Loading AI tools
戦国時代の越前国の大名。朝倉氏10代。弾正左衛門尉。室町幕府 越前守護。 ウィキペディアから
朝倉 孝景(あさくら たかかげ)は、戦国時代の越前国の大名。朝倉氏10代目当主。朝倉貞景の子。朝倉義景の父。母親は美濃守護代格・斎藤利国の娘。妹は美濃守護・土岐頼武に嫁ぎ、嫡男・土岐頼純を産んだ。曾祖父(7代)孝景にあやかって、自身も「孝景」と名乗った。今日においては区別するため便宜上、法名から「宗淳孝景」(大岫孝景)と呼んで区別する。
一門の朝倉宗滴の補佐を受けて、当時混乱の多かった周辺国の加賀・美濃・近江・若狭にしばしば出兵・侵攻し、各国の守護家や諸勢力に軍事的優位性、政治的影響力を見せ付け、代々対立してきた加賀一向一揆との和睦を成立させたと言われている。絶え間なく中央(京都)および周辺諸国情勢に煩わされたが、結果的に朝倉氏の勢力をさらに拡大するとともに、朝廷や幕府との繋がりをも深め、越前に更なる繁栄をもたらし、本拠・一乗谷城に京風の文化を華開かせた。
軍事面においては、当主自らではなく一族の主なものを名代として派遣する例が多い。この制度が次代の義景の統治にも影響を及ぼすこととなる。統治面においては、守護斯波氏の下では同格であった国人衆などと呼ばれる諸勢力を完全に臣従下させるには至っていない。また、弟である朝倉景高と対立するという内紛もあった。経済面においては、周辺諸国への大軍派遣、朝廷や幕府に対する多額の献金等からの一乗谷の繁栄が見られた。また、豪商らが名物茶器を所持していたり、家臣らが京に書物を求めるなどの面も見られた。
御供衆や御相伴衆に加えられていることから、越前守護職に任命されたのは宗淳孝景の頃からである[2]。
天文17年(1548年)3月22日に死去。波着寺への参詣の帰りに急死したという[3]。享年56。16歳の嫡男である延景(のちの義景)が跡を継いだ[4]。
当時、戦乱に明け暮れた日本国内(特に畿内周辺)において、越前は朝倉氏の実力の内に比較的平穏であった。そんな朝倉氏を頼り、都からも多くの貴族、文化人らが避難がてら一乗谷を訪れ、滞在している。またこの時代、京都出兵や将軍家との付き合い、朝倉の実力に対する将軍家からの厚遇を含め、朝倉氏はその軍事力だけでなく(特に畿内方面に於いて)社会的地位をも向上させていった。
この頃一乗谷には都風の文化・社交が流入し、庶民にも溶け込んでいった。孝景自身については、
と、文武に於いて賞賛されている。蹴鞠は飛鳥井流伝授、和歌は三条西実隆に批評を依頼するなど、京都文化を好んで嗜んだことが知られている。家臣らも、武の道とは別にこれら文化に親しんだことが伝わっている。ただし、”文を左(上位、優先)にしていた”、とも解釈することもできる。すなわち、武芸や戦よりも風雅な事を優先していた、およそ戦国期の大名としては柔弱な日常であった、という解釈である。
一方、家中はしかし「京都風文化」に溺れ暮らしたわけではなく、家中にては当時「軍略」「剣術」の研究が盛んであったと伝えられている。武をも疎かにしないからこそ、富田勢源、富田景政、川崎時盛、そして「名人越後」富田重政、鐘捲自斎、佐々木小次郎らといった、中条流を主とする朝倉家中に縁を持つ剣の道が、研鑽されることとなった。
また孝景は主に京より谷野一栢・半井見孝・同明孝・丹波親孝らの医学者を招いて、その知識を積極的に吸収させた。明の医学書「八十一難経」を注釈した「勿聴子俗解八十一難経」を版木本として一乗谷で出版している。
その他この頃、一乗谷を訪れた、または招待され逗留した、貴族・文化人らには以下の面々等があげられる。
孝景は文治政治家としては優秀だった。前述のように、一乗谷に多くの公家を招き、招かれた公家も平和で繁栄する越前を羨むほどだった。これは朝倉氏の越前支配が安定期を迎えていたためである。またこの時代には文化も発展し、朝倉家は孝景の時代に全盛期を迎えていた。
一方、孝景の武将としての力量は史料上では未知数であり(一族である朝倉宗滴などに任せていた為)彼自身が軍を率いたとする記録もほとんど無い。また朝倉軍の対外出兵も大半が幕府の要請に応えて畿内や周辺諸国に赴いており、朝倉家自体の領土拡大はほとんど無かった。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.