ポリトープ
平坦な縁を持つ幾何学的対象 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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初等幾何学における超多面体(ちょうためんたい、英: polytope; ポリトープ)は、平坦な縁を持つ幾何学的対象である。任意の有限次元において存在し、各次元 n における超多面体を n-次元(超)多面体 (n-polytope) と呼ぶ。例えば二次元多面体は多角形、三次元多面体は通常の多面体である。多辺形や多面体のときと同様、「中身の詰まった」(solid) な n-次元多面体だけでなく、一般にはその境界である (n − 1)-次元図形を指して n-次元多面体と呼ぶことが多々あるので、文脈に注意すべきである。
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超多面体の更なる一般化として、非有界な超無限面体(英語版)や、曲がった多様体の三角形分割(英語版)や単体分割あるいは空間充填(例えば、球面多面体(英語版)、および集合論的な抽象多面体(英語版)などが現れる理論もある。
三次元より高次の超多面体を最初に考え出したのはルートヴィッヒ・シュレーフリ(英語版)である。ドイツの数学者ラインホルト・ホッペ(英語版)によりドイツ語: polytopが造語され、それを polytopeとして英語に導入したのはアメリカ人数学者のアリシア・ブール・スコット(英語版)である。
次元 | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
任意 | polytope | 超多面体 (多胞体) |
n | n-polytope | n-次元(超)多面体 (n-次元多胞体) |
0 | point | 点 |
1 | segment | 線分 |
2 | polygon | 多角形 |
3 | polyhedron | 多面体 |
4 | polychoron | 多胞体 |
5 | polyteron | ポリテロン |
6 | polypeton | ポリペトン |
7 | polyexon | ポリエクソン |
8 | polyzetton | ポリゼトン |
9 | polyyotton | ポリヨトン |
5次元以上の英語名は、ジョージ・オルシェフスキー(オランダ語版) (George Olshevsky) による提案名であり、必ずしも広く受け入れられているわけではない。それぞれ |
語義は "poly-"(多くの)+ "-tope"(表面)であり「直訳」すれば「多面体」である。"polytope" には多胞体(たほうたい)との訳語もある。これは頂点、辺、面に引き続く次元数 3 の部分を「胞」または「胞体」(cell) と呼ぶことから、多面体のより高次の対象との意図で用いられるものだが、しかし多数の胞からなる対象としての四次元の超多面体 (4-polytope) に限って多胞体と呼ぶ語法も自然である。なお、四次元超多面体には "polychoron" (希: χώρος は「部屋」) との名称もある。
以下、誤解の虞があると思われる場合には多胞体の語はなるべく避けるものとする。