ボルチオキセチン

抗うつ薬の一つ ウィキペディアから

ボルチオキセチン

ボルチオキセチン(Vortioxetine)は、大うつ病性障害の治療に用いられる処方箋医薬品であり、ルンドベック武田薬品工業から商品名トリンテリックス(Trintellix)で販売されている[2]。ボルチオキセチンには、他の抗うつ薬と似た有効性がみられる[2]イギリスでは、ボルチオキセチンの処方は他の2つの抗うつ薬で十分に改善されない人にのみ推奨される[3]。投与法は経口である[2]

概要 IUPAC命名法による物質名, 臨床データ ...
ボルチオキセチン
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IUPAC命名法による物質名
臨床データ
発音 [vɔːrtiˈɒksətn] vor-tee-OK-sə-teen
販売名 トリンテックス, Trintellix, Brintellix, others
Drugs.com monograph
ライセンス EMA:リンクUS FDA:リンク
胎児危険度分類
    法的規制
    • (Prescription only)
    薬物動態データ
    生物学的利用能75% (peak at 7–11 hours)
    血漿タンパク結合98%
    代謝Extensive Liver, primarily CYP2D6-mediated oxidation
    半減期67.63 時間
    排泄代謝物の59%が尿中, 26%が糞中
    データベースID
    CAS番号
    508233-74-7 
    ATCコード N06AX26 (WHO)
    PubChem CID: 9966051
    IUPHAR/BPS英語版 7351
    DrugBank DB09068 
    ChemSpider 8141643 
    UNII 3O2K1S3WQV 
    KEGG D10184  
    ChEBI CHEBI:76016 
    別名 Lu AA21004
    化学的データ
    化学式
    C18H22N2S
    分子量298.45 g/mol (379.36 as hydrobromide)
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    効能

    日本で承認されている効能・効果は「うつ病・うつ状態」である。

    禁忌

    下記の患者には禁忌とされている。[4]

    • モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を投与中、あるいは投与中止後2週間以内の患者
    • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    副作用

    一般的な副作用には、便秘吐き気があげられる[2]。重度の副作用には25歳未満の自殺セロトニン症候群、出血、躁病抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があげられる[2]。投与量が急速に減少すると、離脱症候群が発生する場合がある[2]妊娠中や授乳中の人への投与は一般的に推奨されない[3]

    作用機序

    セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬(S-RIM)に分類される[2]。セロトニン再取り込み阻害作用、5-HT3、5-HT7及び 5-HT1D受容体アンタゴニスト作用、5-HT1B受容体部分アゴニスト作用、5-HT1A受容体アゴニスト作用により、 セロトニン値を上昇させる。[2]

    歴史

    アメリカ合衆国では、2013年に医薬品としてアメリカ食品医薬品局に承認された[2]。日本では2019年9月に承認された[5]。2019年、イギリスの国民保健サービスにかかる1か月分の費用は約27.72ポンドである[3]。米国での1か月分の卸売価格は、約368.40米ドルである[6]

    出典

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