天寧駅(てんねいえき)は、かつて北海道釧路市貝塚町(現在の貝塚3丁目)[1] にあった日本国有鉄道(国鉄)根室本線(貨物支線)の貨物駅である。事務管理コードは▲110475[2]。国鉄の鉄道貨物輸送縮小計画によって1984年(昭和59年)に廃止された。
年表
駅名の由来
付近の地名から。「てんねる」とも読まれることがある[15]。アイヌ語の「テイネイ(teine-i)」(湿れている・ところ=湿原)[5]、あるいは「テイネル(teine-ru)」(湿れている・道)[15]、のいずれかに由来する。
- 北側に伸びた支線の中間位置に、本線を挟んで2本の側線を有する構内を有した[16]。
- 駅舎は上記構内中央の内陸側に置かれていた[16] が、後年支線のスイッチバック点(南北に伸びた支線のほぼ中間点)の河川側へ移転し、構内と駅舎が全く離れた変わった構造となった。
- 支線の分岐方向に関しては、初期の地図のほとんどが本線より直接北へ分岐する形になっており、また昭和3年版線路一覧略図では別保信号場からではなく本線途中から北側へ分岐するように描かれていて、それを裏付けている。その後、東釧路駅構内から釧路駅側へ本線に沿った後に北側にある当駅方向へスイッチバックする形になったものと思われる。
- 貝塚町(現在の貝塚3丁目)の駅構内を取り囲むように両側に隣接して昭和40年台に数棟のカマボコ型農協倉庫が建てられたが、現在もそのまま残されている。
- 南側の材木町へ延伸していた貨物支線周辺は、廃線前の昭和50年台から既に木材需要が無くなったために荒れ地となって放置されていたが、民間業者によってソーラー発電所が計画され、設置工事が始められている。
- 支線に沿って操業していた日東化学工業や北海製罐の工場は撤去されて跡形もない。
- 軌道は殆ど撤去されたが、東釧路駅から橋南幹線道路の陸橋まで、根室本線脇に僅かに残されている。
- 日本国有鉄道
- 根室本線 貨物支線
- 東釧路駅 - 天寧駅
注釈
運賃計算上の営業キロは釧路駅 - 当駅:2.0 M(≒3.2 km)、当駅 - 上別保駅:4.5 M(≒7.2 km)
営業キロは別保信号場 - 当駅:1 M(≒1.6 km)
出典
昭和21年現在 鉄道停車場一覧 運輸省鉄道総局発行。
全国専用線一覧 昭和5年版から昭和58年版まで掲載。作業距離0.7 km。
昭和33年測量 国土地理院 2万5千分の一地形図。駅の位置は変わらず。全国専用線一覧 昭和26年版0.2 km(火力発電所)→昭和32年版0.5 km( + 釧路練炭)→昭和45年版0.5 km(釧路練炭)。
全国専用線一覧 昭和39年版から昭和58年版まで掲載。作業距離0.2 km。
- 日本の鉄道駅一覧
- 廃駅
- 太平洋石炭販売輸送臨港線(東釧路駅を介して天寧貨物線と接続)
- 城山線は太平洋炭礦における天寧貨物線に相当し、坑木など炭鉱経営に必要な木材を釧路川河畔の木材土場から調達するために設けられた。同線が開設されたのは天寧貨物線が東釧路駅経由になる3年前の昭和12年、日華事変の軍需景気に対する石炭増産体制が取られた時期であった。
- 浜釧路駅 - 釧路にあったもう一つの国鉄の貨物駅。
- 釧路開発埠頭 - 釧路にあったもう一つの貨物専用鉄道。