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フランスのサッカー選手 ウィキペディアから
ラファエル・ヴァラン(Raphaël Varane、1993年4月25日 - )は、フランス・リール出身の元サッカー選手。元フランス代表。現役時代のポジションはDF[2]。
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マンチェスター・ユナイテッドFCでのヴァラン(2021年) | ||||||
名前 | ||||||
ラテン文字 | Raphaël Varane | |||||
基本情報 | ||||||
国籍 |
フランス マルティニーク | |||||
生年月日 | 1993年4月25日(31歳) | |||||
出身地 | リール | |||||
身長 | 191cm[1] | |||||
体重 | 81kg[1] | |||||
選手情報 | ||||||
ポジション | DF (CB) | |||||
利き足 | 右足 | |||||
ユース | ||||||
2000-2002 | エレーム | |||||
2002-2010 | RCランス | |||||
クラブ1 | ||||||
年 | クラブ | 出場 | (得点) | |||
2010-2011 | RCランス | 23 | (2) | |||
2011-2021 | レアル・マドリード | 236 | (8) | |||
2021-2024 | マンチェスター・ユナイテッド | 68 | (2) | |||
2024 | コモ | 0 | (0) | |||
通算 | 336 | (12) | ||||
代表歴 | ||||||
2010 | U-18フランス | 2 | (1) | |||
2012 | U-20フランス | 1 | (0) | |||
2011-2012 | U-21フランス | 15 | (2) | |||
2013-2022 | フランス | 93 | (5) | |||
1. 国内リーグ戦に限る。2024年9月28日現在。 ■テンプレート(■ノート ■解説)■サッカー選手pj |
RCランスの下部組織出身で、2010年11月7日のモンペリエHSC戦でトップチームデビューした[3]。エリック・アサドゥリアン監督はヴァランを「本当のトップクラスの選手」であり「技術力も戦術理解力も申し分ない」と表現している[4]。2011年、18歳でレアル・マドリードに加入すると、10シーズンで3度のラ・リーガ制覇や4度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を経験。2021年夏、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドFCに移籍した。
25歳であった2018年の時点で「優勝請負人」の名誉を手に入れた名プレイヤー[5]。彼の獲得に携わったジネディーヌ・ジダンは、現役時代の同僚であったローラン・ブランの後継者と語り[2]、フェルナンド・イエロとも比較されるなど大きな期待を受けた[6]。ヴァラン自身は最良のお手本として、リリアン・テュラムの名前を挙げている[7]。
父親はカリブ海マルティニークのLe Morne-Rougeにルーツを持ち、母親もマルティニークにルーツを持つ[8]。1993年4月25日、リールに生まれ、7歳の時に地元リール郡にあるASエレムでサッカーを始めた[9]。2シーズンをASエレムで過ごした後、地元の強豪リールからも興味を持たれていたが、2002年7月にLOSCリール・メトロポールのライバルのRCランスの下部組織に加わった[10]。また、ガエル・カクタやティモテー・コロジエチャクなど、ノール=パ・ド・カレー地域圏出身者だけで構成された同年代の逸材たちとともに、リエヴァンにあるCentre de Préformation de Footballという練習施設で練習に励んだ[8]。平日はこの施設で、休日はRCランスの下部組織でプレーしていたが、2年後に完全にRCランスでプレーするようになると、下部組織の各カテゴリーを速足で駆け上がっていった。
2008-09シーズンはトルガン・アザールやジョフレイ・コンドグビアとともにU-16チームでプレーし、この世代の全国リーグ(Championnat National des 16 ans)で優勝した。2009-10シーズンはU-19チームに昇格し、主に2歳年上の選手たちに交じってプレーした。2010-11シーズン開幕前にRCランスとプロ契約を結ぶと[11]、続いてフランスアマチュア選手権(4部)に属するリザーブチームに昇格し[12]、JAドランシ(JA Drancy)とのシーズン開幕戦(2-0)でリザーブチームデビューした[13]。その後は9試合連続で先発出場し、その間は1敗しかしていない。
