キングダークは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーX』に登場するキャラクター。敵組織GOD機関の大幹部にして巨大ロボット。仮面ライダーシリーズ初の巨大キャラクターである[1]。
本項目では関連するキャラクターである呪博士についても記述する。
『仮面ライダーX』第22話から登場[注釈 1]。再生アポロガイスト死亡後に着任した2代目大幹部[注釈 2]で、GOD機関を再編成した。
鋼の全身を黒いマントで包んだ巨人型のロボット。普段はアジトの奥で寝転がって頬杖を付いており、涅槃仏のようなポーズを取っている。口からの毒ガスや目からの破壊光線、指先からのロケット弾など、多彩な武器を持つ。
南原光一博士が開発した、すべての物質をエネルギーに変換するRS装置[注釈 3]を体内に組み込んで暴れ回る予定であったが、すでにRS装置を完成させていた南原博士はその使用を恐れて設計図を9枚に裂き、分散させてしまう。
分割された設計図を奪還すべく、キングダークは悪人軍団を次々と投入してXライダーと争奪戦を繰り広げるが、第31話で痺れを切らしてRS装置の組み込みを待たずに立ち上がり、Xライダーに挑戦する[注釈 4]。
最終話(第35話)でサソリジェロニモJr.が心臓部の設計図を入手してRS装置を完成させると、日本壊滅のために破壊活動を開始する。最後は、体内へ潜入したXライダーに呪博士を倒されたことで自爆装置が起動し、爆散した。
- 制作関連
- キングダークの巨体は横になった姿の実物大セットが作られ、圧倒的な存在感を示した[1]。セットの制作は、大道具の経験がある制作担当の佐久間正光が指揮を執った[3]。目と口には開閉ギミックを備えている[3]。
- 立ち上がった姿は着ぐるみで表現されたが、実物大の造形物とは印象の異なるものであった[2]。
- 阿部征司によれば、巨大ロボット幹部という設定にテレビアニメ『マジンガーZ』の影響は特になく、等身大ばかりではつまらないからだという。
テレビシリーズを基にした作品
- ジオラマ小説『S.I.C. HERO SAGA』
- 『MASKED RIDER V3 & RIDERMAN EDITION -RIDERMAN ANOTHER AFTER-』
- ライダーマンの前に現れ、寄り道をしたイカルスを叱咤し共に日本へと向かう。
- 『MASKED RIDER X EDITION -ゼウスの息子-』
- Xライダーとの決戦で呪博士共々自爆していたが、その頭部は脱出ポッドになっており、呪博士も生き延びていた。その残った頭部を元に呪博士の手によって新たな身体が製造され、さらにはテレビ本編で装備するはずだったRS装置も組み込まれている。
- 元々は呪博士に彼の新たな身体として製造されており、脳と直結することで言わばサイボーグとしての一体化を果たしていた。
- 『MASKED RIDER DEN-O 『ロスト・トレイン』』
- 『仮面ライダー電王』の小説作品。1974年での決戦において、姿を消したXライダーの代わりに、デンライナーが連れてきた仮面ライダーブレイドと対決する。
- ブレイドの武器であるブレイラウザーの攻撃や、最強形態のキングフォームのキングラウザーの一撃も脛にかすり傷程度しか与えられないほどの防御力を持つが、ジャックフォームに変身したブレイドに体内へ潜入されてしまう。
- 1984年での10人の平成ライダーとバダンとの決戦では、ショッカーからバダン帝国までを操っていた大首領が悪霊のエネルギーとして現れた際、ブレイドとの戦いで大破したキングダークの頭部にとり憑き、マスクの内側から不気味なドクロが現れている。
- 山田ゴロ版漫画『仮面ライダーX』
- RS装置を組み込んで動き出した後、あらゆる物質をエネルギーに変えられて無敵と豪語する。
- 漫画『仮面ライダーSPIRITS』
- 第1部では神敬介の記憶から銀のドクロが再現したキングダークが登場。
- 第3部では呪博士が密かに製造していた2号機が登場。外見は初代と同様だが、RS装置が最初から搭載されており、生身の人間しか操縦できない(改造人間は操縦不可)というプロテクトが施されている。BADANによって、秘匿されていた山口県・秋芳洞の奥地から地下水脈と日本海を経由して島根県に上陸し、RS装置の起動措置を完了[注釈 5]。頭部の角から発する雷撃に触れたものを核爆発させることが可能となり、その恐るべき力で「虚無の牢獄を破壊し、大首領JUDOを解放する」役目を担う筈だったが、ZXに角を折られて頭部が爆散したことで攻撃システムを失い、以降は「キングダークそのものをエネルギーに変換し、大首領を解放するための熱源にする(キングダーク自体を核爆発させる)」と作戦変更した暗闇大使[注釈 6]によって月面へと移送されかけるが、ZXとXライダーによって阻止され、最期は落下した海中でXライダーの真空地獄車によって破壊された。
