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インターナショナル・ウォッチ・カンパニー(International Watch Company 、IWC)とは、スイスの時計ブランドである。リシュモングループに属する。現CEOはクリストフ・グランジェ・ヘア。
業種 | 時計製造メーカー |
---|---|
設立 | 1868年 |
創業者 |
Florentine Ariosto Jones Heinrich Moser |
本社 | 、 |
事業地域 | Worldwide |
主要人物 |
アルバート・ペラトン クルト・クラウス |
製品 | 懐中時計、高級腕時計 |
従業員数 | 650 |
親会社 | リシュモン |
ウェブサイト |
www |
インターナショナル(International )と略称される。日本の時計業界でも古くから「インター」の通称で知られてきた。
多くのスイス時計メーカーがフランス国境に寄った国内西部に位置する中、ドイツ国境に間近い国内北部のシャフハウゼンに拠点を置き、端的に「質実剛健」と評される独自の社風を持つ時計メーカーとして知られる。スイス企業でありながら1868年創業以来英語社名であるのは、創業者がアメリカ人であったことによる。
創業時からスイスの伝統的技術とアメリカの機械自動化の製造技術を一体化し、効率的で完成度の高い時計作りを目指した。懐中時計が主流の時代から高い評価を受け、日本でも高級懐中時計の代名詞となっていた。腕時計が主流の時代になると、天文台コンクールやクロノメーター規格には参加しなかったものの、優秀級クロノメーターよりも厳しい規格を社内で独自に設け、生産した。基本設計が優れていることに加え、部品の材質・仕上げにコストをかけているため、長期にわたって使用しても、メンテナンスさえ怠らなければ、長く新品時の時間的精度を維持できると言われた。
1915年から腕時計に参入、懐中時計の時代程ではないにせよ高い知名度を保った。腕時計時代にも高品質と良質な仕上げで評価の高い自社製キャリバーを輩出している。第二次世界大戦前には古い手巻のキャリバー83、角形手巻のキャリバー87などの優品があり、1938年のキャリバー60では、秒針を中心軸配置する「センターセコンド」前提の設計をいち早く採用、秒針が独立したスモールセコンド型の派生としてセンターセコンド機を作っていた競合各社をリードした。ヴァシュロン・コンスタンタンから1944年に移籍した時計技術者アルバート(アルベール)・ペラトン(Albert Pellaton 1898-1976)が辣腕を振るった第二次大戦後も生産合理化を図りながらも高品質を維持、ペラトンが在来型を刷新した手巻のキャリバー89(1946年設計)は、完成度の高い質実剛健な構造で1974年まで生産されるロングセラーとなった。更にペラトンは独自のラチェット動力伝達両回転型「ペラトン式自動巻機構」(1946年開発、特許取得)を備えたキャリバー85系(1950年設計)でも成功を収め、自動巻主流化の潮流にいち早く乗っている。
ペットネームを持たない製品が多いが、数少ない例外であり高い耐磁性能を持つ『インヂュニア』(Ingenieur 、1955年発売)、ヨットマンのために特殊ラバーで衝撃を吸収する『ヨットクラブ』(Yacht Club )等のモデルは、アンティーク市場において非常に高い人気がある。 パイロットウォッチの『マークシリーズ』はマーク11までキャリバー89を搭載していたが、マーク12以降はジャガールクルト、エタの機械を採用している。
クォーツ式腕時計用ムーブメントベータ21の開発に参画、1970年には『ダ・ヴィンチ』に搭載して発売した。
安価な日本製クォーツ式時計が市場を席巻し、時計の価格が大幅に下落したため、機械式の製品では懐中時計以外の自社製ムーブメントの開発・生産を打ち切り、安価なエタ製の汎用機械を搭載するようになった。多くの一流時計メーカー同様、企業存続のための、止むを得ない選択だった。エタ製の機械には大幅に独自のカスタマイズを施しているといわれる。70年代初頭まではロレックスよりも格上の高級ブランドとして認知されていたが、エタ製の機械の採用に伴い、かつてのブランドイメージと人気を失ったことは、否めない。一方でエタ社に製品の改良要望を行っており、エタ社製品の精度や製品検査体制に影響を与えたといわれている。
