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ひさき、計画名SPRINT-A(英語: Small scientific satellite Platform for Rapid Investigation and Test - A)、旧称TOPS(英語: Telescope Observatory for Planets on Small-satellite)は、東京大学、東北大学が中心になって計画した惑星観測専用の宇宙望遠鏡で、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発したイプシロンロケットで打ち上げる小型科学衛星 (SPRINT) シリーズの1号機。太陽系内の惑星観測専用の人工衛星としては世界初となる。開発・製造は日本電気が担当した。
惑星分光観測衛星 「ひさき(SPRINT-A)」 | |
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想像図 | |
所属 | 東京大学、東北大学、JAXAなど |
主製造業者 | 日本電気 |
公式ページ | 惑星分光観測衛星(SPRINT-A) |
国際標識番号 | 2013-049A |
カタログ番号 | 39253 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 太陽系内の惑星観測 |
観測対象 | 水星、金星、火星、木星、土星、およびその衛星 |
計画の期間 | 1年以上(運用予定期間) |
設計寿命 | 1年 |
打上げ場所 | 内之浦宇宙空間観測所 |
打上げ機 | イプシロンロケット試験機 |
打上げ日時 | 2013年9月14日 14:00[1] |
停波日 | 2023年12月8日 |
物理的特長 | |
衛星バス | NEXTAR |
本体寸法 | 1 m x 1 m x 4 m |
質量 | 335 kg |
発生電力 | 900 W |
姿勢制御方式 | 3軸制御 |
軌道要素 | |
周回対象 | 地球 |
軌道 | 楕円軌道 |
近点高度 (hp) | 950 km |
遠点高度 (ha) | 1,150 km |
軌道傾斜角 (i) | 31度 |
搭載機器 | |
EUVスペクトロメータ | 極端紫外線分光計 |
視野ガイドカメラ | 姿勢制御誤差補正信号用カメラ |
当初は、2013年8月22日に打上げを予定していたが[2]、8月27日に延期され[3]、27日の打上げ直前に当日の打上げを中止した[4]。9月14日に打ち上げが延期され[5]、最終的に同日14時00分に打ち上げられ[1]、約1時間後に軌道に無事投入された。これを受けてJAXAはSPRINT-Aの愛称として「ひさき」(太陽(ひ)の先(さき)、内之浦のある津代半島の先端の地名の火崎に由来)と命名した[6]。11月19日に分光観測を行い、定常観測運用を開始することができることを確認した[7]。
経年劣化により観測のための姿勢制御が困難となったことから、2023年12月8日に停波され、運用が終了された。[8]
大気の吸収を受けない宇宙空間から、極端紫外線で太陽系内の他の惑星(水星、金星、火星、木星、土星)の大気やプラズマに起こる宇宙空間への大気の流出、磁気圏の変遷等を継続的・集中的に観測する。
惑星大気観測に特化した口径 20 cm の望遠鏡を搭載。地上の望遠鏡では、大気の吸収を受けるため極端紫外線領域は観測できないことによる。
すでにアメリカのハッブル宇宙望遠鏡など、より高性能な宇宙望遠鏡が運用されているが、これらはさまざまな天体観測に用いられるため、惑星観測に充てられる時間は限られてしまう。特定の惑星専用の探査機を飛ばせば非常に高精度なデータが得られるものの、高額の費用がかかり、目的の惑星以外の観測は困難である。用途を太陽系内の惑星観測に限定すれば、ハッブル宇宙望遠鏡のような高い性能は必要ではなく、小型の安価な宇宙望遠鏡で、複数の惑星を継続的に観測できるという利点がある。
衛星のサイズは1m × 1m × 4m(展開後:1m × 約7m × 4m)、重さは 335kg 。高度約 950 × 1,150kmの地球周回楕円軌道上から観測を行う。観測対象を紫外線領域を中心とした理由としては、これまでの惑星探査機の観測結果によれば、対象となる惑星の下層大気を観測するにあたり、UV領域における反射が観測できるという点である(マリナー探査機による金星探査などによる)。このことによって、金星などの惑星における大気運動観測や大気成分分析が精密に行えることになる。
開発費は数十億円程度の見込みで、研究段階においては無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)の小型地球観測衛星のASNAROシリーズと共同で研究が行われており、この結果、両シリーズ共にNEC製の標準衛星バス「NEXTAR」が採用されている。
衛星寿命 | 1年以上 |
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軌道・姿勢 | 低軌道・三軸制御 |
指向精度 | ±1.5分角(STTのみ)/±5秒角(スリットカメラ併用) |
姿勢安定度 | ±5秒角/120秒 |
内惑星観測条件 | 太陽からの角度が±10度以上時 |
当衛星に搭載されているオプション実験機。読み方はネッシー。正式名称はNext-generation Small Satellite Instrument for EPS。次世代電源系機器(高効率薄膜太陽電池セルとリチウムイオンキャパシタ(LIC))の宇宙実証実験を行う[9]。2013年11月2日にLICへの補充電が出来ないことが確認された。データ取得に必要な充電容量は既に満たされているため放電特性の取得は可能だが、繰り返し充放電特性の取得は実施できない可能性がある[10]。
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