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クラフト・エヴィング商會(クラフト・エヴィングしょうかい、craft ebbing & co.)は、日本のグラフィック・デザイナー、著作家。吉田篤弘(1962年5月4日 - )と吉田浩美(1964年3月15日 - )の二人からなるユニットである。実在しない書物や雑貨などを手作りで作成し、その写真に短い物語風の文章を添える、という形式の書物をいくつか出版しているほか、ブックデザイナーとして文芸書など多くの書籍のデザインを手がけている。
1994年、架空の書物や商品の解説を並べるという形の展覧会「あるはずのない書物、あるはずのない断片」で活動開始。活動当初は吉田浩美とその友人の女性の二人からなるユニットで吉田篤弘は裏方に回っていたが、1997年、同名の展覧会の内容をまとめた『どこかにいってしまったものたち』上梓後に友人が抜け、代わりに吉田篤弘が正式なメンバーに入った[1]。浩美が主にヴィジュアル面を担当、篤弘が主に文章を担当しているが、役割がはっきり決まっているわけではなく交代しながら作業している[2]。
「クラフト・エヴィング商會」の名称は、吉田篤弘が自身が愛読していた稲垣足穂の本のなかの「クラフト・エビング的なものを感じた」という文章に由来する。クラフト・エビングは19世紀の精神医学者のことだが、当時はよく知らずニュアンスで気に入ったものだという。また「クラフト・エヴィング商會」の英語表記として"craft ebbing & co."を使っているが、このつづりは実在の人物の表記"Krafft-Ebing"とは異なる。これは足穂がでたらめな欧文表記をしていたのをあえてそのまま採用したことによる[3]。
他者の本の装丁をてがける際は基本的に「装幀 吉田篤弘 吉田浩美」というクレジットにしているが、リクエストがあった場合には「クラフト・エヴィング商會」のクレジットも使用する[4]。2001年、『稲垣足穂全集』『らくだこぶ書房21世紀古書目録』で第32回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。ブックデザイナーとしては他に、NTT出版ライブラリーレゾナントシリーズ、1冊ごとに異なるちくまプリマー新書の装丁、集英社の「戦争と文学」全20巻(+別巻1)の装丁などの仕事がある。
上述のように実際のユニット結成は1994年であるが、「クラフト・エヴィング商會」は明治30年に創業し篤弘、浩美は3代目にあたる、という架空の設定がある。1999年には二人の中学生の娘「吉田音」の著作として『Think―夜に猫が身をひそめるところ』が出版されたが、この娘も創作された人物で実在しない[5]。
吉田篤弘単独の著書は別項吉田篤弘#著作一覧を参照。
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