マイン=ヴェーサー線 (マイン=ヴェーザーせん、ドイツ語: Main-Weser-Bahn)はドイツ連邦共和国 ヘッセン州 カッセル からヴァーベルン 、トライザー、マールブルク 、ギーセン 、フリートベルク (ヘッセン) を経てフランクフルト・アム・マイン に至る幹線鉄道である。名前は1880年までこの路線を建設及び運営した鉄道会社から由来する。
概要 マイン=ヴェーザー線, 基本情報 ...
マイン=ヴェーザー線
基本情報 国
ドイツ 所在地
ヘッセン州 起点
カッセル中央駅 終点
フランクフルト中央駅 路線記号
3900, 3684(Sバーン緩行線) 路線番号
620 (カッセル - ギーセン) 630 (ギーセン - フランクフルト) 645.6 (フランクフルト - フリードベルク) 開業
1849年12月15日 全通
1852年5月15日 運営者
ドイツ鉄道 使用車両
「運行形態」を参考 路線諸元 路線距離
199.8 km 軌間
1435 mm (標準軌 ) 線路数
複線 複線区間
全区間 電化区間
全区間 電化方式
15 kV/16.7 Hz(交流 )架空電車線方式 最高速度
160 km/h テンプレートを表示
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停車場・施設・接続路線
カッセル路面電車
0.0
カッセル中央駅
600 V 直流/15 kV 交流
2.5
旧カッセル・キルヒディトモルト ~1984
カッセル路面電車
カッセル路面電車
3.8
カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ
旧ヘルクーレス鉄道
カッセル・オーバーツヴェーレン分岐点
7.9
カッセル・オーバーツヴェーレン
地上:在来線、地下:高速線
アウトバーン49号
アウトバーン44号
10.7
バウナタール・レンガースハウゼン
フルダ川 、高速線
13.7
バウナタール・グンタースハウゼン
ベーブラ - バウナタール線
16.6
エダーミュンデ・グリフテ
グリフテ - グーデンスベルク旧線
エーダー川
20.0
フェルスベルク・ヴォルファースハウゼン
23.5
フェルスベルク・アルテンブルンスラー
27.4
フェルスベルク・ゲンズンゲン
シュヴァルム川
33.9
ヴァーバーン (カッセル県)
ヴァーバーン - ブリロンヴァルト線
ヴァーバーンクリム連結線
シュヴァルム川
39.4
ジングリス
DBエネルギー連結線
42.9
ボルケン (ヘッセン)
ボルケン設備連結線
プロイセン電気の旧鉱山鉄道
49.2
ツィンマースローデ
216 m
旧ケラーヴァルト鉄道
54.7
シュリアーバッハ (シュヴァルム=エダー郡)
旧ライネヴァルト - トライザー線
60.7
トライザー旧駅
国道B454
シュヴァルム川
旧バート・ヘルスフェルデ - トライザー線
62.3
トライザー 旧RT9終着駅
国道B454
67.1
シュヴァルムシュタット・ヴィーラ
国道B454
71.1
ノイシュタット (マールブルク郡)
76.0
分水界旧信号所
Herrenwald-Kaserne
産業団地連結線
82.1
シュタットアレンドルフ
国道B454
ランゲンシュタイン旧信号所
オーム谷線
89.2
キルヒハイン (カッセル県)
ヴォーラ川
旧ヴォーラ谷線
94.2
アンツェファール
97.3
ビュルゲルン
国道B3
国道B62
ラーン川
ラーン川
上ラーン谷線
100.3
コェルベ
ラーン川
国道B3
ヴェールダ旧信号所
104.2
マールブルク (ラーン)
107.4
マールブルク南駅 旧郡立鉄道南駅
181 m
マールブルク郡立鉄道石油保管所
州道3125号
旧マールブルク郡立鉄道
国道3号
ラーン川
111.9
ニーダーヴァイマール
国道255号
115.4
ニーダーヴァリガーン
旧アール=ザルツボェーデ線
118.9
フロンハウゼン(ラーン)
ラーン川
122.8
フリーデルハウゼン
ルムダ谷線
125.9
ロラー
ルムダ川
旧ロラー - ヴェツラー線
アウトバーン480号
132.9
ギーセン・オースヴァルツガルテン
Vb線 、LK線
134.0
ギーセン
ギーセン貨物駅
ケルン - ギーセン線
国道49号
von Dutenhofen (Kr Wetzlar)
136.6
Gießen-Bergwald Bbf
アウトバーン485号
139.7
グローセン・リンデン
アウトバーン45号
143.4
ラング=ゲンス
146.1
キルヒ=ゲンス
ブッツバッハ=リヒ鉄道線
HLB車両基地方面
国道3号
151.9
ブッツバッハ
154.6
オストハイム (ブッツバッハ近郊)
アウトバーン5号
国道275号
ブッツバッハ=リヒ鉄道線
