イワザクラ
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イワザクラ(岩桜、学名:Primula tosaensis Yatabe)は、サクラソウ科サクラソウ属に分類される多年草の1種。
特徴
葉は径3-7 cmの円形で、縁は不ぞろいの鋸歯形状である。高さ5-10 cm程の花茎を伸ばし、1-5個の花を散形につける。花弁は5枚に分かれ、紅紫色で中央の花喉部は黄色、径2.5-3 cm。開花時期は4-5月[1]。別名は、「ドサザクラ」[2]。
分布
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日本の固有種であり、岐阜県と紀伊半島、四国、九州の丘陵帯上部から山地帯の樹林に分布する。石灰岩の岩の隙間などに生える。沢沿いの岩壁の隙間などにも生える。岐阜県の旧山県郡美山町(現在の山県市)の町の花であった[3]。山県市では盗掘による絶滅が危惧されていて、2003年(平成15年)4月1日に「山県市イワザクラ保護条例」が制定された[4]。山県市の舟伏山、鈴鹿山脈[5]の鎌ヶ岳、宮崎県の鰐塚山などに自生している。
近縁種
- ヒダカイワザクラ(日高岩桜 Primula hidakana) - 北海道の日高地方に分布する。環境省レッドリストの絶滅危惧II類に選定されている。
- コイワザクラ(小岩桜 Primula reinii) - 環境省レッドリストの絶滅危惧II類に選定されており[6]、秩父多摩甲斐国立公園・丹沢大山国定公園・妙義荒船佐久高原国定公園などで自然公園指定植物となっている[7]。
種の保全状況評価
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
日本では環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[6]。総計約900個体と推定されていて、2007年以前は絶滅危惧IB類(EN)の指定を受けていた[6]。盗掘など園芸用の採集が減少の主要因であり[8][9][10]、森林伐採・道路工事の影響も原因と考えられている[6]。
参考文献・脚注
関連項目
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