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鋏角類の化石節足動物の分類群 ウィキペディアから
ウミサソリ(海蠍[5]、英: sea scorpion)、別名広翼類(こうよくるい、英: eurypterid[6], 学名: Eurypterida)は、鋏角類に属する化石節足動物の分類群の一つ。分類学上はウミサソリ目(広翼目)とされる。しずく型の体と、腹面の生殖器周辺に融合した外骨格をもつ[7][8]。和名および英名などの通称にサソリ(scorpion)の名が付くが、サソリではない。
ウミサソリ | ||||||||||||||||||
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地質時代 | ||||||||||||||||||
古生代オルドビス紀ダリウィル期 - ペルム紀チャンシンジアン期 (4億6,730万 - 2億5,200万年前)[1][2] | ||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Eurypterida Burmeister, 1843 | ||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
ウミサソリ目[5][6] 広翼目 | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Sea scorpion Eurypterid | ||||||||||||||||||
亜目 | ||||||||||||||||||
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知られる最古の化石記録は古生代オルドビス紀ダリウィル期(約4億6,730万年前)まで遡り[1]、シルル紀からデボン紀にかけて栄えた水棲動物で、特にシルル紀には海中の頂点捕食者とされる種類もあった。約2億年間の長い生息時代にあったが、知られる最晩期の化石記録はペルム紀チャンシンジアン期(約2億5,200万 – 2億5,400万年前)までで、古生代を終わらせたペルム紀末の大絶滅(P-T境界)で絶滅した[2]。
約250種が知られ、化石鋏角類の中では最も種に富んだ分類群である[4]。1メートル前後の大型種が多く[9]、最大級のものは2.5メートルにも達すると推測され、これは既知で史上最大級の節足動物となる[10]。ウミサソリ類として一般的周知の種類は、紹介例の多いユーリプテルスとプテリゴトゥスである。
学名「Eurypterida」は本群の一属であるユーリプテルスの学名「Eurypterus」(古代ギリシア語の「ευρυς」 (eurys, 幅広い[5]) と「πτερον」(pteron, 翼)の合成語[11][12])に、一般的に目階級の分類群の学名に使われる語尾のひとつ「-ida」を添えたもの[13]。シノニム(異名)に「オオサソリ目[14] Gigantostraca」と「Cyrtoctenida」がある[4]。
英語では通称である「sea scorpion」の他に学名「Eurypterida」に因んだ学術的総称「eurypterid」がある[12]。中国語では訳語に「鱟」(カブトガニ)の字を付け足して「廣翅鱟」(簡体字: 广翅鲎)と呼ぶ。ほかに「板足鱟」(簡体字: 板足鲎)や「海蝎」の名もある。和名としてそれぞれ英語の「sea scorpion」と「eurypterid」に対応する「ウミサソリ(漢字転写: 海蠍)」と「広翼類」がある[5][6]。
体はしずく型に縦長く、前後に甲羅状の前体と、分節した後体という2つの合体節に分かれている[8]。重厚な体型をもつヒベルトプテルス科(Hibbertopteridae)を除いて、通常は上下に平たい。ほとんどの種類は大型の節足動物であり、数十cmから1m前後に及ぶのものが多い[15][16]。2m以上にも達し、既知最大級の節足動物として知られる種もある[10]が、数cmしか及ばない小型種も含まれる[16]。
