小林 泰三(こばやし やすみ、1962年[1][2]8月7日[3] - 2020年11月23日[4])は、日本の小説家、SF作家、ホラー作家、推理作家。
概要 小林 泰三(こばやし やすみ), 誕生 ...
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京都府生まれ[1][2]。洛南高等学校、大阪大学基礎工学部卒業。大阪大学大学院基礎工学研究科修士課程修了[2]。三洋電機ニューマテリアル研究所で開発者として勤務。日本推理作家協会、宇宙作家クラブの会員である[1][2][5]。元日本SF作家クラブ会員[6][7]。
1995年、「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞[1][2]。1996年、同作を収録した短編集『玩具修理者』で単行本デビューする。同作は単行本だけで15万部を超えるベストセラーとなり、田中麗奈主演で映画化された[8]。
2006年(第8回)と2007年(第9回)の2年間、日本SF新人賞の選考委員をつとめた[9][10][11]。
『S-Fマガジン』2006年4月号で発表された「'06オールタイム・ベストSF」の国内短編部門で、「海を見る人」が11位に「酔歩する男」が14位に選ばれた。
同じく関西在住作家の田中啓文、牧野修、田中哲弥と合わせて「まんがカルテット」と呼ばれる。
2020年11月23日5時56分、がんのため大阪府内の病院で死去[12]。58歳没。
- 1995年 - 「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。
- 1998年 - 「海を見る人」で第10回S-Fマガジン読者賞国内部門受賞。
- 2012年 - 『天獄と地国』で第43回星雲賞日本長編部門受賞。
- 2014年 - 『アリス殺し』で2014年啓文堂大賞(文芸書部門)受賞[13]。
- 2017年 - 『ウルトラマンF』で第48回星雲賞日本長編部門受賞。
- 2021年 - 第41回日本SF大賞功績賞受賞。
アンソロジー
「」内が小林泰三の作品
- 絆(1996年8月 カドカワノベルズ)「兆」(『百舌鳥魔先生のアトリエ』収録)
- 【改題】 ゆがんだ闇(1998年4月 角川ホラー文庫)
- 現代の小説 1998(1998年5月 徳間書店)「時計の中のレンズ」(『海を見る人』収録)
- 舌づけ(1998年7月 祥伝社 ノン・ポシェット)「影の国」(『脳髄工場』収録)
- 屍者の行進 異形コレクション(1998年9月 廣済堂文庫)「ジャンク」(『肉食屋敷』収録)
- 十の恐怖(1999年3月 角川書店 / 2002年1月 角川ホラー文庫)「十番星」(『臓物大展覧会』収録)
- ザ・ベストミステリーズ1999 推理小説年鑑(1999年6月 講談社)「獣の記憶」(『肉食屋敷』収録)
- 【改題・分冊】密室+アリバイ=真犯人 ミステリー傑作選40(2002年2月 講談社文庫)
- 密室+アリバイ=真犯人 ミステリー傑作選40(2000年2月 講談社文庫)「獣の記憶」(『肉食屋敷』収録)
- 憑き者(2000年3月 メディアワークス A-NOVELS)「家に棲むもの」(『家に棲むもの』収録)
- 血の12幻想(2000年4月 エニックス / 2002年4月 講談社文庫)「タルトはいかが?」(『脳髄工場』収録)
- ゆきどまり(2000年7月 祥伝社文庫)「友達」(『脳髄工場』収録)
- NOVEL21 少女の空間(2001年2月 徳間デュアル文庫)「独裁者の掟」(『海を見る人』収録)
- 夢魔 異形コレクション(2001年6月 光文社文庫)「脳喰い」(『目を擦る女』収録)
- 玩具館 異形コレクション(2001年9月 光文社文庫)「綺麗な子」(『脳髄工場』収録)
- SFバカ本 天然パラダイス篇(2001年11月 メディアファクトリー)「超限界探偵Σ」(『目を擦る女』、『見晴らしのいい密室』収録)
- 蚊―か―コレクション(2002年2月 電撃文庫)「刻印」(『目を擦る女』収録)
- ミステリ・アンソロジーII 殺人鬼の放課後(2002年2月 角川スニーカー文庫)「攫われて」(『臓物大展覧会』収録)
- 秘神界 ―現代編―(2002年9月 創元推理文庫)「C市」(『脳髄工場』収録)
- 教室 異形コレクション(2003年9月 光文社文庫)「あの日」(『天体の回転について』収録)
