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リンゴ・スターのアルバム ウィキペディアから
『グッドナイト・ウィーン』(英語: Goodnight Vienna )は、リンゴ・スターが1974年11月に発表した4枚目のスタジオ・アルバムである。
1992年にCDで再リリースされ、ボーナス・トラック3曲が収録された。
1974年6月、当時ロサンゼルスにいたスターは、4月まで毎晩のように一緒に飲み歩いていた旧友ジョン・レノンとハリー・ニルソンがレコーディングのためニューヨークに行ってしまった[注釈 1]ので、1年ぶりに自分も新しいアルバムの制作をすることにした。前作『リンゴ』同様、プロデュースはリチャード・ペリーに、レノンらには楽曲提供やレコーディングへの参加を依頼した[1]。
アルバム『心の壁、愛の橋』のレコーディングの準備を進めていたレノンは「グッドナイト・ウィーン」を書き上げ[2]、セッション・ミュージシャンとデモを録音してスターのもとに届けた[3]。またプラターズのヒット曲「オンリー・ユー」のカバーをスターに提案し[4]、スターがフォローできるようにガイドボーカルとアコースティック・ギターの演奏を含むベーシックトラックを提供した[1]。エルトン・ジョンもバーニー・トーピンとの共作で「スヌーカルー」を提供[5]、ハリー・ニルソンは「イージー・フォー・ミー」を提供した[注釈 2]。
8月、クラウス・フォアマンやジム・ケルトナーなど主要メンバーが『心の壁、愛の橋』のセッションに参加していたので、その終了を待って本格的なレコーディングを開始した。セッションにはジェシ・エド・デイヴィスやビリー・プレストン、デイヴィッド・フォスター、ニッキー・ホプキンス、後にリンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドにも参加したドクター・ジョンなど有名ミュージシャンが集結した。レノンも8月下旬にロサンゼルスを訪れ、セッションに参加した。
アルバム・タイトルはレノンの提供曲「グッドナイト・ウィーン((It's All Da-Da-Down to) Goodnight Vienna)」から取られた。「Goodnight Vienna」はレノンやスターの故郷リバプールなどイングランド北方の俗語で「ずらかるぞ (I'm getting out of here.)」という意味である[2][注釈 3]。なお、原題の "Vienna" はオーストリアの首都 "Wien" の英語名であり「ヴィエナ」と発音する。邦題の「ウィーン」は元々ドイツ語の「Wien」をローマ字式に読んだ、実際の発音とは異なった、日本でのみ使われているカタカナ言葉である[注釈 4]。
このアルバムのテレビCMは、スターを乗せてロサンゼルス上空を飛ぶ円盤がハリウッドのキャピトル・レコード・ビルの屋上に着陸する、というものであった[1]。『心の壁、愛の橋』のCMでスターがナレーションを引き受けてくれたお返しにレノンがナレーションを担当し、最後にスターが「Thank You, John」とお礼を述べている。
アメリカでは11月18日に発売された[8]。折しも元ビートルズのメンバーの作品が相次いでリリースされて話題となっており[注釈 5]、1週間前に先行発売されたシングル「オンリー・ユー」[9]も好評だった[注釈 6]ため、大ヒットした前作『リンゴ』には及ばなかったものの、翌年1月11日にビルボード・アルバムチャートで8位に到達した。一方、イギリスでは11月15日にシングル「オンリー・ユー」と同時に発売されたが、30位までしか届かなかった[注釈 7]。
1992年に初めてデジタル・マスタリングを行ったCDが発売された。ボーナス・トラックとして1972年リリースのシングル「バック・オフ・ブーガルー/ブラインドマン」とアルバム『リンゴ』のテスト盤・プローモション盤に収録されていた「シックス・オクロック(エクステンデッド・ヴァージョン)」[5]の3曲が収録された。
なお、このアルバムには 4チャンネルステレオ・ミックス・ヴァージョンが存在しており、アメリカのみで8トラック・カートリッジがリリースされた[11]。