2010年10月末、ジャン=ギー・ヴァレム(Jean-Guy Wallemme)監督によってトップチームの練習に招集され、週末の11月6日に行われたモンペリエHSC戦(2-0)では負傷中のアラディン・ヤイアに代わって驚きの先発出場を果たした[14]。この試合にフル出場し、それまでのシーズンに2度しか達成していない完封で勝利を収めた[3]。試合後にはキャプテンのアディル・エルマシュ、コンビを組んだエリック・シェル、ストライカーのダヴィド・ポジェなどのチームメイトからプレーぶりを称賛され、地元メディアやヴァレム監督からも賛辞を受けた[15][16]。モンペリエHSC戦後はオリンピック・マルセイユ、オリンピック・リヨンの強豪と連戦したため、他の若手選手たちとともにベンチを温めたが[17][18]、11月30日のスタッド・ブレスト29戦(4-1)では先発メンバーに復帰した[19]。この試合後にヴァレム監督は解任されたが、ヴァランはラースロー・ベレニ新監督の下でも先発メンバーに定着した。12月にはセンターバックのポジションを争うシェルとヤイアが復帰したため、FCジロンダン・ボルドー戦では守備的ミッドフィールダーとして出場した。この試合では3人目のセンターバックのようなポジションでプレーし、84分にはヨアン・グルキュフの近距離からのシュートをブロックして2-1のリードを保ったが[20]、終盤に失点を喫して2-2の引き分けに終わった[21]。
2011年1月には背番号14番が与えられた。様々なクラブがヴァランの獲得に興味を示し[22]、これらのクラブからの関心を鎮めるために、2月3日にはRCランスとの契約を2015年まで2年間延長した[23][24][25]。5月8日のSMカーン戦(1-1)でプロ初得点を挙げ[26]、その翌節のASモナコ戦(1-1)では同点弾を決めた[27]。これらの価値ある得点を決めたにもかかわらず、RCランスは下位に低迷し、リーグ・ドゥ(2部)降格が決まった[28]。5月21日のACアルル・アヴィニョン戦(0-1)ではゲームキャプテンを務めた[29]。
2011年6月22日、RCランスのジェルヴェ・マルテル会長はクラブミーティングで、ヴァランがスペインのレアル・マドリードに移籍すると明言し、「彼はジョゼ・モウリーニョ監督が率いるレアル・マドリードの一員としてプレーするだろう」と述べた[30][31]。ヴァランは契約に先立ってレアル・マドリードのクラブオフィスを訪れ、同じフランス人でアドバイザーを務めるジネディーヌ・ジダンと対面した[30][32]。メディカルチェックを受けた後の6月27日、レアル・マドリードは公式にヴァランの獲得を発表した[33][34]。彼は6年契約を結び、移籍金は約1000万ユーロとされている[35]。
ヴァランは背番号19番を背負い、開幕前に行われたプレシーズンマッチのロサンゼルス・ギャラクシー戦の後半開始時にデビュー。その4日後のCDグアダラハラ戦ではスターティングメンバーに名を連ね、フル出場した。リーガ第5節ラシン・サンタンデール戦で公式戦デビューし、リカルド・カルヴァーリョと共にセンターバックで出場して無失点に抑えた。3日後のラーヨ・バジェカーノ戦では、メスト・エジルのコーナーキックからアクロバティックなゴールを決め、移籍後初ゴールを記録した[36]。
2012-13シーズンには背番号が2番へと変更になった。コパ・デル・レイ準決勝1stレグで行われたFCバルセロナ戦では、メスト・エジルのクロスから同点弾となるゴールを決めた。また、UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝のガラタサライSK戦1stレグでは3-0での完封勝利に貢献。マルカのファン投票やアスオンラインなどでチーム最高評価を得、ディディエ・ドログバからは、「ヴァランがまだわずか19歳とは本当に信じられない。彼は自分がこれまで対戦してきた中でも最も優れたDFの1人だ」と賞賛された[37]。しかし、リーガ第35節RCDエスパニョール戦にてワカソ・ムバラクとの競り合いで負傷、右足の半月板損傷により長期の離脱を余儀なくされた[38]。
