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キリモドキ属[1][2](桐擬き,学名:Jacaranda)は、ノウゼンカズラ科に属する中南米原産の低木または高木からなる属である。ジャカランダ属とも呼ばれる。
ジャカランダ (jacaranda、和名は「紫雲木」[3]) と総称されるが、うち1種キリモドキ Jacaranda mimosifolia の別名でもある[4]。マメ科のブラジリアン・ローズウッドを「ジャカランダ」と呼ぶ人たちがいる。英語ではタルコ (tarco) とも呼ぶ。
高さは2mから30mほど。葉は多くが2回羽状複葉で、見かけはアカシアやネムノキに似る(これはブラジリアン・ローズウッドも同様)。ただし1回羽状複葉または単葉の種もある。花は円錐花序につく。花冠は5裂し色は青または青紫色、一部に白い種類もある。雄蕊のほかに長い仮雄蕊を持つ。果実は偏平で卵形または長円形の蒴果で、多数の種子を含む。原産地では桜のように葉が出る前に花が咲くが、栽培環境によっては葉が出た後に花が咲くこともある。
49種ほどからなり、Jacaranda(中米、カリブ海、南米西部原産)とDilobos(ブラジル原産)の2つの節に分類される。
ジャカランダはカエンボク・ホウオウボクと共に「世界の三大花木」という人もあり、日本ではあまり見かけないが徐々に移入されていて、次の三カ所が比較的に知られている。[6]
日本への本格的な初導入は琉球政府当時の沖縄で1964年に、天野鉄夫がボリビアの「オキナワ移住地」から種子を持ち帰り育てるのに成功し、満開になったときの情景が紫雲が空にたなびいているように見えることから「紫雲木」と名付けたという記録がある。
メキシコシティでよく見られるジャカランダ(ハカランダ)は、メキシコ革命後に日本人移民の庭師・松本辰五郎・三四郎親子が、雨が少なくてもよく成長し花の期間が長いことから主要道路の街路樹としてアルバロ・オブレゴン大統領に植栽を勧めたのがきっかけである[7]。日系人の間ではメキシコ桜とも呼ばれ、今でも春の花として市民に親しまれている。松本はカルフォルニアのジャパニーズ・ティー・ガーデンなどを手掛けた庭師で、メキシコの鉱山王に招かれて当地に渡り、富裕層宅の庭園作りで名をあげた。
南アフリカ、特にその行政府があるプレトリアの街路や広場には多くのジャカランダが植えられていて、この町は「ジャカランダの街」(Jacaranda City)と呼ばれている。[8]
オーストラリアでは、南アフリカと同じくジャカランダが街路樹として広く植えられており、特にクイーンズランド州の州都ブリスベンで1864年から植えられてきたと言われる[9]。ブリスベン近郊で毎年9月末から11月まで開花し、ジャカランダのパープルレインの花見ができるスポットがたくさん点在している。ニューサウスウェールズ州北部に位置するグラフトンでは毎年10月の半ばから1か月ほどジャカランダ祭りが開催され、街中に見栄えの良い満開のジャカランダ並木が至る所にある。シドニー周辺にも同時期にジャカランダの並木が観賞できる[10]。
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