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オオイタビ(大木蓮子[3]・大崖石榴、学名:Ficus pumila)は、クワ科イチジク属の常緑つる性木本。東アジア南部に分布し、日本では関東南部以西、特に海岸近くの暖地に自生し、栽培もされる。茎から出る気根で固着しながら木や岩に這い登る。オオイタビの名は、イタビカズラに似て大型であることによる。中国名は、薜荔[1]。台湾に生育する変種のアイギョクシ(Ficus pumila var. awkeotsang)は果実を食用に用いる。幼苗は観葉植物として利用され、フィカス・プミラの名でも流通しており、園芸品種もある。
常緑のつる性木本[3]。付着根でよじ登るつる性植物で、雌雄異株[4][3]。葉は互生し、全縁で長楕円形から卵形、葉先は尖らず、一般に成葉で長さ5 - 10センチメートル (cm) でイタビカズラ(葉先は尖る)よりも大きくなるが、幼葉では長さ2 cm、幅1 cm前後と小さく[4]、イタビカズラやヒメイタビ(枝葉に褐色の毛がある)と区別しにくい。家庭用の鉢植え栽培では成葉は生じないが、暖地の戸外では成葉が生じる[4]。茎や葉など、どこを傷つけても白い乳液が出てべとつく[3]。
イチジク属の他種と同様、花は壷状の隠頭花序(花嚢)の中に咲き、イチジクコバチ類によって授粉され、またその寄生により雄花序が果実様にふくれる。花嚢は、長さ5 cm前後の倒卵形で、花はその内側につくので花期でも外から見えない[3]。雄花序(雄花嚢)はいつまでもスポンジ状で食べられない[3]。雌株につく雌花序(雌花嚢)が受粉すると内部に多数の果実が形成され径3 - 5 cm、長さ6 cmほどの果嚢になり、9月末ごろ濃紫色に熟す[3]。果嚢が熟すと花序の壁が自然に破れて外に出、これは食用可能(アイギョクシではこれからペクチンを抽出して食用にする)[3]。
寒さには強いほうで、自生地では塀などに這わせて、暖地の戸外壁面緑化に利用されている[5]。幼苗は観葉植物としても人気があり、学名からフィカス・プミラと呼ばれる[4]。斑入り葉などの園芸品種がある。本州中部では露地栽培可能で壁面緑化に用いられるが、気根が基材を傷めることもある。
観葉植物で栽培される幼苗は、明るい日陰を好む性質があり、強い光に当たると葉が痛むことから半日陰で管理される[6]。春から秋は水やりをたくさん行い、冬場は水切れしない程度に水やりを控える[6]。施肥は、春から秋に液肥を2か月おき程度に与える[6]。
近縁のイヌビワ(学名: Ficus erecta var. erecta)は、小型であるがオオイタビと同じような形態をしている[3]。近似種のイタビカズラ(学名: Ficus sarmentosa subsp. nipponica)やヒメイタビ(学名: Ficus thunbergii)は、花嚢の直径が15 mmと小さい[3]。
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