161.9
バート・ナウハイム
国道3号
国道455号
旧線、フリートベルク - ミュケ線
ローゼンタール高架鉄道橋、ウーザ川
旧線
165.4
旧フリートベルク ~1913
165.9
フリートベルク (ヘッセン) S6終着駅
148 m
フリートベルク貨物駅
Industrieanschluss
フリードリヒスドルフ - フリートベルク線
フリートベルク - ハーナウ線
168.4
Friedberg Görbelheim (Abzw)
170.1
ブルヘンブリュケン
国道B45
173.0
ニーダーヴォェルシュタット
176.2
オーカルベン
178.4
グロースカルベン
旧産業団地連結線
181.4
ドルテルヴァイル
ニーダー谷線
183.6
バート・フィルベル
ニダ川
184.9
バート・フィルベル南駅
国道B3
187.5
フランクフルト・ベルカースハイム
189.4
フランクフルトベルク
高速道路A661
191.6
フランクフルト・エシャースハイム
A-Strecke U1, U2, U3, U8
193.2
フランクフルト・ギンハイム 工事中
A1-Strecke U1, U9
アウトバーン66号
Sバーン緩行線
Sバーン緩行線 (S3, S4, S5)
ホムブルク線
196.4
フランクフルト西駅
フランクフルト市電
197.3
フランクフルト見本市
Hauptgüterbahnhof, U5計画線
198.1
フランクフルト・ガルスヴァルテ
フランクフルト市電
Verbindung mit der M-L-Bahn
貨物線 (マイン=ネッカー線連結)
M-F線 (S7、S8、S9) 、T線、M-L線 (S1, S2)
M-N線 、Sバーン車両基地
フランクフルト - ベーブラ線
シティートンネル始点
199.8
フランクフルト中央駅 終着駅
旧マイン=ヴェーザー駅
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マイン=ヴェーザー線は199.8 kmの鉄道路線で、複線化及び電化されている。最高速度は160 km/hだが、ただし南の部分に限る。この路線は地域輸送の部門にはとても重要な鉄道であり、優等列車 も運行されている。
マイン=ヴェーザー駅 (1889年)
ローゼンタール高架橋 (フリードベルクの旧橋)
ヘッセン選帝侯国時代
マイン=ヴェサー線はヘッセン選帝侯国内 の主要都市を連結する鉄道路線の一つとして企画された。1841年この路線を建設するための交渉が始まった。何度の交渉決裂の末に1845年2月6日フランクフルト自由市 、ヘッセン大公国 、ヘッセン選帝侯国間に共通鉄道会社の設立を目的した条約 (Staatsvertrag) が締結された。マールブルク、ギーセン、フリートベルクを経由する鉄路建設の法的要件はこの条約で充足された。この路線は線形的には単純だったが、国境線を何度も渡る形だった。
1846年8月6日建設作業はヘッセン選帝侯国の領土で始まった。フランクフルト新聞 (Frankfurter Zeitung) の1849年10月1日付け記事によれば、同年同月18日フランクフルト - フリートベルク間は開業される予定だった。1849年12月29日カッセル - ヴァバーン間はまず開通され、1852年5月15日ギーセン - ラングゲンス間の連結でカッセル - フランクフルト・アム・マイン間の列車運行が実現された[1] 。複線化は1865年から行われたが、当事国の共同作業は鉄道輸送の飛躍的な発展にもかかわらず、うまくできなかった。けれどこの複線化のため、1866年戦争 にはプロイセンの兵力輸送がたやすくなった。1868年5月30日プロイセンはヘッセン大公国と、1868年8月1日マイン=ヴェーザー線の運営権をプロイセンに引き渡す内容の条約を締結した[2] 。
1866年のベーブラ鉄道 開通以前、フランクフルト-ベルリン間を運行する全ての列車はマイン=ヴェサー線を経由した。列車はグンタースハウゼン駅で方向を転換し、フリードリヒ=ヴィルヘルムス北線とトュリンゲン線を経てベルリンまで運行された。フランクフルトからカッセルを経由しベルリンまで運行されたD列車は、ベーブラ線の開通後にも、第二次世界大戦が終わるまで運営された。戦後何年間アメリカ占領軍所属の「DUS列車」はこの路線上に運行されたことがある。
1879年以降トライザー - ロラー間はベルリン - メッツ間の軍事戦略鉄道だったカノネン線の共通区間となった。1878年10月ロラー駅の側でカノネン線は結ばれた。
ドイツ連邦鉄道時代