『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』
映画『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』に登場。
大ショッカー基地の地下で石化して眠っていた巨大ロボットで、GOD機関出身の巨大幹部。大首領の間に横顔を模したレリーフがあり、原典の『X』とは異なる姿だったが、GODとの戦闘経験があるXライダーには一目で正体を看破された。
本作品のクライマックスに登場する大幹部であるが、大ショッカーの秘密兵器とも呼ばれるなど、単なる大幹部に留まらず巨大兵器としての側面も持ち合わせている。致死性の毒ガス[6]・目からの怪光線[6]・両手からの電撃・指先からのミサイルが武器。原典では体内に操縦者がいたが、本作品では自我を持って動いている。
オールライダーキックによって崩れた大ショッカー基地の崩壊後にその巨大な姿を現し、オールライダーと仮面ライダーディエンドが召喚した仮面ライダーJと戦って圧倒するものの、仮面ライダーJにジャンボディケイドライバー(FFR)を装着して変身したディケイド コンプリートフォーム ジャンボフォーメーションの反撃に遭い、最後はジャンボディメンションキックを受けて倒される。
- デザインは出渕裕が担当。原典機が寝そべっていた際と立ち上がった際の造形が違っていたため、スマートにしている[8]。
- 原典機の瞳のディテールを踏襲し、黒と赤の色のみを反転させている[8]。
- デザイン画では「ビッグG(ゴッド)」「キングダークII」「KING DARK - MkII」という名称であった[9]。
- テレまんがヒーローズの漫画版では、シャドームーンが乗り込んで操縦している。
その他平成仮面ライダーシリーズ関連作品
- ネット版『仮面ライダーディケイド オールライダー対しにがみ博士』
概要 キングダーク ...
諸元
キングダーク |
全高 | 42 m |
重量 | 1,500 t |
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- 映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
- ショッカーと同盟を結んだ組織・種族より集まった国連会議に参加するGOD機関の代表として、アポロガイストと共に登場。アポロガイストと共にショッカーに反発した暗黒結社ゴルゴムの代表者として登場した大神官ダロムと、クライシス帝国大使として登場したジャーク将軍を諌める。
- 大ショッカーのバックルがGOD機関のものに差し替えられているほか、原典同様にマントを付けていたり、国連会議におけるショッカーとの会話では寝そべっている。
- ショッカーと同盟を結んだ各組織の主要なショッカーの怪人連合のメンバーが倒された後には立ち上がるが、岩石大首領の地割れに巻き込まれてしまう。
- ネットムービー『仮面ライダーブレイブ〜Surviveせよ!復活のビーストライダー・スクワッド!〜』
- ビーストライダー・スクワッド(王蛇、タイガ、ダークキバ、ビーストから構成されるライダーチーム)に指示を与えるが、これは財団Xの研究員がナイトオブサファリガシャットのデータを得るために用意したホログラムだった。
- ジオラマ小説『S.I.C. HERO SAGA MASKED RIDER DECADE EDITION -オーズの世界-』
- 仮面ライダーディエンドを取り込んだライダーロボが、その能力をコピーしたことでカイジンライドによって召喚される。
- ゲーム『ライダージェネレーション2』
- ワールド3「鋼・鉄・巨・人」で登場。手からミサイルを放つ。
- ゲーム『SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団』
- ステージ5「ショッカー基地」のボスとして登場する。一定の攻撃を与えると、中から呪博士が現れる。
- なお、ステージ5には、ネプチューンやアポロガイストという原典通り同組織に属しているキャラクター以外にも、蜘蛛男やガラガランダやイカデビルなどのショッカー怪人や、ボスガンやガテゾーンなどのクライシス帝国の幹部も、ザコキャラクターとして登場する。
- ゲーム『ザ・グレイトバトルIII』
- ザンエル(ゲームオリジナルキャラクター)が搭乗する。
- ゲーム『ザ・グレイトバトルVI』
- シャドームーンが搭乗する。
- ゲーム『スーパーヒーロージェネレーション』
- 「迫る!ショッカー軍団」で、ショッカーグリード・イカデビル・ガラガランダ・ヒルカメレオンの4体を倒した後にショッカー首領を倒すことで、ドガ・ドロン(ゲームオリジナルキャラクター)により召喚させる。
- 作中に登場する仮面ライダーシリーズの敵の中では、衛星兵器XVIIと共に岩石大首領に次ぐ大きさ。
