Loading AI tools
ヤスミラ・ジュバニッチによる2020年の映画 ウィキペディアから
『アイダよ、何処へ?』(アイダよどこへ、Quo Vadis, Aida?)は、2020年のボスニア・ヘルツェゴビナの戦争ドラマ映画。監督・脚本・製作はヤスミラ・ジュバニッチ[4]、出演はヤスナ・ジュリチッチとイズディン・バイロヴィッチなど。第77回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映された[5]。第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた。
アイダよ、何処へ? | |
---|---|
Quo Vadis, Aida? | |
監督 | ヤスミラ・ジュバニッチ |
脚本 | ヤスミラ・ジュバニッチ |
製作 |
|
製作総指揮 |
|
出演者 |
|
音楽 | アントニー・ラザルキーヴィッツ |
撮影 | クリスティーネ・A・マイヤー |
編集 | ヤロスワフ・カミンスキ |
製作会社 |
|
配給 | アルバトロス・フィルム |
公開 |
2020年9月3日 (VIFF)[1] 2021年9月17日 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | |
言語 |
|
製作費 | €3.5–4 million[2][3] |
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の最中、1995年に起こったスレブレニツァの虐殺が題材となっている。
ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナでは、1992年から1995年まで内戦が続いた(ボスニア紛争)。元々は共存していたムスリム人・セルビア人・クロアチア人が、主義の違いで軍事衝突したのだ。
スレブレニツァの町はムスリム人が多く住む地域で、国連軍の管理下にあり、非武装の安全地帯のはずだった。紛争前は地元高校の女性教諭だったアイダは、国連軍として駐屯するオランダ人部隊の為に通訳を勤め、国連軍基地で職員として働いていた。
1995年7月13日、セルビア軍がスレプレニツァを制圧した。セルビア軍に対し空爆を予告したものの、結局は何も出来ない国連軍。アイダの夫と2人の息子たちは、少しの荷物だけを持ち出し、市民たちと共に、避難の為に国連軍基地に殺到した。だが、基地に入れたのは数千人だけで、2万人は基地の外に取り残された。
国連軍に交渉を求めるセルビア軍。アイダは基地に入れなかった夫を、『交渉役の民間人代表』に推薦することで、夫と息子を基地内に入れる事に成功した。しかし、基地内には充分な数のトイレも食料も無く、ガソリンすら支給が滞っているのが現状だった。10代の青年である2人の息子を、職員が働くエリアに勝手に連れ込み、匿うアイダ。
交渉の末に、一般市民は町に残るも去るも自由という取り決めが為された。しかし、実際には女性から次々とバスに乗せられ、連れ去られる市民たち。銃を向けて来るセルビア兵の中には、少し前まで隣人だった顔見知りも多かった。若いセルビア兵に「先生!」と呼びかけられるアイダ。
バスの行き先は安全だと説明するセルビア軍。だが、物陰では連行された男性市民たちの銃殺が横行していた。家族を守る為に、国連軍と共に避難させようと奔走するアイダ。市民代表を勤めた夫は認められたが、息子たちはバスに乗せられた。結局は夫も息子たちと行く事を選び、家族は近郊の建物で射殺された。男たちばかり8372人が殺されたという(スレブレニツァの虐殺)
紛争終結後、元の自宅を訪れるアイダ。テーブルや時計は元のままで、鍵を壊して入ったセルビア人が住み着いていた。出て行けと言うアイダに、「(家に)戻ると危険」と冷たく言い返す若い母親。発掘された被害者の遺骸の中に、息子たちを見つけて泣き崩れるアイダ。それでも、地元の小学校に勤めたアイダは、殺し合った人々と共に生きて行くのだった。
ワールド・プレミアは2020年9月3日に第77回ヴェネツィア国際映画祭で行われた[5][6]。その他に2020年9月13日に第45回トロント国際映画祭でも上映された[7][8]。2021年2月にスーパーLTDがアメリカ合衆国での配給権を獲得した[9]。アメリカ合衆国では2021年3月5日にヴァーチャル・シネマで公開され、その後2021年3月15日にビデオ・オン・デマンドで配信された[10]。
レビュー集積サイトのRotten Tomatoesでは54件のレビューで支持率が100%、平均点は8.8/10となり、「『アイダよ、何処へ?』はある女性の悲痛な争いを利用して、戦争の壊滅的な人的被害についての燃えるような説明を与える」とまとめられた[11]。Metacriticでは16件のレビューで加重平均値は97/100となった[12]。
賞 | 部門 | 候補者 | 結果 |
---|---|---|---|
アカデミー賞[13][14][15][16] | 国際長編映画賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | ノミネート |
ヴェネツィア国際映画祭[1] | 金獅子賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | ノミネート |
ロッテルダム国際映画祭[17] | 観客賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | 受賞 |
ヨーテボリ国際映画祭[18] | ドラゴン賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | 受賞 |
インディペンデント・スピリット賞[19] | 外国映画賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | 受賞 |
英国アカデミー賞[20] | 非英語作品賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ、ダミル・イブラヒモビッチ | ノミネート |
監督賞 | ヤスミラ・ジュバニッチ | ノミネート |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.