2013-14シーズン、10月2日に行われたチャンピオンズリーググループステージのFCコペンハーゲン戦で5ヶ月ぶりに復帰を果たしたものの、11月の代表戦後に再び同箇所を傷めて戦線離脱[39]。2月2日のリーガ第22節アスレティック・ビルバオ戦でロスタイムに出場して復帰すると、11日のコパ・デル・レイでのアトレティコ・マドリード戦で先発復帰を果たした。2014年9月18日、公式サイトでレアル・マドリードとの契約を2020年まで延長したと発表した[40]。
2016-17シーズンから背番号を2番から5番に変更した。2017年9月27日、レアル・マドリードとの契約を延長した[41]。
2017-18シーズンはチャンピオンズリーグ3連覇に貢献。1998年のクリスティアン・カランブー、2002年のロベルト・カルロス、2014年のサミ・ケディラに次ぎ4人目となる同年にチャンピオンズリーグ、FIFAワールドカップを制した選手となった。それにより、ルカ・モドリッチやキリアン・エムバペ、アントワーヌ・グリーズマンらとともにバロンドールの有力候補の一人と目された[42]。バロンドールはチームメイトであるモドリッチが受賞したものの、FIFA/FIFProワールドイレブンやUEFAチーム・オブ・ザ・イヤーに初めて選出された。
2021年7月27日、マンチェスター・ユナイテッドFCは、ヴァランの移籍に関してレアル・マドリードと基本合意に達したことを発表した[43][44]。2021年8月14日、2021-22シーズンのプレミアリーグ開幕節にヴァランが背番号19番のユニフォームを持って現れることでマンチェスター・ユナイテッドは正式に加入を発表した。契約期間は2025年6月末まで[45]。第35節のブレントフォード戦移籍後初ゴールを挙げた[46]。
移籍当初は苦しんだが、エリック・テン・ハフ体制になると新加入のリサンドロ・マルティネスと強固な守備を構築し、マンチェスター・ユナイテッド6年ぶりのタイトルであるカラバオ・カップ獲得に貢献した。しかしその後はヴァラン自身のスピードやフィジカルの衰えに加えハリー・マグワイアの復調、マグワイアのパートナーとしてヴィクトル・リンデロフやジョニー・エヴァンズがより左足の精度に優れることなどからセンターバックの序列を下げ、出場機会を減らした[47]。
2024年5月14日、契約満了に伴いクラブからの退団が発表された[48]。
2024年7月28日、セスク・ファブレガスが監督を務めるコモ1907への加入が発表された[49][50]。契約期間は2026年6月末までの2年間[50]。8月11日、コッパ・イタリアのUCサンプドリア戦に先発出場し、移籍後初出場を果たしたが、前半23分に負傷により交代した[51]。負傷により、セリエAの登録選手リストから外れたことが報じられた[52]。
2024年9月25日、現役引退を表明した[53]。
世代別フランス代表にはU-17代表で初招集されたが、この時は出場機会がなかった[10]。2010年8月24日、U-18デンマーク代表との親善試合(2-0)でU-18フランス代表デビューし、この試合でチームの2点目を決めた[54]。RCランスのトップチームでの出場機会が増え、その後は代表招集の辞退が続いた結果、イスラエルで開催されたTournoi de Limogesには出場できなかった[8]。
2011年2月3日にはU-21スロバキア代表との親善試合のためにU-21フランス代表に初招集され[55]、ヴァランはこの招集を「大きなサプライズ」と表現した[56]。このU-21スロバキア代表戦でデビューし、フル出場して3-1の勝利を収めた[57]。11月15日のU-21欧州選手権予選スロバキア戦では、このカテゴリで初得点をマーク。2012年8月にはディディエ・デシャン率いるフル代表にも招集されたが[58]、出場機会はなかった。
2013年3月22日に行われた2014 FIFAワールドカップ・ヨーロッパ予選のジョージア代表戦でポール・ポグバと共にA代表デビューを果たし、先発フル出場した[59]。4日後のスペイン代表戦にも出場したが、怪我によりそれ以降の試合を欠場。予選はスペインが勝ち抜きを決め、フランスはプレーオフでウクライナ代表と試合をすることとなった。アウェーのオリンピスキ・スタジアムで行われた第1戦も欠場し、フランスは0-2で敗れた。スタッド・ド・フランスでの第2戦にはヴァランも出場し、逆転でFIFAワールドカップの出場権を獲得した。しかし、この試合でヴァランは再び負傷してしまった[39]。本大会ではベスト8でドイツに敗れたが、フランスの5試合全てに出場した。
2014年11月18日に行われたスウェーデン代表との親善試合で代表で初の主将を務め、後半に代表初得点を挙げた[60]。
2016年、レアル・マドリードでの練習中に左足大腿二頭筋を負傷し、EURO 2016を欠場した[61]。
