アトミック・ルースター

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アトミック・ルースター

アトミック・ルースターAtomic Rooster)は、イングランド出身のロックバンド

概要 アトミック・ルースターAtomic Rooster, 基本情報 ...
アトミック・ルースター
Atomic Rooster
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再結成アトミック・ルースター(2021年)
基本情報
出身地 イングランド
ジャンル ハードロック
プログレッシブ・ロック
アート・ロック
ブルースロック
活動期間 1969年 - 1975年
1980年 - 1983年
2016年 - 現在
レーベル B&Cレコード
フォンタナ・レコード
エレクトラ・レコード
ドーン・レコード
EMI
Towerbell Records
Pegasus Records
共同作業者 クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン
メンバー スティーヴ・ボルトン (G)
シャグ・ミリッジ (B)
エイドリアン・ゴートリー (Key/Vo)
ポール・エヴェレット (Ds)
旧メンバー ヴィンセント・クレイン (Key)
ジョン・カン (G)
ポール・ハモンド (Ds)
カール・パーマー (Ds)
クリス・ファーロウ (Vo)
ほか 本文参照
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ブリティッシュ・ハードロック創成期に誕生したグループの一つ。1980年代で解散し、主宰のヴィンセント・クレインも亡くなっていたが、ゆかりのあった旧メンバーらの名義で2016年に再興した。

概要・略歴

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主宰ヴィンセント・クレイン(1970年)

1968年サイケデリック・ロックバンド「クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン」に在籍していたキーボードのヴィンセント・クレインとドラムスのカール・パーマーが諸事情でバンドを脱退し、ベース/フルートのニック・グラハムを加えてキーボード・トリオを結成した。クレインの発案による、「ギターがメインのハード・ロックをキーボードメインで演奏する」という考えがあったと言われている[1]

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1971年のラインナップ、左からジョン・カン、ヴィンセント・クレイン、ポール・ハモンド

1970年、プロデューサーのロバート・スティグウッドのバック・アップによりB&Cレコードと契約し、3月20日にデビュー・アルバム『アトミック・ルースター・ファースト・アルバム』をリリースした。レコーディングはクレインの書いた譜面を見ながら行われた[1]

この直後、ニック・グラハムが音楽性の相違から、そしてカール・パーマーが「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」結成のため脱退。後任として元「アンドロメダ」のギタリスト、ジョン・カン(後のジョン・デュ・カン)と、ドラムスのポール・ハモンドが加入した。ベース・ラインはヴィンセント・クレインがハモンドオルガンによって担当する、変則的な構成になった[2]

その後もメンバーの変遷を経ながらも、1975年に活動停止。1980年に再開するが、1983年に三年余りで再び解散した。

1989年、創設者のヴィンセント・クレインが死去[1]

1992年、中心的ドラマーだったポール・ハモンドが死去。

2011年、中心メンバーだったジョン・カンが死去。

2016年、旧メンバーだったピーター・フレンチとスティーヴ・ボルトンを中心に再興し、33年ぶりに活動を再開。

音楽性

結成時はアート・ロック要素の強いキーボード・トリオであり、クレインのオルガン、時折入るグラハムのフルートが特徴。

1stアルバムは、プログレッシブハードロックの金字塔と評価された[3]。またそのスタイルを確立した作品とされる[1]

カン、ハモンド在籍時はオルガン、ギターを前面に出したダークなハードロック・サウンドであり、後にボーカル面強化のためにフレンチが加入、3rdアルバムでハードロック・バンドとしてのスタイルを完成させたとされる[1]

クリス・ファーロウ在籍時はソウルファンク色が強く、ベテラン・シンガーを迎えたためか、伝統的ブリティッシュ・サウンドになったとも評される[1]

活動再開後の1980年代は、初期のハード・ロック・サウンドにヘヴィメタルの要素も加わる。ただしスタジオ・セッション的なサウンドでありポップになったとも評される[1]

