Щ
キリル文字の字母 ウィキペディアから
Щ, щ は、キリル文字のひとつ。音価は言語によって異なる。
名称
発音についての詳細は#音声参照。
音声
- ロシア語では古くは /ɕtɕ/(サンクトペテルブルク風発音とされる)、現代では /ɕ/(モスクワ風発音とされ現代の標準的な発音。シ・シではなく長く鋭いシの発音)。
- ウクライナ語では /ʃtʃ/(ш+ч に相当)。
- ブルガリア語では /ʃt/(ш+т に相当)を表す。
アルファベット上の位置
ロシア語の第27字母、ウクライナ語の第30字母、ブルガリア語の第26字母である。
日本語への転写
ボルシチ (борщ)、フルシチョフ (Хрущёв) などは、ロシア語の上記古い発音(サンクトペテルブルク発音)による音写とされる。このように、日本語では通常古い発音に沿った表記が用いられ「シシ」で表記されることはほとんどない。
ロシア語の転写としては「シチ」で表記するのが主流で、例外は少ない。近年になって「シシ」や「シ」での表記例が数例確認されているだけである。これらの例も、誤解や一個人の方針で決定されている場合が多く、今後主流になるという兆しはない。
ウクライナ語、ブルガリア語の呼称としてしばしば「シチャー」「シター」と書かれる。
Щ に関わる諸事項
- ベラルーシ語では用いられない。
- ロシア語はあまり方言差がないことで知られるが、その中では方言差が顕著に現れる文字である。ウクライナ訛りのロシア語、ベラルーシ訛りのロシア語では「シュチャー」で発音されることが少なくない。
- ウクライナ語では、方言差によって /ʃʲʃʲ/(ロシア語のモスクワ発音と同じ)や /ʃʃ/(ш+ш に相当)と発音されることもある。
- ロシア語では、сч でも同じ発音を表すことになる(例:счастливый の発音は щастливый に等しい)。
- ウクライナ語ではロシア語で сч で表される部分を щ で表す場合が多い(例:ロシア語の счастливый に相当するウクライナ語の単語は щасливий である)。
符号位置
大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Щ | U+0429 |
1-7-27 |
Щ Щ |
щ | U+0449 |
1-7-75 |
щ щ |
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.