前体(prosoma, 頭胸部 cephalothorax ともいうが、頭部そのものに相当[17])は眼や口などが由来する先節と、6対の前体付属肢(後述)が由来する直後6節の体節(第1-6体節)の融合でできた合体節と考えられる[8]。1枚の背甲(carapace, prosomal dorsal shield[8])に覆われ、その背面左右に複眼である側眼(lateral eye)[18]と、中央に単眼である中眼(median eye)をそれぞれ1対をもつ。背甲の縁辺部は出張っているが、カブトガニ類ほど極端でなく、その下にある全ての付属肢全体を覆う程度にはならない。背甲の腹面は縁に沿って折り返した外骨格構造(doublure[19] または ventral plate[20])があり、分類群によって1枚から5枚ほど細分される[19][21][7][22]。カブトガニ類に似て、この外骨格と背甲の境目、すなわち背甲の縁辺部は脱皮の割れ目でもある[20]。付属肢に囲まれた腹面中央には「endostoma」という目立たない二葉状の外骨格があり[21]、一般にはカブトガニ類のと同じ前体の腹板(sternite, sternum)由来とされるが[8]、ウミサソリの場合は文献により第5脚基節から遊離した顎基[23]・第7体節の付属肢との異説もある[24]。この外骨格の直前には、口とそれを覆い被さった目立たない上唇(labrum)と口上板(epistome)の複合体がある[23][25]。
他の真鋏角類と同様、前体の腹面は1対の鋏角(chelicera)と5対の歩脚型付属肢(脚)という計6対の付属肢(関節肢)をもつ[8]。鋏角は鋏型で3節の肢節(柄部1節と鋏2節)からなり[26][8]、基部は口上板と上唇の複合体に関節する[23][25]。通常では完全に前体に隠れるほど短く目立たないが、ミラーウミサソリ科[6](Hughmilleriidae)のは背甲の前縁をやや超えるほど大きく[21][27]、ダイオウウミサソリ科(Pterygotidae)のは更に極端に発達し、腕のように長く伸びていた[21][22][26][19][27]。
鋏角の直後に続く5対の脚は後方ほど多くの肢節に分かれ(原則として第1脚7節、第2-3脚8節、第4-第5脚9節)[23][1]、分類群や番目によって単調な歩脚状からやや特殊な形に特化したものがある[19][1][28]。それぞれの脚の基部(基節 coxa)は、口を囲んだ咀嚼器である鋸歯状の顎基(gnathobase)をもつ[29]。最初1対の脚は触肢(pedipalp)で、通常は形態的に脚から分化していないが、分類群や雌雄[23]によってある程度の特化が見られる場合もある[19]。最終1対の脚は、ウミサソリ亜目(Eurypterina)では第7肢節先端内側に「podomere 7A」という構造体がある[30]。その中でMoselopteridae 科以外の種類は顕著に特化した遊泳脚(swimming leg)で、第7肢節・第8肢節・podomere 7A が偏平で、櫂状のパドル(paddle, swimming paddle)を構成する[19][30]。アシナガウミサソリ亜目(Stylonurina)の場合、この脚は podomere 7A をもたず、歩脚型のままである[19][30][31]。
後体(opisthosoma, 腹部 abdomen ともいうが、胴部に相当[17])は長く伸び、背面の背板(tergite)は12節に見えるが、実際には13節(第7-19体節)の合体節で、そのうちの後体第1節(第7体節)の背板が観察できないほど退化していたと考えられる[8]。通常は4枚目の背板で最も幅広い[7]が、Mycteropidae 科のように1-2枚目の背板で最も幅広い分類群もある[31]。背板の両後端は分類群や番目によって棘(epimera)があったりなかったりする[19][7]。腹面は体節ごとに腹板(sternite)が並んでいるが、最終6節のみ顕著に見られ、前半の腹板は退化的か完全に蓋板(後述)に覆われている[7]。最終5節は背板と腹板が融合してリング状の体環になる[8]。後体の末端には1本の尾節(telson)があり、通常は剣状に尖るが、へら状のものもある(スリモニア科、ダイオウウミサソリ科など)[19][32][27][8]。尾節直前の最終体節は「pretelson」ともいい、形がやや特化した場合がある[27]。
一部の分類群では、後体はサソリのように明確に前後で幅広い前半部と細長い後半部に分化し、それぞれ中体(mesosoma)と終体(metasoma)、もしくは前腹部(preabdomen)と後腹部(postabdomen)と呼ばれている[19][8]。一方で、このような分化の有無にかかわらず、付属肢の有無に基づいてウミサソリ全般の後体前7節(後体第1節と第1-6背板に相当、付属肢のある部分)を中体、後6節(第7-12背板に相当、付属肢のない部分)を終体と扱う文献記載もある[7][17][8]。
退化的な後体第1節をも含めて、後体の前7節(第7-13体節)の腹面には後述の板状の付属肢が配置される[8]。
