Appleが提供するAIプラットフォーム ウィキペディアから
Apple Intelligence(アップル インテリジェンス)とは、Appleが開発している人工知能プラットフォームである[1]。2024年6月10日にWWDC2024の基調講演で、オンデバイスをベースとして自社サーバでの処理(Private Cloud Compute[2])を組み合わせたシステムとして発表された[3][4]。 2024年10月28日からアメリカ英語での一部機能のベータテストとして、iOS 18.1, iPadOS 18.1, macOS Sequoia 15.1以降に統合されている。
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開発元 | Apple |
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最新評価版 | |
対応OS | iOS 18.1以降、iPadOS 18.1以降、macOS Sequoia 15.1以降 |
サポート状況 | ベータ版 |
種別 | 人工知能 |
公式サイト |
www |
対応言語は、アメリカ英語から始まり、2024年12月11日配信開始の、iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2からは英語圏の地域英語(イギリス英語、オーストラリア英語、カナダ英語、ニュージーランド英語、南アフリカ英語)に対応している。2025年4月からは多言語対応(日本語[注釈 1]、中国語[注釈 2]、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、韓国語、ポルトガル語、ベトナム語[注釈 3]、英語の対応地域拡大(インド英語、シンガポール英語))が始まり、2025年中に順次機能が実装される予定である[5][6][7][8][9]。
また、OpenAIとの提携により、iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2からはApple IntelligenceベースのSiriからChatGPT(GPT-4o)をユーザが任意で呼び出して利用することもできる[10][4][3][11]。
基盤モデルのトレーニングは、2023年に公開されたAppleのオープンソースプロジェクト、axlearn[12]をベースに開発されている[13]。
2024年現在、多くの生成AIがNVIDIAのGPU搭載サーバで構成されたデータセンターでトレーニングが行われているが[14][15]、Apple IntelligenceのApple Foundation Modelは、GCPを利用しGoogleの独自チップTPU v4, TPU v5を使ってトレーニングされ[16]、2024年12月現在ではAWSへ移行されTrainium[17]及びGraviton[18]を使ってトレーニングされている[19]。
2024年6月11日(日本時間)、WWDC 2024にて、プライバシー保護に配慮し、パーソナルコンテキストを理解する、独自開発した生成モデルを据えるパーソナルインテリジェンスシステム(人工知能プラットフォーム)として、iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaでの全面採用と応用した多数の機能が発表された[3][4][20][21]。
iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2から利用できる機能[22]。
新しいデザインに変更され、より豊かな言語理解が可能になり、いつでもSiriにタイプ入力できる機能なども追加される。これまで以上に個人にカスタマイズされた情報の認識や、アプリを横断しての検索やリクエストの実行が可能になる。他にも、使い方の分からないデバイスの機能や設定に関するApple製品の知識が増え、ユーザへのサポートがより一層充実する[3][11]。
これまでの会話内容を理解していることで、代名詞などでも文を理解する事が可能になる。また、画面上の物事についても理解する事が可能となる。個人の機密情報を検索する際であっても、オンデバイス(デバイス内での)処理となるため、機密情報が外に漏れることはなく、外部と共有する際には事前にユーザーの同意が必要となる仕組みである[3][11]。
新しいSiriから、外部のGPT-4oをOpen AIのアカウントや契約無しで利用することも可能となる[3][4][11]。アカウントを持っているユーザーはそれでサインインすることで、より自分に合った応答やChatGPT Plusの契約者はより多くの機能が利用できる[23]。
iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2から利用できる機能[22]。
一新されたデザインに変更され、「重要」「支払い」「プロモーション」などに自動で振り分ける機能が追加される予定である[注釈 4]。メールの返信内容を校閲してくれたり、自動で返信内容の提案や文体の変更のほかに「スマート返信」として自動で返信内容を作成し1クリックで返信が可能になる[注釈 5][3][11]。その他、要約機能により長いメールなどでも要点を確認できるようになる[注釈 5][3][11]。
iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2から利用できる機能[22]。
Apple Intelligenceを活用し、自動でアルバムを生成したり、音楽と共にスライドショーを作成する機能の機能向上とより一層複雑な検索キーワードに対応した検索機能や、意図しない写り込みを除去してくれる機能などが搭載される[注釈 5][3][11]。
iOS 18.2, iPadOS 18.2, macOS Sequoia 15.2から利用できる機能[22]。
Image Playground(イメージ プレイグラウンド)アプリが新たに登場し、好きなプロンプトや選択をするだけで好きな画像を作成できるようになるほか、Genmojiという絵文字を独自に生成する機能も追加される。[注釈 5][3][11]。
メールの返信やドキュメントの作成時に内容を校閲してくれたり、自動で返信内容の提案や文体の変更を行なってくれる機能を搭載する予定[注釈 5][3][11]。
自動で重要な通知を検知し、即時に通知したり表示順を上げてくれる機能や、重要な通知のみを表示する「さまたげ低減」集中モードが搭載される[注釈 5][3][11]。
メモアプリまたはボイスメモアプリで音声から自動で文章を書き出し、必要に応じで要約を作成する機能が追加される。
通話内容を録音する機能に対応した事により、Apple Intelligenceを活用し録音した音声を自動でテキストに変換し、必要に応じて要約する機能も実装される[3][11]。
Apple Intelligenceは、ユーザのプライバシーを保護するため基本的にオンデバイスで実行され、個人情報を収集することなく、情報を認識するよう設計されている。しかし、オンデバイスでの処理に適さない場合には、Private Cloud Computeと呼ばれるAppleシリコンによるサーバベースのデータセンターを利用し、必要最小限の情報のみを利用し、匿名化と暗号化でプライバシーを保護しながら、ユーザの提供したデータは一時利用のみで保管せず、より複雑なリクエストを処理する[2][3][11]。
AppleシリコンのMシリーズを搭載した全てのMacでmacOS Sequoia 15.1より、統合されたApple Intelligenceの機能の一部から段階的に利用できるようになる[7]。Apple Intelligenceを利用するには、内蔵SSDから起動する必要がある[25]。
対応機種:
AppleシリコンのMシリーズおよびA17 Pro以降を搭載した全てのiPadでiPadOS 18.1より、統合されたApple Intelligenceの機能の一部から段階的に利用できるようになる[7]。
対応機種
A17 Pro以降を搭載したiPhoneでiOS 18.1より、統合されたApple Intelligenceの機能の一部から段階的に利用できるようになる[7][26]。
対応機種
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