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炮烙(ほうらく)は、中国の古文献に記述された刑罰の1つである。文献によっては焙烙とも表記される。
猛火の上に多量の油を塗った銅製の丸太を渡し、その熱された丸太のうえを罪人に裸足で渡らせ、渡りきれば免罪、釈放するというものである。『史記』によれば、暴君であったとされる殷最後の君主帝辛(紂王)と、その愛妾妲己が処刑を見世物として楽しむために考案したという。
罪人は焼けた丸太を必死の形相で渡るが、油で滑って転落しそうになる。丸太にしがみつき、熱くてたまらず、ついには耐え切れずに猛火へ落ちて焼け死んでしまう。この様子を観ながら紂王は妲己と抱き合いながら笑い転げたという[1]。
西伯昌(文王)が廃止を懇願し、帝辛に領地を差し出してようやく廃止させたと伝えられる。
炮烙の刑には上記に述べた物以外にも、銅製の円柱に罪人を縛りつけ、その円柱を業火で熱して罪人を焼き殺すという方法も伝わっている。横山光輝の『殷周伝説』と藤崎竜の『封神演義』ではこの説を採用している[2]。
また、韓非子 喩老編では『箕子の憂い』の一部として炮烙が出てくるが、刑罰としてではなく贅沢に際限が無くなった紂王が作らせた肉を料理する設備と説明されている。[3]
後代にも、炮烙の刑により刑死した例がいくつか見られる。
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