- 青に捧げる悪夢(2005年3月 角川書店 / 2013年2月 角川文庫)「攫われて」(『臓物大展覧会』収録)
- 稲生モノノケ大全 陽之巻(2005年5月 毎日新聞社)「SRP」(『臓物大展覧会』収録)
- 本格ミステリ05 2005年本格短編ベスト・セレクション(2005年6月 講談社ノベルズ)「大きな森の小さな密室」(『大きな森の小さな密室』収録)
- 【改題】大きな棺の小さな鍵 本格短編ベスト・セレクション(2009年1月 講談社文庫)
- あなたが名探偵(2005年8月 東京創元社 / 2007年4月 創元推理文庫)「大きな森の小さな密室」(『大きな森の小さな密室』収録)
- クリスピー物語(2006年4月 ネスレ文庫プロジェクト)「少女、あるいは自動人形」(『臓物大展覧会』収録)
- 密室と奇蹟 J・D・カー生誕百周年記念アンソロジー(2006年11月 東京創元社 / 2020年8月 創元推理文庫)「ロイス殺し」(『完全・犯罪』収録)
- 心霊理論 異形コレクション(2007年8月 光文社文庫)「ホロ」(『臓物大展覧会』収録)
- 未来妖怪 異形コレクション(2008年7月 光文社文庫)「試作品三号」(『百舌鳥魔先生のアトリエ』収録)
- 京都宵 異形コレクション(2008年9月 光文社文庫)「朱雀の池」(『百舌鳥魔先生のアトリエ』収録)
- 本格ミステリ09 2009年本格短編ベスト・セレクション(2009年6月 講談社ノベルズ)「路上に放置されたパン屑の研究」(『大きな森の小さな密室』収録)
- 【改題】空飛ぶモルグ街の研究 本格短編ベスト・セレクション(2013年1月 講談社文庫)
- 年刊日本SF傑作選 超弦領域(2009年6月 創元SF文庫)「時空争奪」(『天体の回転について』収録)
- NOVA1 書き下ろし日本SFコレクション(2009年12月 河出文庫)「忘却の侵略」(『見晴らしのいい密室』収録)
- 逆想コンチェルト 奏の2 イラスト先行・競作小説アンソロジー Inspired by Yoshimi Moriyama's Illustrations(2010年8月 徳間書店)「百舌鳥魔先生のアトリエ」(『百舌鳥魔先生のアトリエ』収録)
- Fの肖像―フランケンシュタインの幻想たち 異形コレクション(2010年9月 光文社文庫)「ショグゴス」(『百舌鳥魔先生のアトリエ』収録)
- 逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成〈F〉(2010年10月 創元SF文庫)「予め決定されている明日」(『目を擦る女』、『見晴らしのいい密室』収録)
- 不思議の扉 ありえない恋(2011年2月 角川文庫)「海を見る人」(『海を見る人』収録)
- 空飛ぶモルグ街の研究 本格短編ベスト・セレクション(2013年1月 講談社ノベルズ)「路上に放置されたパン屑の研究」(『大きな森の小さな密室』収録)
- NOVA9 書き下ろし日本SFコレクション(2013年1月 河出文庫)「サロゲート・マザー」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- SF JACK(2013年2月 角川書店 / 2016年2月 角川文庫)「草食の楽園」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- 教えて下さい、あなただけが知ってる「怖い話」 〜upppiホラー小説コンテスト優秀作品集〜(2013年3月 キリック【電子書籍】)「掌の上の宇宙」
- ホラー短編傑作選 兇〈惨〉(2013年3月 キリック【電子書籍】)「侵略の時」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- 日本SF短編50 IV 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー(2013年8月 ハヤカワ文庫JA)「海を見る人」(『海を見る人』収録)
- SF宝石(2013年8月 光文社)「シミュレーション仮説」
- 二十の悪夢 角川ホラー文庫創刊20周年記念アンソロジー(2013年10月 角川ホラー文庫)「逡巡の二十秒と悔恨の二十年」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- 超時間の闇(2013年11月 創土社 クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)「大いなる種族」