1960年代にまずフランクフルト-ギーセン間が電化され、1967年3月20日から全区間の電気運転が可能になった。1978年5月フランクフルト - フリートベルク間にライン=マインS6列車 の運行が始まった。ハノーファー-ヴュルツブルク間高速鉄道 の建設準備の為にカッセル市区間の線路が1985年7月から移転された。工事費用は総2400万マルク で、工事区間の長さは5.7 kmだった。1973年11月5日グンタースハウゼン駅でD453列車とDC973列車が衝突し、その結果死亡者は14人、負傷者は65人だった。
ドイツ鉄道時代
1997年7月5日ヘッセン州ノイシュタットで貨物列車が縦横に揺れた。その原因で列車に積載された鋼鉄の荷崩れで反対側からきた快速列車が損傷を受けた。死亡者は6人で、快速列車の前の3両が破壊された。
2006年6月からカッセル市で地方電車 のRT5系通がメルズンゲン - バウナタール・グンタースハウゼン - カッセル間に運行されて、翌年RT9はトライザー - カッセル間に導入された。2015年12月RT9は廃止され、ヘッセン地方鉄道(Hessische Landesbahn, HLB)の快速列車系通に置き換えられた。
2015年5月にドイツ鉄道は、2017年後半期にライン=マインSバーンの走行する区間で緩行線を増設して複々線とし、長距離列車とSバーンの運行経路を分離する工事が開始されることを告知した。フランクフルト西駅 - バート・フィルベル区間について2017年12月に起工式が行われた[3] 。およそ13 kmのSバーン緩行線は2024年2月19日に一旦完工して、バート・フィルベル南駅とギンハイム駅の開業に関する最終作業が残った[4] 。
遠距離輸送
優等列車にはICE またはIC (制御装置付きの客車が使用されて、DB101形 或いは120形 機関車が客車を牽引する)が設定されている。ハノーファー-ヴュルツブルク高速線 の工事などのため通行不可の時には、高速線経由の列車も当路線を走行することがある。
IC 26 : ハンブルク・アルトナ - カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ - トライザー - マールブルク - ギーセン - フリートベルク - フランクフルト(マイン) - ハイデルベルク - カールスルーエ。
地域輸送
マイン=ヴェーザー線の主な地域路線はマイン=ヴェーザー急行(RE30)、マイン=ジーク急行(RE98/99)及び中部ヘッセン急行(RB40/41)である。他の列車は下のように運行される。カッセル - シュヴァルムシュタット・ヴィーラ間は北ヘッセン運輸連合(Nordhessischer Verkehrsverbund、NVV)の区域に属し[5] 、ノイシュタット (マールブルク郡) - フランクフルト間はライン=マイン運輸連合(Rhein-Main-Verkehrsverbund、RMV)の管轄下にある[6] 。
快速列車(RE 30 ); カッセル - カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ - ヴァバーン (カッセル県) - トライザー - マールブルク - ギーセン - フリートベルク - フランクフルト(マイン)。120分間隔。使用車両は146形電気機関車 と制御装置付き二階建て客車 (Wendezug aus Doppelstockwagen)。
快速列車(RE 98 /RE 99 ); カッセル/ジーゲン - ギーセン - フリートベルク - フランクフルト(マイン)。ヘッセン地方鉄道 (Hessische Landesbahn、HLB) 運営。120分間隔(カッセル - ギーセン及びギーセン - フランクフルト)。使用車両はFLIRT 。ギーセン駅で二つ編成の列車 は分割・併合される。RE98の経路はRE30の経路と同じであるが、列車はカッセル - キルヒハイン区間に普通列車のように停車する。
普通列車(RB 5 ); カッセル - カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ - グクスハーゲン - メルズンゲン - ベーブラ - フルダ。キャントゥス(Cantus)社所属。60分間隔。使用車両はFLIRT。列車はこの路線を経由するが、カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ駅からグクスハーゲン駅まで停車しない。
普通列車(RB 34 ); グラウブルク・シュトクハイム - ニッデラウ - バート・フィルベル - フランクフルト(マイン)。30/60分間隔(月曜日-金曜日)。使用車両はデジロ 或いは245形ディーゼル機関車 と制御装置付き二階建て客車。
