袋小路文
文法的には正しいけれども、誤読が生じやすい書き出しで始まる文 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
袋小路文(ふくろこうじぶん)とは、文法的には正しいけれども、誤読が生じやすい書き出しで始まる文のことである。袋小路文は、読者の構文解析を行き詰まらせたり、本来の文の意図とは明らかに異なる意味に読者を誘い込む。ガーデンパス文ともいう。
「ガーデンパス」とは、 "to be led down [or up] the garden path" という諺に由来する、「騙される」・「騙そうとされる」・「誘惑される」などという意味である。1926年版の『現代英語用法辞典(英語版)』の中で、知らず知らずのうちに「嘘の香り(英語版)」をこのような文は漂わせていると、ヘンリー・ワトソン・ファウラー(英語版)は述べている[1]。
このような文は、一見自然な解釈に読者を誘導するけれども、その解釈には文の本来の意味が反映されない。袋小路文は、複数の解釈が可能な単語やフレーズが含まれているため、一瞬曖昧な解釈を読み手に生じさせ、実際に文が意味することと異なる解釈を読み手に生じさせる。袋小路文は、ひと目見ただけでは非文法的でほとんど意味をなさない文のように見え、意味を完全に理解するためには、注意深く構文解析した後に、再び読み直す必要があることが多い。このような文は文法的には正しいけれども、注意深い構文解析や再読を要することからも明らかなように、構文的には推奨されなかったり、構文的に誤りだと判断されたりもする。明確なコミュニケーションを意図する場面では、袋小路文を書くのは避けるべきである。