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アレクシ・ド・トクヴィルが著した古典的書物 ウィキペディアから
『アメリカのデモクラシー』(仏: De la démocratie en Amérique)は、フランス人のアレクシ・ド・トクヴィルが、1830年代にアメリカの民主制の強さ・弱さについてフランス語で著述した。
アメリカのデモクラシー De la démocratie en Amérique | ||
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著者 | アレクシ・ド・トクヴィル | |
訳者 | 岩永健吉郎、松本礼二 ほか | |
発行日 |
1835年、1840年 2005年、2008年、2015年 | |
発行元 | 岩波書店、中央公論新社 ほか | |
ジャンル | 政治・社会・アメリカ合衆国 | |
国 | フランス | |
言語 | フランス語 | |
形態 | 文庫本、新書 ほか | |
公式サイト | www.iwanami.co.jp | |
コード |
ISBN 978-4-00-340092-0 ISBN 978-4-00-340093-7 ISBN 978-4-00-340094-4 ISBN 978-4-00-340095-1 ISBN 978-4-12-160161-2(新書抜粋訳) | |
ウィキポータル アメリカ合衆国 | ||
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全2巻(第1巻は1835年、第2巻は1840年)構成で、原著の題名の逐語訳は『アメリカの民主制について』だが、日本語訳は『アメリカのデモクラシー』、『アメリカの民主政治』と様々である。アメリカ論の古典として参考文献での引用も多い。
フランス7月革命の翌年の1831年に、25歳のトクヴィルとGustave de Beaumontは、アメリカの刑務所制度研究のため、フランス政府より派遣された。彼らは同年5月にニューヨーク市に到着し、約9ヶ月間アメリカに滞在移動し、刑務所関係だけではなく、アメリカ社会の経済・政治体制を含むあらゆる側面について調査した。彼らはカナダフランス語圏も訪問し、1831年の夏に当時のローワー・カナダ(現在のケベック州)とアッパー・カナダ(現在のオンタリオ州)で数日間すごした。
1832年2月にフランス本国に帰国し、1833年に "Du système pénitentiaire aux États-Unis et de son application en France" の題で、公的報告書を提出した。Beaumontはほどなくアメリカにおける人種間関係についての小説を書いた。
『アメリカのデモクラシー』の第1巻は1835年、第2巻は1840年に出版された。
『アメリカのデモクラシー』の第1巻は「他の多くの場所では失敗している共和制の議会制民主主義が、なぜアメリカでは上手くいっているのか」の分析に主な焦点を当てている。彼はアメリカの民主制にある有効な諸特徴を、自分の故国フランスにおける民主制に含まれる数々の失敗と自分が見なしていることに適用しようと努めている。
『アメリカのデモクラシー』の第2巻では、トクヴィルはアメリカの民主制の将来について推測し、民主制にとって脅威となる可能性のあることや民主制が危険なものとなる可能性について論じている。これらの脅威や危険についての見解には「民主制には「ソフトな専制政治 (soft despotism) 」へと悪化する傾向があるだけではなく、多数派の専制を生み出す危険性もある」という彼の信念が含まれる。「宗教がアメリカで強力な役割を果たしていることは政教分離に起因していて、全政党がその分離を好ましく思っている」ことを彼は観察した。彼はこのこととフランスの事情を照らし合わせたわけだが、フランスには民主主義者たちと信心家たちの対立があり、彼はこの対立が有害であると考えた。彼はこの対立を教会と政府のつながりと関連づけている。
『アメリカのデモクラシー』は、ヨーロッパとアメリカの両方でたちどころに評判になり、19世紀から21世紀現在まで、数多くの国で訳・出版されている。
本書は20世紀には政治学・社会学を専攻する学部生に対して課題図書に指定されるなど、政治学・社会学・歴史学の古典的著書となった。
トクヴィルは実証された数多くの予測を行い、奴隷制度廃止をめぐる論争が(実際に1860年代の南北戦争でそうなったように)、アメリカを分裂させる可能性を予測した。またアメリカのどの州でも独立を宣言できるだろうとも予測した。
ロシアとは、ライバルの超大国として台頭(両国は20世紀に、ロシアはソ連の一部として、第二次世界大戦後は、両国を軸に冷戦体制となった)することも予測した。
アメリカの民主制には
といった形で悪化する可能性があると考えられている。そしてこれらは政権の評判を落とし、政治家の資質、学問、そして文学を最低のレベルに落とすと彼は考えている。
『アメリカのデモクラシー』は党派根性が凶暴になることや、賢人の判断が無知な者の偏見よりも下位に置かれることを予測した。
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