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M-346は、イタリアのアレーニア・アエルマッキ社のジェット練習機。軽攻撃機としての利用も考慮されている。
1990年代にA・S・ヤコヴレフ記念試作設計局とのジョイント・ベンチャーで行われた練習機開発計画が、市場の変化に伴いロシアと西側向けに分離した[2]。ロシア側に分離したものがYak-130であり、イタリアで設計されたものが本機である。
Yak-130との分離後、2004年に初飛行、2008年1月24日には試作2号機により、トーネード IDSからのプローブ式の空中給油に成功した。同年4月10日には、生産型1号機がロールアウトした[2]。生産型は降着装置をAMXと同様のものとし、縦通材を省き機体構造の見直しとチタニウム及び複合素材の使用で380kg以上の軽量化を果たし、これに加えてテスト用の機材や標準化システムが占める物を含めて700kg程の余裕が持たされた。空力設計に基づき、燃料タンクは前方に80cm移動、航法システムはアレーニアSIAとSelexコミュニケーションズの機材をアレーニア・アエルマッキのソフトウェアで制御するものに強化された。
2008年11月19日、ハネウェルとの間に520億ドル分のエンジン供給契約が締結された。2009年には公式試験が終了し、アレーニア・アエルマッキは「マスター」(Master) と命名した[3]。2009年6月、パリ航空ショーの後、イタリア空軍と初期6機、オプション9機の契約を締結し、航空軍備総局よりT-346の型式が与えられた[2]。2010年12月21日、最初の2機がロールアウト[4]、2011年3月31日に初飛行[5]、6月20日に型式認証された[6]。11月には受領が正式に決定している[7]。2020年7月13日には、軽攻撃機型のM-346FAが初飛行した[1]。
高等練習機と軽攻撃機を兼ねる機体として設計されており、アフターバーナー非搭載ながら練習機としては高い推力を備えている。双発エンジンによる安全性の確保、システム冗長性の獲得、兵装搭載量の増大を実現している。デジタルコントロールは四重化され、これによって実用機の特性を模することが可能とされている。コクピットには、ヘッドアップディスプレイとカラー液晶ディスプレイ3面の合わせて4面のディスプレイが設けられ、ヘッドマウントディスプレイや暗視ゴーグルの運用にも対応している[8][9]。 射出座席には、イギリス製のMk16を採用している[9]。
高アングル・高G(+8から-3まで)の機動、遷音速までの速度域に対応している[10]。対空、対地の訓練内容を地上から随時変更可能とし、合成素材の多用や機体構造の標準化、TFE731エンジンをベースに開発されたF124エンジンの採用などによって訓練費用や維持費用の低減にも配慮している[8]。
軽攻撃機型M-346FAはグリフォ・レーダー(機械走査式[1])、データリンク、自衛用のECM装置を装備[1]し、近接航空支援 (CAS)・ヘリコプター等の低速目標迎撃(SMI:Slow Mover Interceptor)・対艦攻撃に用いられる。主翼下に各2ヶ所、翼端の短距離対空ミサイル用を含む[1]、計7か所の搭載ステーションを持ち、兵装の最大搭載量は2,000kg[11]、LITENING 5レーザー照準器やRecceLite偵察ポッドに加え[1]、FLIRなどの携行も可能である。練習機型との差異は、乗員1名で全ての機能を制御可能であることと、機材の即時適応性であり、実運用に際しては練習機型との混成でも支障は無いとされている[8]。
2011年11月18日、ドバイ航空ショーに出展の後、アラブ首長国連邦からサウジアラビア経由でイタリアへの帰国の途についた試作機がドバイ近郊で墜落、搭乗者は脱出に成功し死者・重傷者はなかった[33][34][35]。
出典:Alenia Aermacchi Brochures 2011 M-346[リンク切れ]P16、アレーニア・アエルマッキ[36]、レオナルド[37]からのデータ
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