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財政学(ざいせいがく、英: public finance、仏: science des finances、独: Finanzwissenschaft)は、学問の分野の一つで、財政に関して研究するものである。現在では経済学の一分野、極端な見方では公共経済学と同義とするものまである。もともとは官房学と古典派経済学の影響を受けてドイツにて発展したものである。
この節には内容がありません。 (2020年6月) |
古典派経済学の立場から財政を説いたのがアダム・スミスである。彼は見えざる手の語でも知られるとおり、夜警国家観の持ち主であった。
スミスは次の4つの課税原則を唱えた。
古典派経済学の研究成果はドイツにも伝播した。カール・ラウは、ドイツ官房学に古典派経済学を取り込むことで、財政学を経済学とは別個の学問として位置づけた。
ラウの財政学は、アドルフ・ワグナーによって発展を見ることになる。 ローレンツ・フォン・シュタイン、アルベルト・シェフレ、アドルフ・ワグナーによってドイツ正統派の財政学が完成することになる。
ヨーゼフ・シュンペーターは、財政社会学の構想を持っていた。彼は『租税国家の危機』において、マルクス主義財政学者ゴルトシャイトの財政社会学構想を評価し、ついでその中で近代国家が租税国家であることを明言した。
日本でもこの立場の財政学者として、神野直彦、金子勝、大島通義、池上岳彦、アンドリュー・デウィット(カナダ出身)、井手英策などを挙げることができる。
クヌート・ヴィクセルを祖とするスウェーデン学派が有名である。ヴィクセルは1896年に著した『財政理論研究』で課税理論の研究を行なった。マルギット・カッセル(グスタフ・カッセルの子)はゲルハルト・コルムらと新経済学派の財政学でドイツ経済学と古典派経済学の融合から著作を残している。
現代の財政思想を構築したのはリチャード・マスグレイブとジェームズ・M・ブキャナンとされる。マスグレイブはケインズ経済学におけるフィスカル・ポリシーを軸とした新古典派総合の財政学を構築した。
一方、ブキャナンは公共選択論により、政治の力などが結果として政府の財政赤字を拡大させるなどの主張を行ない、「小さな政府」論を支持している。
財政学が対象にするのは、政府の経済活動である。政府の役割は、政治、外交、軍事、警察、社会保障等多岐に渡るが、これらを遂行するには財源が必要である。そこで、その資金を調達するためにはどのようにしたらいいのか、効果的な支出を行なうためにはどうすればよいのかなどが問題となってくる。
日本において、消費税や所得税の議論が活発になるとしばしば引用される。
これらの経済観・財政理論は、国家観や金融政策、税と保険、短期と長期などの様々な要素が入り込むとより複雑となる。どちらかが絶対的に正しいという類のものではないのではないかといわれることもある。
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