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モロッコの都市 ウィキペディアから
マラケシュ (مراكش marrākish) は、モロッコ中央部の都市。ラバトの南西約280kmのアトラス山脈山麓の丘陵地帯、テンシフト川の南岸に位置し、「南の真珠」と呼ばれてきた。
マラケシュは、ベルベル語で「神の国」 (murt 'n akush)を意味する。2012年の人口はおよそ90万人で、カサブランカとラバト、フェズにつぐモロッコ第4の都市である。
マラケシュを都市化したのは、ムラービト朝のユースフ・ブン・ターシュフィン(位1061年 - 1107年)であった。1071年から本格的な整備を行い、モスクの建設、灌漑路の整備などを行った。また子のアリー・ブン・ユースフ(位1107年 - 1143年)の時代にもモスクが建設され、1120年にクバ・アル・バディン霊廟が建設された。クバ・アル・バディンは、元々アリー・ブン・ユースフ・モスクの一部を成していたと思われる。
ムラービト朝時代にはより多くの建造物が建てられたとされるが、そのほとんどがムワッヒド朝時代に取り壊された。1147年、ムワッヒド朝の君主、アブド=アル=ムーミニーンが建てたクトゥビーヤ・モスクのミナレットは、77mに達し、マラケシュの旧市街の象徴的な建造物である。そのほかムワッヒド朝の君主が宮殿に行く道中に設けられたアーチの周辺に、花弁状の文様が同心円状に施されたアグノー門や27の橋脚に支えられたテンシフト橋が架けられた。
サアド朝時代には、アフメッド=ル=マンスール王のエル=バディ宮殿が建てられたが、アラウィー朝時代へ変わって早々にほとんどが取り壊され、パレード用の広い庭が残され、毎年、民俗芸能の祭典を行うのに使われている。19世紀に、アラウィー朝の王によって化粧漆喰とアラベスク模様で飾られたバイーヤ宮殿とアグダル庭園が造られた。このような貴重な歴史的建造物の豊富なマラケシュの旧市街地は、1985年に世界遺産に登録された。
2023年9月9日、マラケシュ南西72キロの地点を震源とするマグニュチュード6.8の地震が発生。市内の建物が多数倒壊して死者多数[2]。
北緯32度、西経8度、標高450mに位置する。 アトラス山脈のうち最も険しい大アトラス山脈の北に位置する。マラケシュの南45kmには北アフリカ最高峰のツブカル山 (4165m) がそびえる。町の東側にはイシル川が流れ、大西洋に注ぐテンシフト川につながる。郊外にはオアシスが点在する。
気候はステップ気候に属する。
マラケシュ (マラケシュ・メナラ空港) 1961年–1990年(ただし、極値は1900年–現在)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 30.1 (86.2) |
34.3 (93.7) |
37.0 (98.6) |
39.6 (103.3) |
44.4 (111.9) |
46.9 (116.4) |
49.6 (121.3) |
48.6 (119.5) |
44.8 (112.6) |
38.7 (101.7) |
35.2 (95.4) |
30.0 (86) |
49.6 (121.3) |
平均最高気温 °C (°F) | 18.4 (65.1) |
19.9 (67.8) |
22.3 (72.1) |
23.7 (74.7) |
27.5 (81.5) |
31.3 (88.3) |
36.8 (98.2) |
36.5 (97.7) |
32.5 (90.5) |
27.5 (81.5) |
22.2 (72) |
18.7 (65.7) |
26.4 (79.5) |
日平均気温 °C (°F) | 12.2 (54) |
13.8 (56.8) |
15.8 (60.4) |
17.3 (63.1) |
20.6 (69.1) |
23.8 (74.8) |
28.3 (82.9) |
28.3 (82.9) |
25.3 (77.5) |
21.1 (70) |
16.3 (61.3) |
12.6 (54.7) |
19.6 (67.3) |
平均最低気温 °C (°F) | 5.9 (42.6) |
7.6 (45.7) |
9.4 (48.9) |
11.0 (51.8) |
13.8 (56.8) |
16.3 (61.3) |
19.9 (67.8) |
20.1 (68.2) |
18.2 (64.8) |
14.7 (58.5) |
10.4 (50.7) |
6.5 (43.7) |
12.8 (55) |
最低気温記録 °C (°F) | −2.3 (27.9) |
−3.0 (26.6) |
0.4 (32.7) |
2.8 (37) |
6.8 (44.2) |
9.0 (48.2) |
10.4 (50.7) |
6.0 (42.8) |
10.0 (50) |
1.1 (34) |
0.0 (32) |
−1.6 (29.1) |
−3.0 (26.6) |
降水量 mm (inch) | 32.2 (1.268) |
37.9 (1.492) |
37.8 (1.488) |
38.8 (1.528) |
23.7 (0.933) |
4.5 (0.177) |
1.2 (0.047) |
3.4 (0.134) |
5.9 (0.232) |
23.9 (0.941) |
40.6 (1.598) |
31.4 (1.236) |
281.3 (11.075) |
平均降水日数 | 7.6 | 6.8 | 7.5 | 7.7 | 4.8 | 1.2 | 0.6 | 1.2 | 2.8 | 5.5 | 6.6 | 6.5 | 58.8 |
% 湿度 | 65 | 66 | 61 | 60 | 58 | 55 | 47 | 47 | 52 | 59 | 62 | 65 | 58 |
平均月間日照時間 | 220.6 | 209.4 | 247.5 | 254.5 | 287.2 | 314.5 | 335.2 | 316.2 | 263.6 | 245.3 | 214.1 | 220.6 | 3,128.7 |
平均日照時間 | 7.1 | 7.5 | 8.0 | 8.5 | 9.3 | 10.5 | 10.8 | 10.2 | 8.8 | 7.9 | 7.1 | 7.1 | 8.57 |
日照率 | 71 | 68 | 67 | 65 | 66 | 75 | 77 | 78 | 73 | 72 | 65 | 71 | 70.7 |
出典1:NOAA[3], Weather Atlas (percent sunshine) [4] | |||||||||||||
出典2:ドイツ気象局 (record highs for February, April, May, September and November, and humidity),[5] Meteo Climat (record highs and record lows for June, July and August only)[6] |
観光業が主要な産業である。
皮革製品、絨毯も有名な産品である。
町の北10kmの位置にマラケシュ・メナラ空港がある。
マラケシュをホームとするサッカークラブがある。
マラケシュは東西2km、南北3kmの城壁に囲まれた旧市街(メディナ)と、旧市街の西に広がる新市街からなる。新市街の西端にマラケシュ駅が位置する。旧市街は北アフリカでも最大の規模であり、王宮のほか、バイア宮殿、エルバディ宮殿、サアド朝の墳墓群、ベルアベ陵、アグダル庭園などを含む。
マラケシュはユネスコの世界遺産に登録(ID331)されるとともに、ジャマエルフナ広場の文化空間について、無形文化遺産保護条約の発効以前の2001年に「傑作の宣言」(第1回)がなされ「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に掲載され、ユネスコの無形文化遺産に登録されることが事実上確定していたが、2009年9月の初の登録で正式に登録された。
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
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