | 111.84 km2 | ||
標高 | 70 m (230 ft) | ||
人口 | |||
人口 | (2019年現在) | ||
市域 | 498,042人 | ||
人口密度 | 4,424人/km2 | ||
市街地 | 864,122人 | ||
都市圏 | 2,241,000人 | ||
その他 | |||
等時帯 | 西ヨーロッパ時間 (UTC+0) | ||
夏時間 | 西ヨーロッパ夏時間 (UTC+1) | ||
郵便番号 | L | ||
市外局番 | 0151 | ||
ISO 3166-2 | GB-LIV | ||
公式ウェブサイト : www.liverpool.gov.uk/ |
アイリッシュ海に面し、マージー川の河口に位置する。18世紀より貿易港として発展した。近隣の都市としては、約25km南に位置するチェスター、約50キロ東に位置するマンチェスターなどが挙げられる。マンチェスターは市域面積及び市域人口がほぼ同じ。
港では、穀物・食料・木材・非鉄金属・繊維などを輸入し、アイルランド行きの客船もでている。製造業は、医薬品・電気器具・精製糖類・粉製品・ゴム製品などの製造が盛ん。郊外では自動車の生産や精油もおこなわれる。
1841年に設立されたリヴァプール綿取引協会は、2004年に国際綿業協会となった[2]。
中心駅としてライム・ストリート駅がある。ロンドン行きの長距離列車はほぼ1時間に1本で、ユーストン駅に2時間半で到着する。このほかマンチェスターやバーミンガムなど、各地へ向かう列車がある。 近郊線はマージーレイルが運行しており、チェスターや空港行きなどがある。
高速バスはロンドンまで4時間。他地域へのバスもある。
ジョン・レノンの名前を冠したリバプール・ジョン・レノン空港が市内にあるが、比較的近郊にあるマンチェスター空港の方が路線が多く便利である。
リヴァプールにはリヴァプール大学、リヴァプール・ホープ大学、リヴァプール・ジョン・ムーア大学などの教育機関があり、多くの学生が学んでいる。また、芸術政策にも力を入れており、アルバート・ドックの一部を利用しているテート・リバプールと、マージーサイド海事博物館、リヴァプール・ワールド・ミュージアム、ブルーコート・チェンバーズなど、多くの博物館や美術館がある。このうち、マージーサイド海事博物館はヨーロッパ産業遺産の道のアンカーポイントの一つにもなっている。
2008年の欧州文化首都の一つに選ばれた。多くのミュージシャンを輩出し、リバプールサウンドの言葉も生まれた。食文化としてはスカウスが有名であり、リヴァプールの人や言葉のこともスカウスと呼ぶ。
港湾部には、海商都市リヴァプールの名でユネスコの世界遺産に登録されていたが、再開発が進んでいることを理由に2021年に行われた「第44回世界遺産委員会」で登録が抹消された(詳細は抹消された世界遺産#海商都市リヴァプール参照)。ピアヘッド(Pier Head)と呼ばれる港湾部隣接地区の商業ビル群「リヴァプールの三美神」、赤レンガの大規模倉庫群、アルバート・ドックなどが見どころである。
リヴァプール大聖堂はイングランド国教会の大聖堂である。設計はジャイルズ・ギルバート・スコット。1904年に建築が始められ、1978年に完成した[3]。外観は赤砂岩造りで、ヴォールトの上の屋根材にはコンクリートが使われている。全長188m、高さ101mもあり、イングランド国教会の総本山カンタベリー大聖堂を上回る大建築である。
リヴァプールメトロポリタン大聖堂は、1960年代に建てられたローマ・カトリック教会のリヴァプール大司教区の大聖堂である。フレデリック・ギバードによるモダニズム式のデザイン。フロア全体は円形であり、中央の司教の座を聴衆が取り囲むことになる。ジョン・パイパーとパトリック・レンチェンズの色彩豊なステンドグラスが有名である。
「ビートルズの出身地」として世界的に知られ、現在も世界中のビートルズファンが訪れ、ビートルズゆかりの場所や建物を訪ねる。ビートルズ・ストーリーは、港湾部にあるビートルズに関するミニ博物館。かつての世界遺産「海商都市リヴァプール」の一角に位置し、その流れで見ることができる。年間およそ30万人の観光客が訪れる。2009年、ボブ・ディランが乗車したことが話題になった。「マジカル・ミステリー・ツアー」(Magical Mystery Tour)という名のバス・ツアーがあり、これを利用すると、リバプールにあるビートルズゆかりの地の多くを2時間ほどで一気に巡ることができる。ビートルズがデビュー前に演奏していた地下の酒場(ホール)「キャヴァーン・クラブ」は、一度は閉店になったが、場所を通り向かいに移して当時の設計・雰囲気で再開し、現在も夜になるとさまざまなバンドの演奏が聴ける酒場で、1階の階段入口前は多くの観光客が立ち寄り写真を撮るスポットとなっている。