メンバー

要約
視点

現ラインナップ

  • スティーヴ・ボルトン (Steve Bolton) - ギター (1971年ー1972年、2016年ー )
  • シャグ・ミリッジ (Shug Millidge) - ベース (2016年ー )
  • エイドリアン・ゴートリー (Adrian Gautrey) - キーボードボーカル (2017年ー )
  • ポール・エヴェレット (Paul Everett) - ドラムス (2020年ー )

旧メンバー

  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - キーボード、ボーカル (1969年ー1975年、1980年ー1983年) RIP.1989年
  • カール・パーマー (Carl Palmer) - ドラムス (1969年ー1970年)
  • ニック・グラハム (Nick Graham) - ベース (1969年ー1970年)
  • ジョン・カン (John Du Cann) - ギター、ボーカル、ベース (1970年ー1971年、1980年ー1982年) RIP.2011年
  • リック・パーネル (Rick Parnell) - ドラムス (1970年、1971年ー1974年)
  • ポール・ハモンド (Paul Hammond) - ドラムス (1970年ー1971年、1980年ー1983年) RIP.1992年
  • ピーター・フレンチ (Pete French) - ボーカル (1971年、2016年ー2023年)
  • クリス・ファーロウ (Chris Farlowe) - ボーカル (1972年ー1974年)
  • ジョニー・マンダーラ (Johnny Mandala) - ギター (1974年ー1975年)
  • サム・サンプソン (Sam Sampson) - ボーカル (1974年ー1975年)
  • アンディ・ジョンソン (Andy Johnson) - ギター (1974年ー1975年) RIP.2010年
  • ダニー・バーンズ (Denny Barnes) - ギター (1974年ー1975年)
  • ボブ・レニー (Bob Rennie) - ベース (1974年ー1975年)
  • リー・バクスター・ヘイズ (Lee Baxter Hayes) - ドラムス (1974年ー1975年)
  • プレストン・ヘイマン (Preston Heyman) - ドラムス (1980年)
  • ジンジャー・ベイカー (Ginger Baker) - ドラムス (1980年)
  • ミック・ホークスワース (Mick Hawksworth) - ベース (1982年)
  • ジョン・マッコイ (John McCoy) - ベース (1982年ー1983年)
  • バーニー・トーメ (Bernie Torme) - ギター (1983年)
  • ジョン・ミザロリ (John Mizarolli) - ギター (1983年)
  • クリスチャン・マッデン (Christian Madden) - キーボード (2016年ー2017年)
  • ボー・ウォルシュ (Bo Walsh) - ドラムス (2016年ー2020年)

ラインナップの変遷

第1期 1969年 - 1970年
1stアルバム『アトミック・ルースター・ファースト・アルバム』録音。
第2期 1970年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ
  • カール・パーマー (Carl Palmer) - ドラム
  • ジョン・カン (John Cann) - ギター、ボーカル
1stアルバム・アメリカ盤。
アメリカ進出に際し、ギターを前面に出したサウンドにしようとして、カンのギターをオーバーダビングし、また、グラハムのボーカルの一部、ベース・ソロ、フルート・ソロをカンのボーカルとギターに差し替えた。
ライブ・アルバム『Devil's Answer-BBC Sessions』の2曲録音。
これ以降クレインがベース・パートをオルガンで兼任している。
第3期 1970年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ
  • ジョン・カン (John Cann) - ギター、ボーカル
  • リック・パーネル (Rick Parnell) - ドラム
第4期 1970年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ
  • ジョン・カン (John Cann) - ギター、ボーカル
  • ポール・ハモンド (Paul Hammond) - ドラム
2ndアルバム『デス・ウォークス・ビハインド・ユー』、ライブ・アルバム『Devil's Answer-BBC Sessions』の3曲録音。
第5期 1971年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ、ボーカル、ブラス・アレンジ
  • ピート・フレンチ (Pete French) - ボーカル
  • ジョン・カン (John Cann) - ギター
  • ポール・ハモンド (Paul Hammond) - ドラム
3rdアルバム『イン・ヒアリング・オヴ・アトミック・ルースター』録音。
第6期 1971年 - 1972年
第7期 1972年 - 1973年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - ピアノ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ストリング&ブラス・アレンジ
  • クリス・ファーロウ (Chris Farlowe) - ボーカル
  • スティーヴ・ボルトン (Steve Bolton) - ギター
  • リック・パーネル (Rick Parnell) - ドラム