- [ガラシャ物語3]花も花なれ、人も人なれ(2014年4月 京都フラワーツーリズム【電子書籍】)「花も花なれ、人も人なれ」
- ガラシャ物語全集(2014年4月 京都フラワーツーリズム【電子書籍】)「花も花なれ、人も人なれ」
- 多々良島ふたたび ウルトラ怪獣アンソロジー(2015年7月 早川書房)「マウンテンピーナッツ」
- こんなのはじめて(2016年2月 興奮社 マッパノベルズ【同人誌】)「玩具」 (『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- みんなの怪盗ルパン(2016年3月 ポプラ社)「最初の角逐」
- 毒殺協奏曲(2016年6月 原書房 / 2019年1月 PHP文芸文庫)「吹雪の朝」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- 彼方からの幻影(2016年7月 創土社)「此方より」
- 関西魂 〜五の祭り〜(2016年9月 関西魂出版【同人誌】)「漢」
- OUT TO LAUNCH(2016年11月 興奮社【同人誌】)「易者」
- 年刊日本SF傑作選 行き先は特異点(2017年7月 東京創元社)「玩具」(『逡巡の二十秒と悔恨の二十年』収録)
- 大沢在昌 選 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎010(2017年9月 講談社文庫)「獣の記憶」(『肉食屋敷』収録)
- だから見るなといったのに 九つの奇妙な物語(2018年8月 新潮文庫)「自分霊」
- revisions 時間SFアンソロジー(2018年12月 ハヤカワ文庫JA)「時空争奪」(『天体の回転について』収録)
- NOVA 2019年春号(2018年12月 河出文庫)「クラリッサ殺し」
- 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション(2021年9月 角川ホラー文庫)「人獣細工」(『人獣細工』収録)
- 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1(2023年11月 角川ホラー文庫)「玩具修理者」(『玩具修理者』収録)
- 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集(2023年12月 角川ホラー文庫)「お祖父ちゃんの絵」(『家に棲むもの』収録)
その他単行本未収録作品
- 変身(『YOU&I SANYO』1998年3月号)
- 作家誕生(『YOU&I SANYO』1998年5月号)
- 環境裁判(『YOU&I SANYO』1998年7月号)
- 漂流者(『YOU&I SANYO』1998年9月号)
- きらきらした小路(『S-Fマガジン』2002年7月号 / 『S-Fマガジン』2021年4月号〈再録〉)
- 虹色の高速道路(『S-Fマガジン』2003年4月号 / 『S-Fマガジン』2021年4月号〈再録〉)
- 単純な形(『S-Fマガジン』2003年6月号 / 『S-Fマガジン』2021年4月号〈再録〉)
- 量子密室(『小説新潮』2013年8月号)
- 二人を繋ぐ夢(『小説新潮』2014年1月号)
- 愛玩(『小説新潮』2015年3月号)
- 強いAI(『人工知能』2016年11月号)
- 名作万華鏡 太宰治篇(光文社文庫サイトYomeba! 2020年6月 - )
- 籠城(光文社文庫サイトYomeba! 2020年7月)
- 時の旅(『S-Fマガジン』2021年4月号)
映画
- 玩具修理者(2002年1月1日公開、監督:はくぶん、主演:田中麗奈)
- ラブサイコ 狂惑のホラー(2006年7月15日公開、監督:安達正軌、主演:近藤公園、原作:「食性」)[14]
- ラブサイコ 妖赤のホラー(2006年7月15日公開、監督:岡島久宜、主演:伊藤裕子、原作:「家に棲むもの」)
漫画
- 玩具修理者(漫画:MEIMU、1998年11月 角川コミックス)
- 収録作品:玩具修理者 / 人獣細工 / 吸血狩り / 兆 / 本
“詳細な経歴”. 小林泰三の不確定領域 (2017年7月22日). 2020年5月20日閲覧。
『SF Japan』2007年SPRING(3月号)
『SF Japan』2008年SPRING(3月号)