カスマタスピス類などに似て、後体の前端には下層板(metastoma)[6]という、前体最終の脚の間に伸びた1枚の小さな板状構造をもつ。これは一般にはカブトガニ類の唇様肢に相同で、退化的な後体第1節に由来する、左右融合した1対の付属肢だと考えられる[7][17][33][8]。その形は種類によって単調な楕円形から丸みを帯びた四辺形や三角形まで多岐にわたる[19]。アシナガウミサソリ亜目の場合、下層板の正中線には1本の縦溝がある[31]。
下層板以降の後体第2-7節は、6対の蓋板(がいばん、operculum)という平板状の付属肢があり、体節の腹面(腹板)を覆い被さるように後ろに向けて畳んでいる[8]。体節に密着し、カブトガニ類の蓋板ほどの運動能力はなかったと考えられる[34]。最初2対の蓋板は前後融合した生殖口蓋(genital operculum)、残り4対の独立した蓋板は「Blatfüsse」(単形: Blatfuss)と呼ばれている[8]。Blatfüsse は通常では全てが左右融合しているが、中央の溝(central sulture)で左右に分かれた場合もある[35]。
最初1対(後体第2節)の蓋板のみでできた他の真鋏角類の生殖口蓋とは異なり、ウミサソリの生殖口蓋は、前後融合した最初2対(後体第2-3節)の蓋板に構成されており、この特徴はウミサソリを明確に他の類似群(特にカスマタスピス類)から区別させた最も重要な共有派生形質である[7][36][17][8]。そのうち後体第2節の蓋板に当たる板は「median opercular plate」、後体第3節の蓋板に当たる板は「posterior opercular plate」と呼ばれている[7]。アシナガウミサソリ亜目と基盤的なウミサソリ亜目の種類では、生殖口蓋は更に「anterior opercular plate」という短縮した板が前端にあり、これは後体第1節の腹板由来の部分と考えられる[7]。派生的なウミサソリ亜目(Diploperculata下目)の種類では anterior opercular plate をもたず[36]、残りの板は更に融合が進み、境目に当たる溝(transverse suture)が見えないほど一体化していた[7]。また、posterior opercular plate の中央には「spatulae」という生殖肢の左右に並んだ1対の突起物をもつ場合がある[19][37]。
生殖口蓋の中央には1本の生殖肢(genital appendage)をもつ[8]。これは後体第2節の蓋板に由来し[7]、その1対の内肢が左右融合してできた生殖器と考えられる[37]。基部は「deltoid plate」という1対の三角形/五角形の外骨格に連結し[19][7]、これは生殖肢の運動に関与する構造と考えられる[38]。生殖肢は同種において長いタイプ(type A)と短いタイプ(type B)というはっきりとした二形が見られ、これは雌雄を表す特徴と考えられる[39][38]が、それぞれに対応する性別(どっちが雄でどっちが雌か)は諸説に分かれている[35]。特に type A の場合、生殖肢の根元に「horn organ」という1対の長い嚢状の内部構造があり、これは文献記載によって(雌の)受精嚢[40]もしくは(雄の)精莢を生成する器官[35]と考えられる。この生殖肢、特に type A は通常では3節に分かれるが、ダイオウウミサソリ科の場合は雌雄とも生殖肢が分節しない[27][7]。
ウミサソリの呼吸器を保存した化石は非常に稀で、その構造は20世紀後期以前では長らく不明確とされ、その復元も新たな発見によって更新され続けていた[41][42][43][44]。2020年時点では、書鰓(しょさい、book gill)と「Kiemenplatten」という2種類の呼吸器をもつことが分かり、いずれも5対で後体第3-7節に付属したとされる[44]。
書鰓は後方5対の蓋板[44]、いわゆる生殖口蓋の posterior opercular plate と4対の Blatfüsse の裏側に配置される[42][8]。書鰓の位置と大まかな形態はカブトガニ類に似ているが、顕微構造はむしろクモガタ類の書肺(しょはい、book lung)に近い[44]。Kiemenplatten(gill tract とも[41])は多孔質のクチクラと数多くの短い突起物に構成される一面の構造体で、書鰓を有する蓋板の上側、いわゆる該当体節の腹板で対になって配置される[41][42][8]。この2種類の呼吸器はそれぞれ別起源で、書鰓は他の真鋏角類の書鰓と書肺に相同の祖先形質、Kiemenplatten はウミサソリに特有の二次的な呼吸器と考えられる[42][8][44]。書鰓を有する蓋板と Kiemenplatten を有する腹板は、あわせてウミサソリの鰓室(gill chamber, branchial chamber)の内壁を構成する[42][8]。
