サルスベリ

ミソハギ科の植物の一種 ウィキペディアから

サルスベリ

サルスベリ(百日紅[2][注 1]・猿滑[3]学名: Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科サルスベリ属落葉小高木。別名は、ヒャクジツコウ[1]。すべすべした幹肌が特徴で、夏から秋の長期にわたって紅色の花が咲く。

概要 サルスベリ, 分類(APG III) ...
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名称

和名サルスベリ語源は、木登りが上手なサルでも、滑り落ちるほど樹皮が滑らかという例えから名付けられている[4][5]。花が咲く期間が長いことから、ヒャクジツコウ(百日紅)の別名もあり[4]漢名もまた百日紅である[5]

英語Crape myrtle は、ギンバイカmyrtle)の花に似て、花弁がちりめんcrape)のように縮れていることから。

中国では、長安の紫微(宮廷)に多く植えられたため、紫薇と呼ばれるが、比較的長い間紅色の花が咲いていることから、百日紅ともいう。江蘇省徐州市湖北省襄陽市四川省自貢市台湾基隆市などで市花とされている。

ミャンマービルマ語ではパンイー(ပန်းအိ ビルマ語発音: [pœ́ɰ̃ʔḭ])と呼び、文字通りには〈やわな花〉を表す[6]。なお、ミャンマーにも〈猿が滑る木〉という意味合いの名を持つミャウッチョー(ビルマ語: မျောက်ချော; ビルマ語発音: [mjaʊʔ t͡ɕʰɔ́])という木が存在するが、これはヤナギ科(旧イイギリ科)のビルマラーンスウッド: Burma lancewood; 学名: Homalium tomentosum)やミソハギ科ではあるがサルスベリとは別属の Woodfordia fruticosaシノニム: Lythrum fruticosum)のことを指す[6]

分布・生育地

中国南部原産[4][5]。世界の熱帯各地に分布する[5]。日本へは江戸時代以前に渡来したと言われている[4]。日本では植栽樹として、庭や公園、寺社などで見られる[3]

形態・生態

広葉樹小高木[4]。熱帯地域ではない日本などでは落葉樹である[5]樹皮は見るからに滑らかな表面をもち、全体に淡褐色で、所々がはげ落ちて白く、濃淡が混じった斑模様になる[4][2]。特に肥大成長に伴って、特に夏に古い樹皮コルク層が剥がれ落ち、新しいすべすべした感触の樹皮が表面に現れて更新していく[5]。一年枝は細く、はっきりした稜がある[2]。混み合って植栽された幹は曲がることが多く、枝も細かく曲がる[2]

は通常2対互生コクサギ型葉序)、対生になることもある。葉身は倒卵状楕円形[4]、葉先はくぼむことが多い[3]。春の芽吹きの時期はやや遅く、新葉は樹皮の色に似て赤味を帯びる[2]。秋に紅葉し、濃い赤色から橙色を中心に、条件がよいと鮮やかに色づく[3]

花期は7 - 10月[5]は紅色または白色[注 2][4]円錐花序になり、がく状で6裂、花弁は6枚で縮れている。花は開花したその日で萎んでしまう一日花であるが、蕾が次々と開花するため、百日紅の別名どおり100日近く咲き続ける[5]

果期は8 - 11月[5]果実は円い蒴果で、先が6つに割れて、翼がある種子を飛ばす[2]。果実は種子を飛ばしたあとも遅くまで枝に残っている[2]

冬芽は小さな卵形で先端は尖り、枝の先端に仮頂芽がつき、側芽は対生するか、ときにずれてコクサギ型互生となる[2]。仮頂芽と側芽はほぼ同じ大きさで、芽鱗2 - 4枚に覆われている[2]。冬芽わきにある葉痕には、弧状の維管束痕が1個ある[2]

人間との関わり

花が美しく、耐病性もあり、必要以上に大きくならないため、しばしば好まれて公園街路樹などに植えられる[5]種子から栽培する「あすか」という一才物矮性種もある。は硬くて重い特性から、線路の枕木など土木用途で使用される[4]

サルスベリの花言葉は、「雄弁」[5]「活動」[5]「世話好き」[5]「愛嬌」[要出典]などとされる。

脚注

参考文献

外部リンク

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