ピット器官
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ピット器官(ピットきかん、英語: pit organ)は、マムシ亜科、ニシキヘビ科、ボア科のヘビ(爬虫綱有鱗目ヘビ亜目)が持つ赤外線受容器官[1][2]。英語そのままにピット・オルガン、単純にピットとも呼ばれる[3]。ヘビの顔面に開口した小孔として存在し、マムシ亜科が持つ眼と鼻孔の間の頬部に一対存在するものを頬窩(きょうか:loreal pit)、ニシキヘビ科とボア科が持つ口唇に沿って複数並ぶものを口唇窩(こうしんか:labial pit)と呼ぶ[2]。数メートルはなれた位置にいる温度差のある物体を「視る」ことができ、少なくとも0.003℃の温度差を感知できる[4]。赤外線領域の電磁波に対する感覚として可視光領域の電磁波に対する視覚と同様に働き、眼球と合わせて総合的な視覚をヘビにもたらしている[2][5]。