アルバムのアートディレクションはロイ・コハラ[注釈 8]が担当した。アルバム・ジャケットの表面は、1951年のアメリカSF映画『地球の静止する日』のスチール写真を基に、ロボット・ゴートの後ろに立っているマイケル・レニー演じる宇宙人クラトゥの姿にスターの頭を重ね合わせ、胸には星マークをあしらったものになっている[13]。これは、スターがニルソンの自宅に飾られていた同映画のロビーカードを見つけたことに端を発している。インナースリーブのフォトモンタージュには、エンジニアのラリー・エメライン[注釈 9]が撮影したセッション風景の写真が使われた。
# | タイトル | 作詞・作曲 | オリジナル・シンガー(リリース年) | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「グッドナイト・ウィーン」((It's All Da-Da-Down to) Goodnight Vienna) | ジョン・レノン | ||
2. | 「オカペラ」(Occapella) | アラン・トゥーサン | リー・ドーシー(1971年) | |
3. | 「ウー・ウィー」(Oo-Wee) | ヴィニ・ポンシア, リチャード・スターキー | ||
4. | 「ハズバンズ・アンド・ワイブス」(Husbands and Wives) | ロジャー・ミラー | ロジャー・ミラー(1966年) | |
5. | 「スヌーカルー」(Snookeroo) | エルトン・ジョン, バーニー・トーピン | ||
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | オリジナル・シンガー(リリース年) | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「オール・バイ・マイセルフ」(All By Myself) | ヴィニ・ポンシア, リチャード・スターキー | ||
2. | 「コール・ミー」(Call Me) | リチャード・スターキー | ||
3. | 「ノー・ノー・ソング」(No No Song) | ホイト・アクストン, デヴィッド・ジャクソン[注釈 10] | ||
4. | 「オンリー・ユー」(Only You (And You Alone)) | バック・ラム | プラターズ(1955年) | |
5. | 「イージー・フォー・ミー」(Easy for Me) | ハリー・ニルソン | ||
6. | 「グッドナイト・ウィーン (リプライズ)」(Goodnight Vienna (Reprise)) | ジョン・レノン | ||
合計時間: |
# | タイトル | 作詞・作曲 | 時間 |
---|---|---|---|
1. | 「グッドナイト・ウィーン」((It's All Down to) Goodnight Vienna) | ジョン・レノン | |
2. | 「オカペラ」(Occapella) | アラン・トゥーサン | |
3. | 「ウー・ウィー」(Oo-Wee) | ヴィニ・ポンシア, リチャード・スターキー | |
4. | 「ハズバンズ・アンド・ワイブス」(Husbands and Wives) | ロジャー・ミラー | |
5. | 「スヌーカルー」(Snookeroo) | エルトン・ジョン, バーニー・トーピン | |
6. | 「オール・バイ・マイセルフ」(All By Myself) | ヴィニ・ポンシア, リチャード・スターキー | |
7. | 「コール・ミー」(Call Me) | リチャード・スターキー | |
8. | 「ノー・ノー・ソング」(No No Song) | ホイト・アクストン, デヴィッド・ジャクソン | |
9. | 「オンリー・ユー」(Only You (And You Alone)) | バック・ラム | |
10. | 「イージー・フォー・ミー」(Easy for Me) | ハリー・ニルソン | |
11. | 「グッドナイト・ウィーン (リプライズ)」(Goodnight Vienna (Reprise)) | ジョン・レノン | |
12. | 「バック・オフ・ブーガルー」(Back Off Boogaloo) | リチャード・スターキー | |
13. | 「ブラインドマン」(Blindman) | リチャード・スターキー | |
14. | 「シックス・オクロック(エクステンデッド・ヴァージョン)」(Six O'Clock (Extended Version)) | ポール・マッカートニー, リンダ・マッカートニー | |
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