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金属製の円盤で顕彰のために授受する ウィキペディアから
メダル (medal) は、直径数センチ大の金属の延べ板に、業績や事績の記念などの目的で、何らかの意匠を刻印したものをいう。 ただし、通貨として利用される貨幣(硬貨・コイン)は含まれない。 メダルの形状は円形のものが一般的であるが、四角形や星形など円形以外の形状のものもある。また、単に形状が印刷されただけの物も有る。 メダイユ、メダイ(フランス語のmedailleなど)とも。
メダルは、板に何らかの意匠を施したものである。金属製で円形のものが一般的であるが、金属以外の材料や円形以外の形状にデザインされることもある[注 1]。
コイン(硬貨)は、貴金属を通貨として利用する上で、ニセ金貨(→偽札)など公正性を欠くようなものが出回るのを予防する観点から、意匠が凝らされる。 メダルの場合は、褒賞として与えられる記念品(表彰)であることから、元来の意味からすれば、鋳潰して貴金属の資源的価値に還元される必要も無い。 このため、メダルの意匠は、偽造防止を目的としたコインの意匠とは異なり、賞を記念した、独自の意匠が凝らされるのが常である。 また、貴金属以外に、卑金属にめっきをして見栄えがするようにされたものも多く、この他にもリボンなどで装飾されたものが見られる。
商品や認定などでメダルが与えられる場合、実物は無く、単に意匠が印刷されただけの場合も有る。
現代、特に日本においてメダルと呼ぶ場合は、中でもスポーツなどの競技で勝利選手、優秀選手を表彰して贈られる各メダルのことを指す。団体競技の場合、トロフィー及び優勝旗・準優勝旗は「チーム」にひとつだけ授与され、また次回中央大会で返還しなければならない持ち回り[注 2]、優勝盾は当該チームに、メダルは構成選手全員に贈呈されるが、メダルの獲得数は「一個」と計算される[注 3]。通例、優勝者に金メダル、準優勝者に銀メダル、第3位の選手に銅メダルが授与され、受賞者はメダリストと呼ばれる。ただし第1回近代オリンピックでは優勝者に銀メダル、準優勝者に銅メダルが贈られた。
その性質上、“メダリスト”の呼称に見られるように、メダルを受けることはそれぞれの競技の世界における強力なステータスとして一般に認識されている。ゆえにメダル獲得を第一とするプレイを行う選手が後を絶たない。一方そういった勝利至上主義の競技姿勢は、スポーツの本来の理念(→スポーツマンシップ)に反するとして、しばしば批判の対象にされる。
勲章、従軍記章の事を英語で「medal」と呼ぶ、著しい軍功をあげた・軍に功績のあった人物を表彰するためのものである。「medal」は日本語で一般的に「記章」や「褒章」、「メダル」などと呼称されるが、通常勲章などをメダルとは言わない。こちらは「order」と呼ばれる。
勲章までに至らない、若しくは記念等ではチャレンジコインが用いられる。
学術研究などにおいて、ある分野で著しい功績があった研究者・技術者に対して授与するものがある。その分野の有名な研究者の名前を冠していることが多い。生物学におけるダーウィン・メダルや、電気電子工学分野でのエジソンメダルが有名である。ベンジャミン・フランクリン・メダル (フランクリン協会)のように、複数の分野を対象としたものも存在する。
メダル名に人名を冠する場合、一般的にその分野での著名な研究者の名前を採用する。また、死後にそのメダルが創設される場合が多い。しかしロスビー研究メダルのように、生前から研究者(この場合カール=グスタフ・ロスビー)の名前を冠したメダルが作られることもある。
ノーベル賞やフィールズ賞などといった著名な賞においてもメダルが授与されている。
カトリック教会のロザリオには中心部分にメダイ(メダル)を連結させているものも多い。聖母の出現により製作された「不思議のメダイ」をはじめ聖ベネディクトのメダイ、ルルドの聖母と聖ベルナデッタのメダイなど、様々なものがある。メダリオン、メダリオなどとも呼ばれる。
ミッションスクールでは、華美な装飾品は禁止されていることが殆どであるが、メダイ(おメダイ[注 4]とも呼ばれる)ならば、身につけることが許されることもある。これにはキリストや聖母マリアなどがデザインされている。
記念・表彰メダル以外にも、擬似的な硬貨(代用貨幣)、いわば硬貨の形態を取ったチケットとして利用される場合がある。
日本では、ゲームセンターのメダルゲームやライブハウスのドリンクチケット、パチスロなどにおいて、硬貨を模したものとして利用される。 サイズは、取り扱いのし易さから、直径25 - 30mm程度が多いが、勿論、それより大きいものや小さいものもある。
海外では、一部の公共交通機関や遊戯施設(ゲームセンター)において、硬貨やチケットの代替として、硬貨程度のサイズのメダルが利用される。 英語圏では、この様な一種のチケットとしての役割を持つメダルは、トークン(→代用貨幣)と呼ばれる。
カジノなどのギャンブルで使われる物はメダルとは呼ばずに「チップ」と呼ばれる(英語ではcasino tokenである)。
日本のカタカナ語としての「コイン」は硬貨を含め、上記のメダルやトークンという意味で使われる。
なお、英語のcoinは硬貨という意味であり、トークン類を示す意味で使うのは明白な誤用である。
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