Loading AI tools
ウィキペディアから
池袋暴走事故(いけぶくろぼうそうじこ)は、2015年(平成27年)8月16日に東京都豊島区東池袋で発生した交通事故。
この記事の主題はウィキペディアにおける独立記事作成の目安を満たしていないおそれがあります。 (2023年6月) |
2015年8月16日21時35分頃、東京都豊島区の池袋駅東口前で、53歳の医師の男(以下、A)が運転する乗用車(メルセデスベンツ・Cクラス)が、地下駐車場から東京都道305号芝新宿王子線(明治通り)に出た後、転回しなければならないところを直進し、歩道に乗り上げて歩行者を次々にはねた後、衣料品店・ZARAに突っ込んで止まった。この事故で1人が死亡、4人が骨盤骨折などの重軽傷を負い、Aが自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律違反(過失傷害)の現行犯で警視庁池袋警察署に逮捕され、「歩道に突っ込んだのは記憶がない。疲れて居眠りしていたので覚えていないのかもしれない。駅の近くでラーメンを食べて車に乗った」と供述。「Aが抵抗し、警察官が『飲んでいるのか』と聞くと『何が悪いんだよ、酔っ払ってんだよ』などと大声を出して暴れ、負傷者を蹴ろうとしていた」「車の下には何人かが下敷きになっていたように見えた」などの目撃情報があったが[1][2][3][4][5][6]、運転手の呼気からはアルコールは検出されず[7]、車内からも違法薬物摂取を示唆する物証は得られなかった[7]。
8月8日にAの診療を受けた男性は「酒もタバコもやらない真面目な人。ただ、新しい看護師が来ても2、3週間ですぐ辞めてしまうのが不思議だった」、近所の女性は「近所付き合いはなく変わり者として知られていた」「診療所の前に他人の自転車や自動車が止まっていると物凄い剣幕で怒鳴り散らしていた。警察を呼ぶ騒ぎもあった」、過去にAの診療を受けた者は「診療中に母親に『バカヤロー』と怒鳴っていた」「点滴を打つんだからしゃべるなと怒られた」と話した[1]。Aの母親も「お酒も飲めないし、悩んでいるそぶりはなかった。普段は運転もあまりしないんです」とコメントした[8]。
Aはてんかんの持病があり、普段は朝夕2回薬を服用していたが、警視庁の取り調べで「当日夕方分を飲んでいなかった」と供述したことや、Aの主治医が「服薬を怠れば意識障害が起きる可能性はあるが、薬を飲んでいれば運転は可能」と説明したことから、8月18日朝、同庁は危険運転致死傷容疑で東京地方検察庁に送致し、同地検は9月1日から11月9日まで鑑定留置を行い、その結果「てんかんの影響で運転中に意識障害に陥っていた」と判断し、13日に自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪でAを起訴した[9][10][2][11][12]。
求刑は懲役8年。裁判では、Aが運転を始めた時、発作で正常な運転ができなくなる可能性を認識していたかが争点だった。A側は「適切に抗てんかん薬を服用し、運転中に意識障害が起きるとは認識していなかった」として、危険運転致死傷罪について無罪を主張したが、Aは精神科医として抗てんかん薬を処方した経験もあり、2017年6月27日、東京地方裁判所は「Aは医師として知識がありながら発作の危険性を軽視して運転しており、厳しい非難は免れない」「Aは事故前2年間に2度発作を起こし、運転直前には前兆となる異臭感を自覚した」として「可能性を認識していた」と認定、懲役5年の実刑判決を言い渡した[13]。
元々、道路交通法ではてんかん患者の運転は禁止されていた。障害や病気を理由に免許や資格の取得などを禁止・制限する「欠格条項」による制限である[7]。2002年、てんかんの扱いの見直しを求める声に応じて、てんかんが、症状によって取得の可否を判断する「相対的欠格事由」に変更された経緯がある[7][15]。しかし、その後全国で治療不十分なてんかん患者による重大事故が相次ぐようになった[16][15]。その影響で悪質な運転手への厳罰を求める声が強まり、2014年5月に罰則を強化した「自動車運転処罰法」が成立した[7][15]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.