ウミサソリの呼吸器が発見される以前から、既にカブトガニ類のように5対の書鰓があると推測された[21]。最初に発見されたのは Kiemenplatten で、Laure 1893 に蓋板由来と解釈された[45]が、Moore 1941 以降では腹板由来と見直された[46]。Waterston 1975 ではウミサソリは Kiemenplatten という1種類の呼吸器のみをもつと考えられた[41]が、Kiemenplatten と(未発見の)書鰓という2種類の呼吸器を兼ね備える説もあり[47]、この解釈は Manning & Dunlop 1995 で断片化石から得られる情報にも示唆される[42]。複数対の書鰓が体と共に保存したウミサソリの化石は Braddy 1999 で最初に発見されたが、その書鰓は不完全で、4対で外側の部分のみ保存されるため、ウミサソリの書鰓は数・配置ともサソリの書肺に共通すると解釈された(後体第3節に書鰓はなく、第4-7節にある4対の書鰓は縦方向に並んでいる)[43]。こうしてウミサソリの呼吸器は5対の Kiemenplatten と4対の書鰓を兼ね備えると考えられた[8]が、Lamsdell et al. 2020 ではカブトガニ類のように水平に並んだ完全の書鰓と、生殖口蓋の(後体第3節由来の)posterior opercular plate に付属する書鰓が発見されており、ウミサソリの書鰓は数・配置ともカブトガニ類に共通だと判明した(5対の書鰓は後体第3-7節で水平方向に配置される)[44]。
ウミサソリは全般的に捕食者とされ、分類群によっては様々な捕食方法への特化様式が見られる[28]。遊泳性で獰猛な捕食性に適したようなものがあれば、底生性で堆積物から小さな獲物を篩い分けるのに適したようなものもある[49][50][18][28]。その捕食行動によって残されたと思われる生痕化石も知られている[51]。ウミサソリ亜目とアシナガウミサソリ亜目の種類は、それぞれ前述の2つのニッチ(生態的地位)に向けて特化した傾向がある[16]。
ウミサソリ亜目の遊泳脚をもつ種類は、その遊泳脚で水中を泳いでいたことは広く認められるが、遊泳の仕組みは諸説に分かれ[34]、文献によっては遊泳脚の前後動作とパドルの角度変換で推進力を生じ[23][52]、もしくは遊泳脚を翼のように動かして揚力で前進していたと考えられる[53][34]。中型以下で大きな遊泳脚をもつもの(例えばウミサソリ科)は推進力、大型で小さな遊泳脚をもつもの(例えばダイオウウミサソリ科)は揚力という、種類によって遊泳方法が異なっていたとの説もある[34]。
名前に反して、ウミサソリ類は必ずしも海に限らず、淡水域に棲息する種類も数多く知られ、初期の海中からだんだんと浅海や淡水へと進出したことも化石記録によって示唆される[9][16][18]。少なくとも一部の種類は陸上にある程度に進出した可能性があり、それを示唆する足跡の生痕化石[48]も発見されている。また、その呼吸器から空気呼吸に適したような構造も発見される(Kiemenplatten の構造は陸棲甲殻類の偽気管に似る[42]、書鰓のラメラの隙間にはクモガタ類の書肺に共通する小柱がある[44])。
複雑な生殖器をもつことにより、ウミサソリはカブトガニ類のような体外受精をせず、むしろクモガタ類のように体内受精をし、配偶行動として雌雄が特化した生殖肢を用いて精莢の受け渡し(交接)を行っていたと考えられる[40][35]。
節足動物 |
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従来、節足動物の中でウミサソリ類は共通点(複眼の構造[18]・発達した背甲・脚の顎基など)の多いカブトガニ類(剣尾類 Xiphosura)と共に、節口類(腿口類 Merostomata)としてまとめられた[54][55][7][18]。節口類は19世紀では甲殻類扱いされてきた[54]が、20世紀以降ではむしろクモガタ類(蛛形類 Arachnida)などに共通な基本体制が判明し、共に鋏角類(Chelicerata)としてまとめられるようになった[56]。
