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ウィキペディアから
作詞・作曲はとまりれんによる。佳山明生によれば「作品のプロットは自身の考案だ」と語っている。
1977年12月に佳山明生のデビュー・シングルとして発売されたのが初出である[1]。その後何度も再発され1983年に80万枚近くを売り上げ、佳山のシングルとしては最大の売上を記録した。
また、曲の人気に火がつきだした頃、1982年10月には箱崎晋一郎、12月には日野美歌によるカバー・シングルも発売され、競作となった[1]。佳山盤(1982年盤)・箱崎盤・日野盤を累計した売上は約150万枚に達した[2]。
1983年度の日本音楽著作権協会(JASRAC)発表による楽曲別の著作権使用料分配額では年間1位にランクインされた[3]。
女が酒場で一人酒を飲み、別れた男を想っているこの歌は大人の悲恋の歌である[5]。
「氷雨」の作詞・作曲者とまりれんがYouTubeでこの歌の歌唱指導をしている[注釈 1]。演歌の中にフォークの佇まいが感じられる歌であるから、力強い演歌調で押し通さず、軽さが必要であり、それが最重要ポイントである[注釈 1]。したがってこの歌の味わいを引き出すためには、サビまでを語り掛けるように歌うことである[注釈 1]。1番の後半サビ前の高音フレーズも、力を込めず感情を入れないで歌うことが望ましい[注釈 1]。しかしながらサビの「この胸」からの1フレーズに感情を入れて、「帰りたくない」で最高潮に感情を盛り上げ、最後の1フレーズは軽く、曲中リズムを大切に歌うとよい[注釈 1]。
1977年12月1日に佳山明生のデビュー・シングルとして発売。有線放送では地味ながらもリクエストが途絶えず[1]、1980年3月1日にシングル「青春譜」のB面曲として再発売[1]。その後レコードは大きな数字ではないものの売れ続け[1]、1981年12月5日にシングルA面曲として再々発売[1]、1982年7月21日に再々々発売された。再々々発盤は発売から7ヶ月後にオリコンのトップ10に初登場。「第25回日本レコード大賞」ロングセラー賞を受賞した。
この曲のPRにあたっては、佳山が函館出身でありまた北海道の有線放送でのリクエストが多かったことから、北海道を中心に佳山1人で各地を巡回しキャンペーンを行った[1]。キャンペーンで手売りしたレコードは3万枚くらいに達するという[1]。
デビュー盤(1977年12月1日、日本コロムビア、AK-102)
再発盤(1980年3月1日、日本コロムビア、AK-219)
再々発盤(1981年12月5日、日本コロムビア、AH-154)
再々々発盤(1982年7月21日、日本コロムビア、AH-237)
A面
B面
日野美歌の2枚目のシングルとして、1982年12月5日にユニオンレコードのレーベルでリリースされた[注釈 2]。
オリジナルの歌詞と異なって「あたし」を「わたし」と歌っている。曲調はフォーク調のアレンジが採られ[5]、全体的にサウンドの厚みがある。佳山×箱崎×日野の3者競作を比すると、ラストにリリースされたこの歌は特にベースギターの音がメロディ豊かに演奏される。もうすぐ20歳になる日野は「当時、20歳になっても一人で居酒屋に行く勇気はなくて、想像を巡らせながら歌いました。失恋してあの人は帰ってこないという気持ちを酒場で話しかけるようにレコーディングしました。」ということである[5]。
当時の歌手は、スナックやスーパーマーケットに営業をかけ、どれだけ売り歩いてみても際限がないという地道な営業の時代で、前作「私のあなた」の営業で日野は罵声や怒号を浴びることもあった[9]。「氷雨」発売直後に日野は大阪のスーパーマーケットで歌い、居合わせた婦人が猛烈に駆け寄ってきて言うには「絶対に売れる」で、「氷雨」はどこへ行っても大好評を博した[9]。
日野はこの曲で1983年12月31日の『第34回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たした[注釈 3]。
一時期徳間ジャパンコミュニケーションズのジャパンレコーズレーベルに在籍し、葵司朗とのデュエット曲「男と女のラブゲーム」[注釈 4]がヒットしたがジャパンレコーズ発売のいわゆる“全曲集”などでも「氷雨」はテイチク・ユニオンレコードから原盤貸与を受けてオリジナルバージョンが収録されていた(通常では移籍後の新録音というパターンが多い)。
A面
B面
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