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艦上戦闘機(かんじょうせんとうき)とは、航空母艦(空母)に搭載して運用する戦闘機のことを指す。略して「艦戦」(かんせん)ともいう。
空母から離着艦するという運用の制約があるため、艦上戦闘機に要求される性能は、極めて多岐にわたる。以下にそれを列挙する。
以上の要求性能については、矛盾するものも多い。頑丈な構造・長い航続距離・主翼と尾翼の折りたたみについては、明らかに重量増加を招く要素であるため、軽量である事と矛盾してしまう。そのため、陸上戦闘機に比べてかなりのハンデキャップを持ち、それがために同時代の陸上戦闘機と同等以上の性能を持つ事は、極めて困難である。
この矛盾は時代が下がるにつれて、著しいものとなっている。初期の艦上戦闘機は、陸上戦闘機と隔絶したものではなかったが、時代が下がるにつれて専用設計、あるいは陸上戦闘機からの大幅な改良・発展型としての艦上戦闘機が増えている。
また、本来であれば空母への搭載数が限られているので、その少ない機体を有効活用するためにも、戦闘爆撃機・マルチロール機として一機種で多数の任務をこなせる事が望ましいにもかかわらず、陸上機に比べて制約があるため、多用途化は立ち後れていた。例えばアメリカ空軍において軽爆撃機というカテゴリが消滅して、戦闘爆撃機がその任務を行っていた50年代半ば以降においても、アメリカ海軍は専用の艦上攻撃機を運用していた。フランス海軍も、かつては専用戦闘機としてのF-8と戦闘攻撃機(戦闘機としての能力は限定的)のシュペルエタンダールの2本立てで艦上戦闘機を運用しており、後継のラファールMの配備が開始された後も、開発遅延からますF-8の代替として配備が開始されたため、暫くはシュペルエタンダールの運用も続けられた。
ただし艦上戦闘機は陸上戦闘機として運用するにも、さしたる問題は無い。空母上で運用される場合は重量制限の問題から純粋な戦闘機として用いる事しかできないが、陸上基地での運用時には戦闘爆撃機としても用いる事ができ、運用範囲が広がる場合もある。そのため、上記のハンディを乗り越えて高い性能を持つに至った艦上戦闘機は、陸上戦闘機としても広く使われる事になった。アメリカ海軍の艦上戦闘機として開発されながら、その高性能からアメリカ空軍や西側諸国の陸上戦闘機としても採用されたF-4 ファントムIIは、その典型である。
※(未完成)は「機体が未完成」・「試作機のみ」・「正式採用されず」・「運用実績がない」のいずれかに該当。
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