20世紀後期以降では、精莢の受け渡しに適した硬質な生殖器などの形質に基づいて[35][17]、ウミサソリ類は同じ節口類のカブトガニ類より、むしろクモガタ類に近縁である(Sclerophorata[35] もしくは Metastomata[57] を構成する)説が主流となっている[57][58][59][35][17][8][18]。これによると、ウミサソリ類を含んだ節口類はクモガタ類を除いた側系統群であり[7][18](もしくはウミサソリ類を節口類から除外する[17])、カブトガニ類とウミサソリの多くの共通点は、あくまでも真鋏角類の祖先形質を表しているに過ぎない[18]。もしクモガタ類は節口類に対して多系統群であれば、ウミサソリ類は蛛肺類(サソリ・クモ・ウデムシ・サソリモドキなどを含んだ系統群)のクモガタ類に近縁と考えられる[44]。
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真鋏角類の中で、クモガタ類が多系統群であった場合のウミサソリ類の系統的位置[44]。 |
ネジムシ(カスマタスピス Chasmataspis)[6] やディプロアスピス[60]をはじめとし、全体の姿と後体付属肢の構成(同じく下層板と生殖肢をもつ)が本群によく似たカスマタスピス類[60]との類縁関係も議論の的となっている。この分類群に対しては、カブトガニ類とウミサソリ類に対して多系統群・ウミサソリ類に至る側系統群・カブトガニ類に含まれる・ウミサソリ類に含まれるなどの説はあった[61]が、2010年代以降では独立した単系統群でありつつ、ウミサソリ類・クモガタ類と単系統群(Dekatriata)になる説の方が主流である[17][33][62][63]。
また、後体の構成と呼吸器の配置などに基づいて、ウミサソリ類をサソリに最も近縁とする異説もあった[43][64][65]が、この見解は21世紀以降の研究に支持されず[66]、両者の共通点は Dekatriata 類の祖先形質[17]、もしくは収斂進化の結果[67]と見なされる。
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Lamsdell et al. (2013) に基づいたウミサソリ類の各上科の系統関係[36] |
2020年現在、約250種のウミサソリ類が記載され、2亜目12上科21科70前後の属に分類される[4]。
ウミサソリ類は大きくアシナガウミサソリ亜目(Stylonurina)とウミサソリ亜目(Eurypterina)の2つに分かれ、大部分の種類は後者に分類される[9][16][4]。アシナガウミサソリ亜目は形態が祖先的であるため、更に全面的な系統解析がなされるとウミサソリ亜目に対して側系統群になる可能性もあるが、両亜目とも単系統群で姉妹群であることがほとんどの系統解析に支持される[16][31][36][37][1][68]。
特殊な形態をもつヒベルトプテルス科(Hibbertopteridae)をウミサソリ類から区別させる意見もあるが、この科はアシナガウミサソリ亜目における派生群であることが多くの系統解析に支持される[31][68][4]。
ウミサソリ亜目の中で、まずモセロプテルス上科(Moselopteroidea, 第5脚は歩脚型)とオニコプテレラ上科(Onychopterelloidea, 第5脚は歩脚型と遊泳脚型の中間形態)は本亜目の遊泳脚の進化を表しているように順に分岐し[30]、続いてウミサソリ上科(Eurypteroidea)は残りの上科に至る側系統群と考えられる[36]。残りの上科(ハリウデウミサソリ上科 Mixopteroidea, Waeringopteroidea 上科, トゲウミサソリ上科 Adelophthalmoidea, プテリゴトゥス上科 Pterygotioidea)はいわゆる派生的なウミサソリ類[7]で、生殖口蓋は前端の板をもたず、残り2枚の板は境目が見当たらないほど融合した[7][36]。この特徴に因んで、これらの上科は Diploperculata(「二つ」を意味する古代ギリシア語「διπλόω」と蓋板を意味する「operculum」の合成語)下目としてまとめられる[36]。
以下の分類体系とそれぞれの地質時代は、脚注と特記しない限り World Spider Catalog に掲載される化石鋏角類一覧表「A summary list of fossil spiders and their relatives」(最終更新日:2020年1月15日)に基づく[4]。属より上位の分類群は太字で示す。
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