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わし座シグマ星
わし座の連星系 ウィキペディアから
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わし座σ星(わしざシグマせい、σ Aquilae、σ Aql)は、わし座の連星系である[2]。見かけの等級は5.2等と、暗い空でなら肉眼でみえる明るさである[1]。年周視差は約4.65ミリ秒で、これをそのまま距離に換算すると700光年となる[4][注 1]。
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歴史
わし座σ星は、1912年にウィルソン山天文台での観測によって、スペクトル線が二重になっており、その視線速度が規則的に変化することが発見され、分光連星であることが明らかとなった[10]。1916年には、アレゲニー天文台のフランク・ジョーダン(Frank Jordan)が、視線速度曲線から初めて軌道要素を求めた[10]。1918年には、イリノイ大学のエルマー・ダーシェム(Elmer Dershem)が、わし座σ星が変光していることを発見、同大学のチャールズ・ワイリーとジョエル・ステビンスが、光度曲線から食連星であることを明らかにし、更に詳しい軌道要素が求められた[11]。
特徴
わし座σ星系を形成する恒星は、2つともよく似たB型主系列星とみられ、スペクトル型はいずれもB3 Vと分類されている[2][1]。離心率はほぼ0で、円に近い軌道を公転し、周期は1.95日、軌道長半径は1050万km(15R☉)と求められている、分離型の近接連星である[5][8]。主星は、質量が太陽の6.8倍、半径が太陽の4.2倍、伴星は、質量が太陽の5.4倍、半径が太陽の3.1倍と推定される[6]。
変光
わし座σ星は、速い自転と潮汐力によって光球がやや楕円体となっているためか、食を起こしていないときでもわずかに変光しており、こと座β型変光星とされる[2][12]。一方、食の始まりと終わりの瞬間は、はっきりわかる光度曲線となっていて、変光星総合カタログの新しい版では、アルゴル型変光星に分類されるようになっている[11][9][12][3]。わし座σ星では、一周期の間に、主星が食を起こす場合と、伴星が食を起こす場合の、二度の食が発生し、減光幅が大きい主極小では約0.14等級、減光幅が小さい副極小では約0.10等級、それぞれ暗くなる[11]。
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重星
わし座σ星の北西約48秒の位置に12等星があり、これは、1830年にジョン・ハーシェルが発見したもので、重星カタログにも収録されているが、物理的に関係ない見かけだけの「伴星」と考えられる[13][2][14]。
名称
中国では、わし座σ星は、右旗(拼音: )という星官を、わし座μ星、わし座δ星、わし座ν星、わし座ι星、HD 184701、わし座42番星、わし座κ星、わし座56番星と共に形成する[15]。わし座σ星自身は、右旗二(拼音: )つまり右旗の2番星と呼ばれる[16]。
脚注
関連項目
外部リンク
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