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キリスト教・ユダヤ教において使われる、特別な箱 ウィキペディアから
ユダヤ教においては、聖櫃(せいひつ, אֲרוֹן קֹדשׁ ărōn (haq)qōdheš アローン・(ハッ)コーデーシュ, Holy Ark, Ark of the Law)とは、エルサレム神殿にあった品物に由来する言葉。冠詞ハーが付くと、エルサレム時代の唯一つの箱(契約の箱)のことである。
神殿内に十戒の板(石板)を収めていた箱をアローン=ハッコーデシュ(אֲרוֹן קֹדשׁ ărōn qōdheš)という(歴代誌下 35:3 などを参照)。この箱は「聖櫃」とも訳されるが、キリスト教においては「契約の箱」と訳される事も多い。正教会では「約櫃」と訳される(後述)。
ユダヤ教における聖櫃とは、シナゴーグ内で、トーラーの巻物(セーフェル・トーラー)を保管する設備のこと。
エルサレムの方向に位置する壁に設置する。
この壁、また方向を示す装飾品をアシュケナジム系コミュニティーではミズラハ「東」という(ミズラハは「東」なので、東にエルサレムがない地方では適用されない)。
セファルディム系ではヘーハール הֵיכָל hēykhāl 「宮殿」という呼び方をする。
ミズラハの内部に埋め込まれた形状のもの、壁の前に設置された箪笥状のものがある。 セファルディム系では聖櫃の上にネール・ターミード(ランプ)が下げられている。アシュケナジム系では聖櫃の前に幕(parokheth)が下げられている。ビーマー(アルメマール、テバー)までの手すり、高欄で囲まれた階段が付いている。
トーラーの朗読 Torah reading の際に取り出し、終わるとトーラーをケース(アシュケナジム系ではマント)に入れて聖櫃にしまう。
正教会においては、聖櫃とは聖人の不朽体が納められた、装飾された箱である[1]。ただし以下の聖龕や約櫃も聖櫃と呼ぶ事もある[2][3]。
ハリストス(キリスト)の聖体(予備聖体)が納められた宝座上の箱は聖龕(せいがん)と呼ばれる[4]。
旧約聖書に記された契約の箱の事は約櫃(やくひつ)と呼ばれる[5]。正教会では、旧約における約櫃に生神女マリヤが預象(よしょう)されていたと伝統的に捉える[6]。
カトリック教会において、キリストの肉に聖変化したと信じられているパン(聖体)をおさめた容器。
現在では聖体がおさめられているかどうかを、小さな赤いランプが灯っているかどうかで示すことが多い。多くは銀などの金属製。
契約の箱を聖櫃と呼ぶこともある。
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