80年代半ばに入ると、機械式時計の人気が再び世界的な高まりを見せるようになり、とりわけマニュファクチュールのブランドが人気を集める。この時代に、エタ製キャリバーの独自改良製品によってIWC製品の評価を高めたのは、ペラトンの薫陶を受けたIWC生え抜き技術者のクルト・クラウスであった。2000年に、エタ製の機械をベースとしてペラトン式自動巻機構を採用したキャリバー5000を開発、少数ながら『インヂュニア オートマチック』や『ポルトギーゼ オートマチック』等に搭載し製造するようになった。ダイムラーの高級車ブランド、AMGとコラボレートした『インヂュニアオートマチックAMG』もリリースしている。
現在は「ポートフィノ」「インジュニア」「ポルトギーゼ」「アクアタイマー」「パイロットウォッチ」「ダ・ヴィンチ」の6つの商品ラインから構成されており、活性化の為に毎年1つのラインを一新する手法がとられている。
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スイス企業ではあるが、本社がドイツ語圏のシャフハウゼンにあるためか、製品もスイス時計らしい華やかなデザインのものは少なく、装飾を排した、シンプルなものが多い。耐久性に優れた大型なムーブメントを好む傾向がある。これはアルバート・ペラトン、クルト・クラウスの設計思想が反映されているといえる。
創建以来のすべての商品の永久修理を謳っていることでも知られる。
オリジナルモデルは、ポルトガルの時計商であったロドリゲスとティシェイラから「大型でも構わないので懐中時計用の機械を使用して高精度の腕時計を」との注文を受け、当時懐中時計用としては最も薄型であったキャリバー74を使用して1939年に生産された。
1993年創業125周年を記念し『ポルトギーゼ・ジュブリー』として限定生産の形ながら復活、その後通常生産ラインとなっている。
IWCの中でもドレッシーで人気の高いラインである。特にポルトギーゼ・クロノグラフは1998年のラインナップ以降、見た目やサイズに大きな変更の無いロングセラーモデルである。
1967年初出。ダイビング人気の高まりを受け製作されたライン。
ドイツ語でエンジニアを指す。その言葉通り磁気力の作用する特殊な職業に適した対磁技術に特化されたタフなライン。1976年発売されたインヂュニアSLが有名、デザインはジェラルド・ジェンタ。現在のインヂュニアはSLにインスピレーションを受けたデザインとなっている。
1936年製作のスペシャル・パイロット・ウォッチから続くミリタリー、パイロット向けのライン。 中でもマークシリーズの人気が高く、英国空軍の為に開発され、30年以上愛用された。
1950年代に多数のハリウッドスターが訪れた小さな港町ポートフィノがモデル。ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)を体現するクラシックでエレガントなライン。
ダ・ヴィンチの革新的な思考パターンにインスパイアされたライン。特に1985年発売された永久カレンダーを搭載したモデルはIWCに大きな成功をもたらした。汎用ムーブのETA7750をベースに西暦4桁、500年先まで表示できる永久カレンダー、クロノグラフを備えた複雑時計ながら生産性が非常に高く「発表年だけで、市場に流通する永久カレンダー以上の本数」と述べる関係者もいる。「堅牢で使いやすく、工業的に生産できなければいけない」という思想が強く反映されたモデルである。
ポルシェデザインの時計の生産を1978年から1999年まで担当、『コンパス・ウォッチ』(1978年発売)、チタンをケースに使用した初めての腕時計でボタンをケースと一体デザインしたことでも話題を集めた『チタン・クロノグラフ』(1980年発売)、西ドイツ海軍の要請により開発した世界初の2000m防水時計『オーシャン2000』(Ocean 2000 、1982年発売)等が知られている。
750個のパーツで構成され、スプリットセコンドクロノグラフ、ムーンフェイズ、西暦を4桁デジタル表示する永久カレンダー、ミニッツリピーター、トゥールビヨンの機能を持つ超複雑腕時計で1993年に創業125周年を記念し125本が限定販売された。裏蓋はサファイアガラス。
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