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山村才助による世界地理書 ウィキペディアから
訂正増訳采覧異言(ていせいぞうやくさいらんいげん)は、土浦藩士山村才助(明和7年(1770年)- 文化4年(1807年))による総合世界地理書。享和2年(1802年)完成。新井白石による世界地理書『采覧異言』を増補・訂正したものである。
山村才助は、大槻玄沢の芝蘭堂で蘭学を学んだが、蘭学者としては唯一、世界地理や西洋史を研究した人物である[1][注釈 1]。
新井白石著の『采覧異言』(全5巻)は、刊行されなかったものの、当時写本のかたちで流布しており、才助はこれに西洋・東洋の地理書を収集・翻訳するとともに、当時の日本における地理情報も参照して肉付けし、誤りは訂正して『訂正増訳采覧異言』として完成させた[1]。これは、18世紀の日本の世界地理書の総決算ともいうべき総合地理書であり、本文12巻、図1巻の大著となった。文化元年(1804年)には師の大槻玄沢および江戸幕府に献上された。この業績は、国学者平田篤胤、水戸藩の豊田天功、渡辺崋山、吉田松陰など各方面において、その世界認識に大きな影響をおよぼした[1]。
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