普通列車(RB 39 ); カッセル - カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ - ブラナウタール・グンタースハウゼン - フェルスベルク・ゲンズンゲン - ヴァバーン (カッセル県) - バート・ビルドゥンゲン。120分間隔。使用車両はGTW2/6気動車。
普通列車(RB 40 /RB 41 ); トライザー/ディレンブルク - ギーセン - ブッツバッハ - フリートベルク - バート・フィルベル - フランクフルト(マイン)。60/120分間隔。HLB運営。使用車両はコラディア・コンチネンタル 。ギーセン駅で二つ編成の列車は分割・併合される。
普通列車(RB 49 ); ギーセン - グローセンリンデン - ランゲンス - キルヒゲンス - ブッツバッハ - オーストハイム - バート・ナウハイム - フリートベルク - ハーナウ。60分ごと。HLB運営。使用車両はコラディア・コンチネンタル あるいはFLIRT 。
Sバーン( ); フリートベルク - ブルヘンブリュケン - ニーダーヴォェルシュタット - オーカルベン - グロースカルベン - ドルテルヴァイル - グロースカルベン - バートフィルベル - バートフィルベル南駅 - ベルカースハイム - フランクフルトベルク - エシャースハイム - フランクフルト西駅 - 見本市駅 - ガルスヴァルテ - フランクフルト(マイン)- フランクフルト南駅。15/30分ごと。使用車両は423形電車 。
カッセル地方電車 (RT5 ); カッセル・アウエスタジアム - カッセル中央駅 - カッセル・ヴィルヘルムスホェーエ - ブラナウタール・グンタースハウゼン - メルズンゲン。30/60分間隔。使用車両はアルストム社のレギオシターディス。
Ludwig Brake: Über Fulda oder über Gießen – die Entstehung der Bahnverbindungen zwischen Kassel und Frankfurt im 19. Jahrhundert . In: Jahrbuch für Eisenbahngeschichte 32 (2000), S. 5–16 (ドイツ語)
Landesamt für Denkmalpflege Hessen (Hrsg.): Eisenbahn in Hessen. Eisenbahnenbauten- und strecken 1839–1939 . 1. Auflage. Theiss Verlag, Stuttgart 2005, ISBN 3-8062-1917-6 , Bd. 2.1, S. 142 ff. (Strecke 010) (ドイツ語)
Lutz Münzer: Verkehr und Anlagen der nördlichen Main-Weser-Bahn . In: Jahrbuch für Eisenbahngeschichte 32 (2000), S. 28–60. (ドイツ語)
Lutz Münzer: Vom Kondominat zur Preußischen Staatseisenbahn – aus der Geschichte der Main-Weser-Bahn zwischen 1866 und 1880 . In: Zeitschrift des Vereins für Hessische Geschichte 107, S. 291–314. (ドイツ語)
Lutz Münzer: Von der Main-Weser-Bahn zwischen 1866 und 1880 . In: Jahrbuch für Eisenbahngeschichte 36 (2004), S. 91–104. (ドイツ語)
Erich Preuß: Eisenbahnunfälle bei der Deutschen Bahn. Ursachen – Hintergründe – Konsequenzen . Stuttgart 2004, ISBN 3-613-71229-6 , S. 139-141. (ドイツ語)
Heinz Schomann (2005) (ドイツ語). Eisenbahn in Hessen. Eisenbahn Bauten und -Strecken 1839–1939 . Denkmaltopographie der Bundesrepublik Deutschland - Kulturdenkmäler in Hessen. Band 2 . Stuttgart: Theiss Verlag. pp. 142, 143. ISBN 3-8062-1917-6
Preußische Gesetzessammlung 1868 Nr. 49, S. 689