2018FIFAワールドカップロシア大会ではレギュラーの座を勝ち取り、フランス代表の優勝に貢献した。同大会では準々決勝ウルグアイ戦で先制ゴールを挙げるなど攻守共にチームを牽引し、ベストイレブンにも選出された。
ワールドカップカタール大会には10月に負った怪我で出場さえ危ぶまれていたが[62]、初戦のオーストラリア戦を欠場するも、全7試合中6試合に先発出場し、決勝でアルゼンチンに敗れて2連覇はならなかった。大会終了後に代表チームからの引退を宣言した[63]。
2022-23シーズン終了時点[64]
クラブ | シーズン | リーグ戦 | 国内カップ | リーグカップ | 国際大会 | その他 | 合計 | |||||||
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ディビジョン | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | 出場 | 得点 | ||
RCランス | 2010-11 | リーグ・アン | 23 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | - | - | 24 | 2 | ||
レアル・マドリード | 2011-12 | ラ・リーガ | 9 | 1 | 2 | 1 | - | 4 | 0 | 0 | 0 | 15 | 2 | |
2012-13 | 15 | 0 | 7 | 2 | - | 11 | 0 | 0 | 0 | 33 | 2 | |||
2013-14 | 14 | 0 | 2 | 0 | - | 7 | 0 | 0 | 0 | 23 | 0 | |||
2014-15 | 27 | 0 | 4 | 2 | - | 12 | 0 | 3 | 0 | 46 | 2 | |||
2015-16 | 26 | 0 | 0 | 0 | - | 7 | 0 | - | 33 | 0 | ||||
2016-17 | 23 | 1 | 3 | 1 | - | 10 | 2 | 3 | 0 | 39 | 4 | |||
2017-18 | 27 | 0 | 1 | 0 | - | 11 | 0 | 5 | 0 | 44 | 0 | |||
2018-19 | 32 | 2 | 4 | 0 | - | 4 | 0 | 3 | 0 | 43 | 2 | |||
2019-20 | 32 | 2 | 1 | 1 | - | 8 | 0 | 2 | 0 | 43 | 3 | |||
2020-21 | 31 | 2 | 0 | 0 | - | 9 | 0 | 1 | 0 | 41 | 2 | |||
通算 | 236 | 8 | 24 | 7 | - | 83 | 2 | 17 | 0 | 360 | 17 | |||
マンチェスター・ユナイテッド | 2021-22 | プレミアリーグ | 22 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | - | 29 | 1 | |
2022-23 | 24 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 5 | 0 | - | 34 | 0 | |||
通算 | 46 | 1 | 5 | 0 | 2 | 0 | 10 | 0 | - | 63 | 1 | |||
キャリア通算 | 305 | 11 | 30 | 7 | 2 | 0 | 93 | 2 | 17 | 0 | 447 | 20 |
# | 開催日 | 開催地 | 対戦国 | スコア | 結果 | 大会 |
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1. | 2014年11月18日 | マルセイユ、スタッド・ヴェロドローム | スウェーデン | 1–0 | 1–0 | 親善試合 |
2. | 2015年3月26日 | サン=ドニ、スタッド・ド・フランス | ブラジル | 1–0 | 1–3 | |
3. | 2018年7月6日 | ニジニ・ノヴゴロド、ニジニ・ノヴゴロド・スタジアム | ウルグアイ | 1–0 | 2–0 | 2018 FIFAワールドカップ |
4. | 2019年3月22日 | ジンブル・スタジアム | モルドバ | 0-2 | 1-4 | UEFA EURO 2020予選 |
5. | 2019年11月14日 | サン=ドニ、スタッド・ド・フランス | 1-1 | 2-1 |
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