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阿刀氏(あとうじ、安斗氏/安刀氏/安都氏/迹氏)は、「阿刀」を氏の名とする氏族。
物部氏系の史書である『先代旧事本紀』では、饒速日命(物部氏祖神)の孫・味饒田命(うましにぎたのみこと)を祖とすると伝える。
また平安時代初期、弘仁6年(815年)の『新撰姓氏録』では以下の氏族が記載されている。
なお『太子伝玉林抄』所引の『新撰姓氏録』左京神別阿刀宿禰条逸文によれば、大和国城上郡椿市村(奈良県桜井市金屋)にも阿刀連があったという[1]。
このように阿刀氏は物部氏(のち石上氏)と同祖伝承を有している。その氏名は物部守屋の別業があったと伝えられる阿都(のちの河内国渋川郡跡部郷、現在の大阪府八尾市跡部周辺)の地名に基づくとされる[1]。また、人物の初見が天武天皇元年(672年)であることから、その頃に物部氏から分派したという説がある[1]。
カバネは初め「連」であったが、のちに本宗氏は天武天皇13年(684年)の八色の姓制定にあたって「宿禰」を賜った[1]。ただし、8世紀以後も「連」「造」のカバネを称する枝氏も存在した[1]。
居住地としては山背国愛宕郡(京都市東北部)、山背国相楽郡(京都府相楽郡)、摂津国豊島郡(大阪府豊中市・池田市・箕面市周辺)が知られ[1]、上記の様に『新撰姓氏録』には左京、山城国、摂津国、和泉国に居住が見られる。
『新撰姓氏録』によれば、以下1氏族が阿刀氏と同祖を称している。
その他の同族として、『日本三代実録』貞観4年(862年)7月条に「阿刀物部貞範」が見えるのみであるが、阿刀物部氏がある[7]。
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