ビートルズのメンバーが青年時代を過ごした家がナショナル・トラストによって保存されている[4]。ジョン・レノンが5歳から二十数年過ごした家(結果として、彼の生涯で最も長く過ごした家)、通称「メンディップス」(Mendips)も、レノンの死後も、ナショナル・トラストに管理される形で保存されており、門の前は観光客の写真スポットとなっている。そしてレノンのこの家から徒歩数分の距離には「ストロベリー・フィールド」という名の孤児院の跡地が残っているが、これは楽曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」(Strawberry Fields Forever)のモチーフになった場所である(レノンはここを「大人になることから逃れられる場所」として思い描いていたとする評論家もいる)。ビートルズのデビュー前にポール・マッカートニーが数年生活した家「フォースリン・ロード20」(20 Forthlin Road)も、ナショナル・トラストによって保存されている。
ペニー・レイン(Penny Lane)という、かつて銀行で、今は薬局になっている場所もある。同名の楽曲のモチーフを与えた場所で、労働者の息子のマッカートニーがある日、バス停でバスを待っていたところ、そこに街で唯一の自動車所有者であるペニー・レイン銀行の男が自動車で通りかかって、家に自動車が無いマッカートニーはそれをやっかみ、自動車を所有する銀行家のことを「おかしいね」とあざ笑うかのような歌詞、当時のその界隈特有の経済状況を知る地元民以外にはさっぱり意味が通じない、とてもローカルな歌詞が生まれることになった。
リヴァプールを本拠地とするサッカークラブには、イングランド・プレミアリーグに所属するリヴァプールFCとエヴァートンFCがある。伝統的にライバル関係にあり、両者の対戦はマージーサイド・ダービーと呼ばれる。クラブの著名な選手には、リヴァプールはスティーヴン・ジェラード、ジェイミー・キャラガー、マイケル・オーウェン、ジョーダン・ヘンダーソン、トレント・アレクサンダー=アーノルドら、エヴァートンはフィリップ・ネヴィル、ウェイン・ルーニー、マイケル・キーン、ジョーダン・ピックフォードらを輩出している。
両チームのチーム・カラーは、それぞれ赤と青である。リヴァプールの住民達は、「リヴァプールファン」か「エヴァートンファン」であることを楽しんでおり、地元では「Are you "RED" or "BLUE"?」と訊ねるだけで互いに意味が通じ、「I'm RED!(=リヴァプールのファン)」とか「I'm BLUE!(=エヴァートンのファン)」と、老若男女誰もが即座に答え、サッカー談議に花が咲くような状態であり、両チームは住民全体の地元チーム愛に支えられている。しかもリヴァプール市民は、異なるチームを応援している人も含めて応援し仲も良く、1984年にウェンブリーで行われたフットボールリーグカップ決勝では、スタジアムのほとんどすべての区画で両クラブのサポーターが混ざり合い、「Merseyside, Merseyside」「Are you watching Manchester?」というチャントを歌う奇妙な光景が見られた。しかし、1980年代中盤以降、貧困層の若者を構成メンバーとするフットボールフーリガンの台頭によりグラウンド内外でライバル意識が高まり、プレミアリーグ発足以降は他の試合よりも多くのレッドカードが提示される試合となった。現在では「プレミアリーグで最も乱雑で危険な試合」とされている。
市のシンボルは、ライバーバードという鳥。港湾部に本社がある保険会社のシンボルにもなっている。地元市民の間では「ライバーバードが飛び立つとリバプールは滅びる」という伝説も語られている。
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