限界事例からの議論
動物倫理学の議論 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
限界事例からの議論(げんかいじれいからのぎろん、英語: argument from marginal cases)は、動物の権利の理論で提示される人間以外の動物の倫理的地位に関する議論で、乳幼児、老人、昏睡状態にある人、認知障害のある人が倫理的地位を有すると仮定すると、これらの限界事例の人間と人間以外の動物の間に倫理的に重要な違いがないという理由で、人間以外の動物にも同様の地位が認められるとするもの。「倫理的地位」とは、例えば殺されない権利や苦しめられない権利、あるいは扱われ方に関する全般的な倫理的要求のことを総じて指す[1]。
これまで多くの議論が提示されてきたが、レイモンド・フレイ(英語版)は限界事例からの議論をまとめて、動物の命について「平等な価値を認める議論のうち最も一般的なもの」と呼んだ[2]。