動原体
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動原体(どうげんたい)またはキネトコア(英: kinetochore、[kɪˈnɛtəkɔːr]、[-ˈniːtəkɔːr])は、真核生物の細胞において、複製された染色分体に結合する円盤型のタンパク質構造であり、細胞分裂時に姉妹染色分体を引き離すために紡錘糸が結合する部位である[1]。キネトコアはセントロメア上で組み立てられ、有糸分裂と減数分裂時に染色体を紡錘体の微小管ポリマーへ連結する。また、キネトコアのタンパク質は姉妹染色分体をつなぎとめておくのを助け、染色体の編集にも関与する[2]。
![Thumb image](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/25/Kinetochore.jpg/320px-Kinetochore.jpg)
脊椎動物、菌類、大部分の植物を含む、モノセントリック染色体の生物では、各染色体には1つのセントロメアが存在し、そこで1つのキネトコアが組み立てられる。線形動物や一部の植物などのホロセントリック染色体を持つ生物では、染色体全長にわたってキネトコアが組み立てられる[3]。
キネトコアは細胞分裂時の染色体の顕著な運動を開始し、制御し、監視する。S期に染色体が複製された後の有糸分裂の過程では、2つの姉妹染色分体はセントロメアによって保持されている。各染色分体にはそれぞれ反対方向をむいたキネトコアが存在しており、それぞれが紡錘体の各極へと連結される。中期から後期への移行後、姉妹染色分体は分離され、各染色体上のキネトコアが紡錘体極への移動を駆動する。2つの新たな娘細胞はこのようにして決定され、それゆえキネトコアは有糸分裂と減数分裂時の染色体分離に必要不可欠である。