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『讃美歌』(さんびか)は、 日本基督教団讃美歌委員会が1954年(昭和29年)に発行した讃美歌集である。他の版と区別するため、専ら讃美歌(1954年版)とも呼ばれる[1]。
戦後の情勢変化に伴う教界の要求に応えるため、日本基督教団讃美歌委員会は1949年(昭和24年)夏から讚美歌(1931年版)改訂の準備にかかり、1951年(昭和26年)4月には由木康を委員長とする改訂委員会を組織し本格的な改訂作業を始めた[2][3]。委員は由木康のほか、歌詞担当の委員に斎藤勇、豊田実、大石繁治、山北多喜彦、三井勇並びに笹淵友一、音楽担当の委員に鳥居忠五郎、岡本敏明、小泉功、奥田耕天、三宅洋一郎並びに松田孝一、それにチャールズ・ウィラー・アイグルハート及びハワード・ダンロップ・ハナフォードの15名である[2][3]。約3年間の作業を経て、1954年(昭和29年)12月に出版した。
讃美歌集として初めて左開き、詞は横組みとした[3]。会衆の礼拝用にしぼった編集方針であるとしたが、戦前版の選曲から大きな変化はなく、明治版の基調が残っている[3]。口語化は口語が未だ未熟であるとの理由から採用しなかったが、仮名遣いは「現代かなづかい」に準拠した[4]。漢字については、歌詞に割ける文字数の制約から、当用漢字表外の字も用いた[4]。
収録した歌曲は、讚美歌(1931年版)の四分の一が削除され、新たに約120篇が加えられた[5]。その結果、全体の歌詞はギリシャ語からのものが7、ラテン語からのものが26、ドイツ語からのものが57、フランス語からのものが6、デンマーク語からのものが5、英語からのものが361、中国語からのものが4、日本語のものが76となった[5]。曲番は567番までついているが、37番、87番、260番、272番、273番、549番、550番、551番、552番、553番及び554番には, 同一歌詞に二つの別の曲が付いてい、587番は8つの別々のアーメン唱からなるため、総数は585篇となる[6]。曲は45曲が重複しており、差し引くと543曲となる[7]。そのうち日本人が作曲した曲は20篇であった[6]。曲の最後に付く「アーメン」については、讚美歌(1931年版)を踏襲し全篇に付されている[6]。
1967年(昭和42年)に新作や海外・他教派の讃美歌から選んだ曲を収録する『讃美歌第二編』を、1976年(昭和51年)には『ともにうたおう』を出版した[1]。『ともにうたおう』は「第三編」とも呼ばれ、第一編と第二編、もしくはそれに第三編も加えた合冊版も刊行した[1][8][9]。
日本バプテスト連盟は、積極的に用いてきた福音唱歌が本書で「雑[注 1]」の項目に入れられたことを受けて、独自に歌集を編纂することを決め、1958年(昭和33年)から 1984年(昭和59年)にかけて4冊の『新生讃美歌』(小歌集)を発行した[11]。
初版は、5番、26番、144番、265番、412番及び428番に誤植があり、重版の際に訂正した[12][13][14][15][16][17]。
1985年(昭和60年)1月に、お知らせ「クリスマスの讃美歌の中にある不快語の読み替えについて」を発表した。1988年(昭和63年)12月には、別紙「讃美歌における不快語の読み替えについて」の挟み込みあるいは巻末への貼り込みを始めた[18]。2016年(平成28年)からは不快語読み替え訂正を、『讃美歌』のA6判が505版、B6判が242版、『讃美歌』第二編付(合本)のA6判が255版、B6判が33版、A5判が12版、『讃美歌』第二/三編付(三編合本)のA6判135版、B6判17版から反映した[18]。
2017年(平成29年)8月1日に価格の改定を発表した[19]。いずれも本体価格で、同年10月より『讃美歌』のA6判・クロス装が1,400円から1,700円に、A5判・クロス装及びA5判・ソフトカバーが5,200円から8,000円に、『讃美歌』第二編付(合本)のA6判・クロス装が2,400円から2,600円に、2018年(平成30年)3月以降に予定される重版より『讃美歌』のB6判・クロス装が2,800円から3,200円に、『讃美歌』第二編付(合本)のB6判・クロス装が3,800円から4,600円に、『讃美歌』第二/三編付(三編合本)のB6判・クロス装が4,200円から5,200円となる[20]。2023年(令和5年)2月14日にも価格の改定を発表した[9]。いずれもA6判・クロス装で本体価格が、『讃美歌』は516版より1,700円から1,900円、『讃美歌』第二編付(合本)は266版より2,600円から2,800円、『讃美歌』第二/三編付(三編合本)は143版より3,000円から3,200円となった[9]。
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