- エンペラーダーク
- パチンコ『仮面ライダーフルスロットル』に登場する闇のショッカーの大幹部。
- デザインは、テレビ本編のキングダークに金色の装甲が付けられている。
- ネオキングダーク
- 漫画『仮面ライダー11戦記』に登場するガイストでKD計画として製造された新たなキングダーク。3体が登場。
『仮面ライダーX』第35話(最終話)に登場。名前の読みは「のろいはかせ」。
GODの支配者で、「悪魔の天才」と呼ばれている。かつては神啓太郎教授(Xライダーこと神敬介の父親)の親友であった。一部の関連書物やDVDのデータファイルには「GOD総司令の正体」とされている[注釈 9]。キングダークと一体化しており、内部で操っていた。
最終回(第35話)では、キングダークの体内に潜入したXライダーと対峙し、サソリジェロニモJr.と共にライドルホイップで突き刺され、頭から延びるコードを引きちぎり、キングダークと共に自爆する。
- その他の作品に登場する呪博士
- 山田ゴロ版漫画『仮面ライダーX』
- その体をキングダークと接続した様子もない、普通の人間の姿で描かれている。
- 漫画『仮面ライダーSPRITS』
- 密かにキングダーク2号機を製造していたことと、自身や神啓太郎を含むGOD縁の科学者達の頭脳データを呪ステーションに保管していたことが明かされ、キングダークのRS装置起動に必要なメモリーデータとして滝和也の頭脳へインストールされたことで、人格を乗っ取り憑依する形で復活を遂げる。キングダーク内部へ侵入したコンラッドに銃を突き付けられたことで滝の身体から離れ、サブシステムに逃げ込んだところを滝の精神体や科学者達の情報体に抑え込まれてしまい、最期はXライダーにキングダークを破壊されたことで、怨嗟の言葉を吐きながら消滅した。
- ジオラマ小説『S.I.C. HERO SAGA』
- 『MASKED RIDER X EDITION -ゼウスの息子-』
- 実は親友であった啓太郎の他に、緑川博士とも縁があり、彼をショッカーの科学者に推薦したことで、GODの総司令になった経験がある。自身を強化改造しており、強さを追求するあまりの複数回による手術の結果、肉体は崩壊寸前になってしまっていた。
- 最終回後、キングダークの頭部を脱出ポッドにして生き延び、自らをアポロガイストに改造した。
- 『MASKED RIDER DEN-O 『ロスト・トレイン』』
- 『仮面ライダー電王』の小説作品。1974年の決戦にて、Xライダーの代わりに現れた仮面ライダーブレイドに体内へ潜入された後、サソリジェロニモJr.と共にブレイラウザーで突き刺され、歴史通りの最期を遂げる。
- また、ブレイドをXライダーと勘違いしており、止めを刺された際に別人と気付いた。
- ゲーム『SDヒーロー総決戦 倒せ!悪の軍団』
- ステージ5「ショッカー基地」のボス・キングダークの中から登場する。
- 声優
- 和田文夫 - 『X』
- 飯塚昭三 - 『レッツゴー仮面ライダー』『スーパーヒーロージェネレーション』
- 鈴村展弘 - 『〜Surviveせよ!復活のビーストライダー・スクワッド!〜』
注釈
書籍『仮面ライダー大全集』では「最高幹部」と記述している[2]。
劇中では、第23話で「地上のすべての物質をエネルギーに変える極分子復元装置」と説明している一方、第24話から第31話までは「世界中の物質のエネルギーを消す恐怖のRS装置」、第34話では「すべての物質を一瞬にして分解し消し去る恐るべき武器」と説明されている。
書籍『仮面ライダー大全集』では、「本作品最大の矛盾」と評している[1]。なお、劇中ではキングダークの可動にRS装置が必要不可欠とは言われていない。
内部へ捕らえた滝和也に出雲の呪ステーションからGOD縁の科学者達の頭脳データを強制的にインストールし、RS装置の起動信号とキングダークを制御するメインシステム(生体コア)にした。なお、秋芳洞から出雲までの移動はジュクの秀が操縦を行っている。
この際、暗闇大使の操るアポロガイストが代わりの頭部として接続し、RS装置の強制操作を行った。
資料によっては、45メートル[6]と記述している。
書籍『仮面ライダー大全集』では、呪博士がGODの首領であったかどうかは謎としている[2]。
出典
大全集 1986, pp. 142–143, 「仮面ライダー作品展開 仮面ライダーX」
怪人大画報 2016, p. 228, 「『仮面ライダーV3』-『仮面ライダーストロンガー』フォトセッションアルバム」
完全超悪 2020, p. 156, 「DESIGNER INTERVIEW 青木哲也・篠原保・出渕裕・雨宮慶太[仮面ライダーディケイド]」
完全超悪 2020, pp. 128, 「第1期 2000-2009 HEISEI KAMEN RIDER SERIES PHASE 1 仮面ライダーディケイド」