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ろう石(ろうせき、蝋石、蠟石)は、蝋(ろう)のような質感(ろう感)や光沢をもつ緻密な軟質岩の総称[1][2]。石英や長石を主成分とする火山灰や火山岩が酸性の熱水液による熱水作用を受けて生成したと考えられている[2]。
中国では五代の時代に凍石に対して与えられた名だった[1]。日本では江戸末期に葉ろう石(パイロフィライト)が発見された後に明治時代に印材や石筆に用いられ「ろう石」と呼ばれるようになった[1]。
ろう石は構成鉱物によりパイロフィライト質ろう石、カオリン質ろう石、絹雲母ろう石の3種類に分けられる[1]。
ろう石は耐火レンガとして使用され、製鉄所で使用されたほか、ガラス工場、陶磁器工場、セメント工場、瓦工場、ごみ焼却炉などにも使用されている[2]。
中国は印材や彫刻などの工芸品の素材とされ、特に青田石、寿山石、昌化石、広東緑石が有名である[2]。
石筆として滑石とともに工事用のマーキングなどにも用いられるが、石筆として用いられるものにはタルク成分(滑石の成分)を不純物として含むものがある[3]。日本では明治時代に学校教育が始まると石板(粘板岩の板)とともに石筆(ろう石や滑石を鉛筆状に削ったもの)が広く使われるようになり、駄菓子屋などでも販売された[2]。
ガラス繊維の原料としての使用量が多く、鉄道車両や自動車、船舶、断熱材などの建材に利用されている[2]。
パイロフィライト質ろう石の粉材は医薬や農薬、カオリン質ろう石の粉材も薬品に用いられる[1]。
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