硫酸バリウム
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硫酸バリウム(りゅうさんバリウム、英: Barium sulfate)は組成式 BaSO4 で表される、バリウムイオンと硫酸イオンからなるイオン結晶性の化合物。天然には重晶石 (バライト, barite/ heavy spar) と呼ばれる鉱物として大鉱床を形成して存在し、各種のバリウム製品の原料として使用されている。日本で使用される重晶石のほとんどが中国から輸入されたものである。
概要 硫酸バリウム, 識別情報 ...
硫酸バリウム | |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 7727-43-7 |
PubChem | 24414 |
ChemSpider | 22823 |
UNII | 25BB7EKE2E |
RTECS番号 | CR060000 |
ATC分類 | V08BA01 |
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特性 | |
化学式 | BaSO4 |
モル質量 | 233.39 g/mol |
外観 | 白色の結晶 |
匂い | なし |
密度 | 4.5 g/cm3 |
融点 |
1345 °C |
沸点 |
1600 °C (分解) |
水への溶解度 | 0.0002448 g/100 mL (20 °C) 0.000285 g/100 mL (30 °C) |
溶解度平衡 Ksp | 1.0842 × 10-10 (25 °C) |
溶解度 | アルコールに溶けない[1]、濃硫酸に溶ける |
屈折率 (nD) | 1.64 |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
-1465 kJ·mol-1[2] |
標準モルエントロピー S |
132 J·mol-1·K-1[2] |
薬理学 | |
生物学的利用能 | 無視できる |
危険性 | |
EU分類 | not listed |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
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純粋なものは無色の結晶であるが、一般的には鉄、マンガン、ストロンチウム、カルシウムなどの不純物を含み、黄褐色または黒灰色を呈し、半透明な鉱物である。鉛、ラジウムを含む北投石が知られる。
化学反応による合成品は、化学的に安定した性質を応用して塗料、プラスチック、蓄電池等に広く利用されているほか、一般的には消化管造影検査に於けるX線造影剤としての医療用途が広く知られており、造影剤としてはしばしば単に「バリウム」と略称・通称されることも多い。