病理標本
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病理標本(びょうりひょうほん)とは、人体から採取された検体またはサンプルについて、主に病理診断を目的に作製された標本のこと。
病理標本は組織・臓器にパラフィンを浸透して固め、数μmの膜状に薄く切り、スライドガラスに貼って染色してプレパラートの形にしたものを指すことが多い。ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)を基本に、診断目的や病変に応じてさまざまな特殊染色が施される。顕微鏡で数倍から数百倍に拡大して病理標本を観察する。
固定、切り出し、パラフィン包埋、薄切、染色、封入、ラベリングなど多くの工程があるため、質の高い病理標本作製には一定の技術が必要である。手作業が多く、何らかの理由で検体・標本を取り違えた場合(検査過誤)、重大な医療事故に発展する可能性があり、病理標本作製では検体検査としての精度管理、リスクマネジメントや要員教育等がきわめて重要である。
がん拠点病院等では病理検査を専門とする病理検査技師が配置されており、作製された病理標本等を用いて病理専門医等が病理診断を行っている。病理標本の観察により病変の有無や性状、良性悪性の鑑別、治療方針の根拠、その他の所見が明らかとなる。
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