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カワミドリ(学名 Agastache rugosa )は、シソ科カワミドリ属の多年草 [2][3][4]。ハーブのアニスヒソップと同類で、草全体に芳香があり、長い紫色の花穂をつける[5]。薬草として知られ、茎葉や根が漢方薬に用いられている。
和名カワミドリの意味は不明[4][5]。牧野富太郎の『新牧野日本植物圖鑑』でも触れられていない[3]。別名でハイソウコウ(排草香)ともよばれる[5]。学名(属名)の Agastache は、「穂を持つもの」の意味で、花穂の形状に由来する[6]。
英語では「Korean mint」(朝鮮ミント)
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布[7]。国外では、朝鮮半島、中国大陸、シベリア東部に分布する[2]。明るい山地に自生し、やや湿った林や、川岸、沼岸などの流れの縁、湿りがちな場所に生えている[6][5]。
植物体全体にハッカのような特有の強い芳香がある多年草[7][5]。草丈は40 - 100センチメートル (cm) で、茎の断面は四角形で直立し、上部は分枝する[7]。葉は対生し、葉身は卵状心臓形で[7]、やや薄く[6]、長さ5 - 10 cm、幅3 - 7 cmになる。葉の先端は鋭くとがり、基部は心形または茎の上部につくものは円形になり、葉の裏面に微細な白毛が生え[6]、葉縁にギザギザした鈍い鋸歯がある[5]。葉柄は1 - 4 cmになる[2][3][4]。葉を揉むとハッカのような香りがする[5]。
花期は8 - 10月[6]。茎先に長さ5 - 15 cm、幅約2 cmの花穂をつけ、多数の紫色の小さな唇形花を密につける[7]。萼は長さ5 - 6ミリメートル (mm) になる短い筒状で5裂し、裂片は長くとがり、花後も紫色をしている。花冠は紅紫色で、長さ8 - 10 mm[5]、上唇はやや直立して浅く2裂し、下唇は3裂して中央裂片は大きい。雄蕊は4個あり、うち2個が長く、雌蕊が1個ともに花外に長く突き出て目立つ[7]。花は美しいので、観賞用にもなる[7]。
葉や茎は漢方に用いられる[5]。乾燥した葉に芳香があり、生薬名に藿香(かっこう)を当てているが、これは誤りで、日本では排香草ともいう[7]。かぜ薬などの漢方薬として、茎、葉、根を乾燥させたものを用いる[3]。
民間では、6 - 7月に、茎の上部だけを切り取り、水洗いしたあとに吊るして陰干ししたものを、解熱薬として、また健胃薬として用いられる[7]。1日量5 - 15グラムの藿香(排香草)を、水500 ccで半量になるまで煎じ、3回に分けて服用する用法が知られている[7]。
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