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フメイミム空軍基地またはフメイミーム空軍基地(ロシア語: Авиабаза «Хмеймим»,英語: Khmeimim (Hmeimim) Air Base)は、シリアのラタキア市南東にあるロシア軍の空軍基地。2018年時点、シリアに展開するロシア空軍機の基地となっている。隣接するバースィル・アル=アサド国際空港と一部施設を共有しているが、フメイミム空軍基地はロシア人要員のみで運用される[1]。
シリア内戦において、ロシアはアサド政権を支援して軍事介入することを決定。それに伴いフメイミム空軍基地は2015年中頃、ISILなど反体制派に対するロシア軍の空爆作戦の戦略的中核となる基地としてバースィル・アル=アサド国際空港の隣に建設された[2]。アメリカはフメイミム空軍基地の存在を同年9月上旬に確認し、シリア内戦がエスカレートする可能性を憂慮した。9月には、フメイミム空軍基地はロケット弾(BM-21と思われる)の攻撃を受けている[1]同月30日、フメイミム空軍基地の運用が開始され[3][4][5]、2016年3月までに攻撃機やヘリコプターが約6,000ソーティ(出撃回数)の地上攻撃任務を行っている[6]。
2015年11月24日、トルコ空軍機によって撃墜された(ロシア軍爆撃機撃墜事件)Su-24爆撃機は、 フメイミム空軍基地へ帰投中に撃墜されたと報道されている[7]。撃墜事件後の12月、基地防空のためにS-400 (SA-21)地対空ミサイルが配備された[8][9]。一方で北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官(当時)のフィリップ・M・ブリードラブ大将は9月、フメイミム空軍基地のような在シリアのロシア軍基地に防空システムを配備することは、事実上飛行禁止区域を設けているようなものだとコメントしている[10][11]。
2016年3月14日のウラジーミル・プーチン大統領によるシリアからのロシア軍撤退宣言後、Su-25地上攻撃機をはじめとする一部作戦機の撤収が行われている。しかし依然としてSu-30SM戦闘機やSu-34戦闘爆撃機、Su-24爆撃機、地対空ミサイル等がフメイミム空軍基地に駐屯を続けており、フメイミム空軍基地からの航空作戦は継続され、[12][13]シリア内戦の帰趨を決した2016年12月のシリア政府軍によるアレッポ奪還や、2017年9月から11月にかけてのデリゾール打通・解放作戦においても重要な役割を果たした。
2017年12月11日、プーチン大統領がアサド大統領と共にシリアにあるロシア軍のフメイミム空軍基地を電撃訪問し、過激派組織に対するロシア軍のシリア政府支援はほぼ終了したと述べたが、軍事作戦は終了するものの同空軍基地及びタルトゥース海軍補給処への駐留は引き続き継続するとしている。
2019年7月10日、ゲートガードとしてMiG-21が設置された。
基地の建設は一から行われた[2]。1,000人を収容する冷房付きの居住施設は数か月のうちに完成[2][5]、その他に管制塔[5]、滑走路の拡張[1]、弾薬貯蔵施設、露天駐機場、給油場が建設された。[14]補給物資はロシア本土から空輸あるいは[2]フメイミム空軍基地から50 km (31 mi)のタルトゥース経由で海上輸送されている[14]。
フメイミム空軍基地ではAn-124、Il-76輸送機のほか、約50機ほどの戦闘機・攻撃機を運用でき[要説明]、Su-24爆撃機、Su-25対地攻撃機、Su-34戦闘攻撃機、Su-30SM及びSu-35S多用途戦闘機などが実際に運用されている他[2][14][15]、一時的には最新のSu-57多用途戦闘機の存在も確認された[16]。
駐留部隊の主力は航空宇宙軍だが、そのほか基地警備のためにT-90A戦車やBTR-82装甲兵員輸送車、パーンツィリ-S1防空システムやS-400地対空ミサイル、Mi-24攻撃ヘリコプター、Mi-8輸送ヘリコプターが配され、これらを運用する陸上部隊・防空部隊も駐屯している。
また、プーチン大統領をはじめとしたロシアの要人がシリアを訪問する際に利用する他、同基地でプーチン大統領とアサド大統領の会談や、アサド政権とアメリカの支援を受けるクルド人勢力との交渉が行われるなど、外交を含めた交渉でも利用されている。
前述のトルコ空軍機によるロシア軍爆撃機撃墜事件後、2016年1月末にはSu-35戦闘機が配備され[17]、2月にはTu-21R電子偵察機が配備された[18][19]。 2016年3月20日時点で、次の機体が確認されている[20]。
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