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ゾニサミド(Zonisamide)は、サルファ薬系の神経作用薬であり、小児または成人のてんかん発作(部分発作、全般発作、混合発作)治療薬[2]またはパーキンソン病治療薬[3]として用いられる[4]。抗てんかん薬は商品名エクセグラン、抗パーキンソン病薬トレリーフで知られる。(ともに住友ファーマ製造販売)
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | エクセグラン, トレリーフ, Zonegran |
Drugs.com | monograph |
MedlinePlus | a603008 |
胎児危険度分類 | |
法的規制 | |
投与経路 | 経口 |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | ~100%[1] |
血漿タンパク結合 | 40%[1] |
代謝 | 肝臓で主に CYP3A4による[1] |
半減期 | 63 時間[1] |
排泄 | 尿中 (62%); 糞便中 (3%)[1] |
識別 | |
CAS番号 | 68291-97-4 |
ATCコード | N03AX15 (WHO) |
PubChem | CID: 5734 |
DrugBank | DB00909 |
ChemSpider | 5532 |
UNII | 459384H98V |
KEGG | D00538 |
ChEBI | CHEBI:10127 |
ChEMBL | CHEMBL750 |
PDB ligand ID | ZON (PDBe, RCSB PDB) |
化学的データ | |
化学式 | C8H8N2O3S |
分子量 | 212.227 g/mol |
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物理的データ | |
融点 | 162 °C (324 °F) |
ゾニサミドは米国[5]、英国[6]、豪州[7][8]では成人のてんかん部分発作の併用治療薬として、日本では部分発作(単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化強直間代痙攣)、全般発作(強直発作、強直間代発作、非定型欠神発作)、混合発作への併用または単剤治療薬として認められている。てんかんに対しては成人では1日200mg〜600mg、小児では1日4〜12mg/kgを投与する。血中濃度が15〜40µg/mLとなるよう調整する[9][10][11][12]。日本の添付文書では、20µg/mLを一つの目安とするよう記載されている[2]。
7人のパーキンソン病患者にゾニサミドを投与したところ、良好な結果が得られた事が2001年に報告された[13]。その後、他の治療で改善しない振戦について効果が認められた[14]。2005年11月上旬、製造販売承認が申請され[15]、2009年1月に承認を取得した[16]。また、パーキンソン病のWearing-off現象について2013年8月に追加承認(用法・用量の一部変更)された[17]。
製品名トレリーフが、レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズムの適応を取得している。(製品名エクセグラン[18]や後発品[19]は適応を有していない。)
肥満治療薬としての研究が進められ[21]、著明な効果が認められた事を受けて、3本の臨床試験が実施された[22][23][24]。ブプロピオンとの合剤として米国で販売されている。
ゾニサミドは片頭痛の予防に用いられるほか、神経因性疼痛の治療に有効であることがある。
日本では適応外である。プラセボ、ゾニサミド、トピラマート、レベチラセタムとで比較し、ゾニサミドの有効性と安全性が示唆された[27]。
添付文書に重大な副作用として記載されているものは、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)[28]、紅皮症(剥脱性皮膚炎)、薬剤性過敏症候群、再生不良性貧血、無顆粒球症、赤芽球癆、血小板減少、急性腎不全、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸、横紋筋融解症、腎・尿路結石、発汗減少に伴う熱中症、悪性症候群であり、さらにトレリーフには幻覚、妄想、錯乱、せん妄などの精神症状が記載されている[2][3][1][29][30]。
ゾニサミドや他の炭酸脱水酵素阻害薬(トピラマート、フロセミド、ヒドロクロロチアジド)は、アモバルビタールとの間で相互作用し、和田試験の結果が不正確になることが知られている[31]。他の炭酸脱水酵素阻害薬と相互作用し、代謝性アシドーシスを惹起することがある[1]。加えて、ゾニサミドの代謝がケトコナゾール、シクロスポリン、ミコナゾール、フルコナゾール、カルバマゼピンで抑制されることが知られている(CYP3A4への作用による)[32]。
ゾニサミドは他の抗痙攣薬と異なり、スルホンアミド系に分類される抗痙攣薬である。正確な作用機序は明らかになっていないが、抗てんかん薬としては発作活動の伝播過程の遮断、てんかん原性焦点の抑制等が示唆されている[33][34]。またナトリウムチャネルおよびT型カルシウムチャネルを塞ぎ、hypersynchronization を抑制すると考えられている[7]。アセタゾラミド同様に弱い炭酸脱水酵素阻害作用を持つことが知られている。GABA受容体ならびにグルタミン酸受容体調整作用がある[7][35][36][37][38]。抗パーキンソン病作用に関しては、片側6-OHDA処置ラットによる脳微小透析法実験でレボドパ(ベンセラジド塩酸塩含有)併用下における破壊側線条体細胞外液中ドパミン濃度の有意な上昇作用を示した他、ラットおよびサル線条体ミトコンドリア・シナプトソーム膜標本中のMAO活性を阻害し、その阻害作用は比較的MAOのB型に選択性を示した[3]。
個人差があるが、2.8〜3.9時間で血中濃度がピークとなる。バイオアベイラビリティは食事の影響を受けない[39]。
ゾニサミドは主にCYP3A4で代謝されるほか、CYP3A7およびCYP3A5でも分解され[40]、1,2-ベンズイソオキサゾール環が還元的に開裂して2-(スルファモイルアセチル)-フェノールに代謝される[41]。
ゾニサミドは1972年に発見され[42]、1989年にエクセグランとして日本で発売された[43]。米国では2000年にZonegranとして発売された。アジア諸国(中国、台湾等14ヶ国)[44]や欧州(ドイツ、英国等)[45]でも2005年に発売された。
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