GeSbTe
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GeSbTe (ゲルマニウム=アンチモン=テルルまたは GST) は、書き換え可能な光ディスクや相変化メモリ用途に使用されるカルコゲン化物ガラスのグループに属する相変化材料である。 再結晶化時間は20ナノ秒で、最大35メガビット/秒のビットレートでの書き込みと、最大106サイクルの直接上書き機能が可能である。ランド・グルーブ記録フォーマットに適する。書き換え可能DVDでよく使用される。nドープのGeSbTe半導体を用いると、新型の相変化メモリが生まれる可能性がある。合金の融点は約600°C (900K) で、結晶化温度は100~150°Cである。
書き込み中、材料は低強度のレーザー照射によって消去され、結晶状態に初期化される。材料は結晶化温度まで加熱されるが、融点までは加熱されず、結晶化する。情報は結晶相のスポットを短い (10ナノ秒未満) 高強度のレーザー・パルスで加熱することによって結晶相に書き込まれる; 材料は局所的に溶けて急速に冷却され、アモルファス相のままになる。アモルファス相は結晶相よりも反射率が低いため、結晶質を背景にデータは黒点として記録され得る。最近、新しい液体有機ゲルマニウム前駆体、イソブチルゲルマン[1][2][3] (IBGe) やテトラキス(ジメチルアミノ)ゲルマン[4][5] (TDMAGe) などが開発され、有機金属気相成長法 (MOCVD) によって、GeSbTeやその他の非常に高純度のカルコゲン化物膜を成長させるために、それぞれトリス=ジメチルアミノ・アンチモン (TDMASb) やジ=イソプロピル・テルライド (DIPTe) などのアンチモンとテルルの有機金属と組み合わせて使用される 。ジメチルアミノ・ゲルマニウム三塩化物[6] (DMAGeC) も、MOCVDによるGe堆積用の塩化物を含む優れたジメチルアミノ・ゲルマニウム前駆体として報告されている。