+

  • ビル・スミス (Bill Smith) - ベース (ゲスト/4th)
4thアルバム『メイド・イン・イングランド』録音。LPのジャケットはデニム地で作られていた。
ライブ・アルバム『Devil's Answer-BBC Sessions』の7曲録音。
第8期 1973年 - 1975年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - ピアノ、エレクトリック・ピアノ、オルガン、ストリング&ブラス・アレンジ
  • クリス・ファーロウ (Chris Farlowe) - ボーカル
  • ジョニー・マンダーラ (Johnny Mandala) - ギター
  • リック・パーネル (Rick Parnell) - ドラム
5thアルバム『ナイスン・グリージー』録音。
第9期-1 1980年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン
  • ジョン・デュ・カン (John Du Cann) - ギター、ボーカル
  • プレストン・ヘイマン (Preston Heyman) - ドラム
6thアルバム『Atomic Rooster』録音。
第9期-2 1980年 - 1982年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン
  • ジョン・デュ・カン (John Du Cann) - ギター、ボーカル
  • ポール・ハモンド (Paul Hammond) - ドラム

+

ライブ・アルバム『Devil's Answer-BBC Sessions』の3曲、ライブ・アルバム『Live At The Marquee 1980』録音。
第10期 1982年 - 1983年
  • ヴィンセント・クレイン (Vincent Crane) - オルガン、ピアノ、ボーカル、ベース
  • ポール・ハモンド (Paul Hammond) - ドラム
  • バーニー・トーメ (Bernie Torme) - ギター
  • ジョン・ミザロリ (John Mizarolli) - ギター

+

  • デイヴ・ギルモア (Dave Gilmour) - ギター (ゲスト)
  • ジョン・フィールド (Jon Field) - パーカッション (ゲスト)
7thアルバム『ヘッドライン・ニュース』録音。

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

ライブ・アルバム

  • 『ライヴ・イン・コンサート』 - BBC Radio 1 Live in Concert 1972 (1993年)
  • Devil's Answer-BBC Sessions (1998年 第2期、第4期、第7期、第9期-3)
  • 『ライヴ・アンド・ロウ 70/71』 - Live and Raw 70/71 (2000年)
  • Live in Germany 1983 (2000年)
  • Live At The Marquee 1980 (2002年 第9期-3)

コンピレーション

  • 『ベスト・オブ・アトミック・ルースター - ヘヴィ・ソウル』 - Heavy Soul (2001年 第1期 - 第10期)

シングル

  • "Friday The 13th / Banstead" (1970年 第1期)
  • "Tomorrow Night / Play The Game" (1971年 第4期) ※全英11位[4]
  • "The Devil's Answer / The Rock" (1971年 第5期) ※全英4位[4]
  • "Stand By Me / Never To Lose" (1972年 第7期)
  • "Save Me / Close Your Eyes" (1972年 第7期)
  • "Tell Your Story(Sing Your Song) / O.D." (1974年 第8期) ※Vincent Crane's Atomic Rooster名義
  • "Do You Know Who's Looking For You?/Throw Your Life Away" (1980年 第9期-2)
  • "Play It Again / Start To Live" (1981年 第9期-3) ※ベース:ビッグ・ジョン・マッコイ
  • "End Of The Day / Living Underground" (1982年 第9期-3) ※ベース:ビッグ・ジョン・マッコイ
  • "Land Of Freedom / Carnival" (1983年 第10期)

脚注

関連項目

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