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アーティストに演奏を提供する音楽家 ウィキペディアから
スタジオ・ミュージシャンは、ポピュラー音楽において、自身は演奏しない歌手などが音楽スタジオでレコーディングする際に、楽器を演奏するミュージシャン[1]。レコーディング・ミュージシャン、セッション・ミュージシャン(Session musician)とも呼ばれる。
特にソロ歌手や音楽バンドに足りない楽器をステージで演奏する仕事は、サポートミュージシャン[2]、バック・ミュージシャン(Back musician)、サイドマンと呼称される。ソロ歌手の場合、サポートミュージシャンのバンドが帯同することになるため、バックバンド、バックアップ・バンド(Backup band)と呼ばれる。
バンドや音楽グループメンバーの演奏者とは違い、基本的に他人の楽曲の演奏が主となる。そのため、高度な演奏技術だけでなく、さまざまな要求や状況に対応出来るだけの音楽理論や知識が必要とされる。フルート奏者でスタジオ・ミュージシャンとして活動する旭孝は、スタジオ・ミュージシャンには以下のような技術が必要であると述べている[3]。
スタジオ・ミュージシャンではなく得意な楽器の奏者(ギタリスト、ピアニスト)と名乗ることもある。
伴奏以外にも楽器演奏が必要な場面での仕事がある[1]。
ジェームス・ジェマーソン、ベニー・ベンジャミン、フィル・アップチャーチ、デヴィッド・T・ウォーカー[4]、コーネル・デュプリー、ノーマン・ハリス、ロニー・ベイカー、スコティ・ムーア[5]、エイモス・ギャレット、リー・リトナー、ラリー・カールトン、スティーヴ・ガッドらは、代表的なスタジオ・ミュージシャンである。
また、スタジオ・ミュージシャンが結成したバンドとしては、ザ・クルセイダーズ、レイディオ、アトランタ・リズム・セクション、シック、MFSB、レッド・ツェッペリン、TOTO、スタッフ、エアプレイ、ブレッド、バーケイズなどが挙げられる。編集アルバムが発表されたハウス・バンドとしては、ファンク・ブラザーズ(モータウン)、フェイム・ギャングらがいる。バーズやモンキーズは、スタジオ録音では本人ではなく、セッション・ミュージシャンが演奏していた。
スタジオ・ミュージシャンには特定の芸能プロダクションやレコード会社に所属するものと、フリーランスで活動するものが存在する。
前者はかつてのビーイング所属ミュージシャンに代表されるように、芸能プロダクションやレコード会社の斡旋により複数のミュージシャンのレコーディングやライブに参加している。定期的に仕事の斡旋がある一方で、ギャランティーについては芸能プロダクションによる仲介手数料が差し引かれたものがミュージシャンに渡されることになる。
一方、フリーランスのスタジオ・ミュージシャンはギャランティーの満額を手にすることが出来る一方、基本的には独力で仕事を探すことになる。ただし、日本のスタジオ・ミュージシャン連盟(SMA of JAPAN)のようにスタジオ・ミュージシャンと音楽プロデューサー・レコード会社との間を取り持つ会員制の斡旋組織も存在する。また、スタジオ・ミュージシャンス・クラブ(SMC)という、スタジオ・ミュージシャンのランクのスケーリングや著作権関係の権利を主張するための任意団体を母体に、NPO法人「レコーディング・ミュージシャンズ・アソシエイション・オブ・ジャパン(RMAJ)」を結成した者もいる(理事長はヴァイオリニストの篠崎正嗣)。
江藤勲、矢島賢、深町純、田中清司、山木秀夫、村上秀一、後藤次利、デビュー前のCharなどは代表的なスタジオ・ミュージシャンである。芳野藤丸のSHŌGUNは、スタジオ・ミュージシャンが結成したバンドである。矢島賢は山口百恵「プレイバックPart2」で、芳野藤丸は郷ひろみ「よろしく哀愁」で、それぞれリードギターを担当し、秀逸なギター・ソロを披露している。
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