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『死霊のえじき』(しりょうのえじき、Day of the Dead)は、1985年7月3日にアメリカで公開されたゾンビ映画。監督はジョージ・A・ロメロ。
死霊のえじき | |
---|---|
Day of the Dead | |
監督 | ジョージ・A・ロメロ |
脚本 | ジョージ・A・ロメロ |
製作 | リチャード・P・ルービンスタイン |
製作総指揮 | サラ・M・ハッサネン |
出演者 |
ロリー・カーディル リチャード・リバティー テリー・アレクサンダー ジャーラス・コンロイ ジョセフ・ピラトー シャーマン・ハワード |
音楽 | ジョン・ハリソン |
主題歌 |
The World Inside Your Eyes John Harrison & Sputzy Sparacino |
撮影 | マイケル・ゴーニック |
編集 | パスカル・ブーバ |
製作会社 | ローレル・プロダクション |
配給 |
United Film Distribution Company (UFDC) 東北新社/東映クラシックフィルム[1] |
公開 |
1985年7月3日 1986年4月19日 |
上映時間 | 102分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $3,500,000[2] |
興行収入 | $5,000,000[2] |
前作 | ゾンビ |
次作 | ランド・オブ・ザ・デッド |
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』から続く、ロメロが手がけたゾンビ三部作の第3作目である。7年前に制作された前作『ゾンビ』に引き続き、ダリオ・アルジェントと共同で制作する予定であったが、ヨーロッパの通貨に対して米ドルが高騰したため、アルジェント側からの協力が得られなくなった。単独で資金を調達することになったロメロは脚本を大幅に変更し、規模を縮小して本作を製作した。
前作にフラン役で出演したゲイラン・ロスが本作のキャスティングスタッフ、ドライバーゾンビを演じたジョン・ハリソンが本作の音楽と第二助監督を担当し、キャスティングディレクターを務めたジョン・アンプラスが本作のテッド役を演じるなど、前作に参加したスタッフ・キャストの一部が引き続き本作にも参加している。
当初の脚本では主人公サラは女ゲリラという設定で、ゾンビと軍隊の戦闘シーンなどがあり、トム・サヴィーニ曰く「ゾンビ版『インディ・ジョーンズ』」であった。この脚本は現在、国内で販売されている『死霊のえじき 完全版』のDVDの特典DVD-ROMで読むことができる(対応しているPCが必要)。
世界は死者と生者の数が逆転し、ゾンビが蔓延する世界と成り果てていた。アメリカ・フロリダ州郊外の地下施設(セミノル地下倉庫)。そこでは女科学者のサラ、ローガン博士らゾンビを研究する科学者たち、施設を牛耳る軍人グループ、両者に組せず技術契約だけを遂行するヘリコプターパイロットのジョンと無線技師のビリーなど、生き残った少数の人間たちが閉鎖した軍施設内に立て篭もり、ヘリでの生存者の捜索を行っていた。
上官(クーパー少佐)が死亡し基地の指揮権を得た横暴なローズ大尉は高圧的な態度で軍人グループ優位を主張、科学者らの批判、差別ばかりを主張する。
絶望的な現実、仲間である軍人達から虐められて精神を病みつつあるミゲルとの問題が恋人サラを疲労させていく。先の見えない行き詰まる日々の中、ローガン博士は密かにゾンビを飼いならす実験をするが、殆どのゾンビは期待を裏切った。しかしバブと命名した、元軍人らしきゾンビは生前の記憶があるかの様な立ち振る舞いをしローガン博士は研究に没頭する。
ある日、実験用に新たなゾンビを捕獲しようとした際、ミゲルのミスで兵士が死亡、ミゲル自身も片腕を失う。この件によってサラ達と軍人らが一触即発となり、さらにローガン博士がバブを飼い慣らすために死亡した兵士の肉を与えていたことが発覚する。
激怒したローズ大尉はローガン博士を殺害する。自暴自棄となっていたミゲルは地上と基地を遮断する巨大エレベーターを作動させ、ゾンビの大群を施設内へ侵入してしまう。パニックになった軍人達はバラバラに逃げ、追い詰められた者はゾンビの餌食となっていく。
※日本語吹替の配役交換版はクラウドファンディングのリターンとして支援者限定で配布された。
日本では1986年に劇場公開されたが、一部残酷なシーンがコマ単位でカットされていたり、エンドロールで流れる曲のヴォーカルトラック部分が抜かれていたりと不完全なバージョンでの公開となった。その後に発売されたVHS・Betamax・VHD・LDには、劇場公開版が収録されていた。
1998年から1999年にかけて『死霊のえじき 最終版』と銘打たれたバージョンのVHS・LD・DVDがJVDから発売されたが(現在はすべて廃盤)、これはテレビ放送用に残酷なシーンをカットして再編集や一部台詞の吹き替えを行ったもの。サウンドトラックの再ダビングが行われていないため、カットされたシーンとその前後に音楽が流れていた場合、曲が途切れ途切れになってしまうという不自然な場面が多々見られた。
海外ではオリジナルバージョンがソフト化されていたが、日本では2004年にハピネット・ピクチャーズから『死霊のえじき 完全版』のタイトルで発売されたDVDで、初めてオリジナルバージョンを観賞できるようになった。
1986年に講談社X文庫から発売された小説『死霊のえじき』(翻訳家の岡山徹[6]によるノベライゼーションであり、原作小説は存在しない。ISBN 9784061900530)では、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の主人公・ベンをモデルにした人物が狂言回しとなり、プロローグにゾンビ発生の過程を前2作を参考にしたストーリーで説明しているうえ、ラストにはサラたち3人が逃げ延びた島へ謎の船が近づいていたことを示す、映画本編にはないエピソードが加えられている。
ロメロのノータッチで続編『Day of the Dead 2: Contagium』が作られ、日本では2008年に『デイ・オブ・ザ・デッド2』のタイトルでDVDが発売された。
スティーヴ・マイナー監督により、原典と同名のリメイク版『Day of the Dead』が作られ、アメリカでは劇場未公開のまま2008年にDVDで発売された。その後、日本では2008年に『デイ・オブ・ザ・デッド』のタイトルで劇場公開された。
ローズ大尉がゾンビの大群の餌食となっていくシーンで使用された豚の内臓は、クリスマス休暇による撮影中断中は冷蔵庫に保管されていたが、何者かが誤って電源を切ったため、撮影再開時には腐ってしまっていた。代わりを用意する時間がなかったため、撮影はそれを使って行われた。異臭を放つ内臓を目の前に置かれたローズ大尉役のジョセフ・ピラトーは、酸素マスクを使って呼吸しながら撮影に臨んだ。『死霊のえじき 完全版』のDVDや『ファンゴリア・ビデオマガジンVol.1 トム・サビーニ・スペシャル』のVHS・VHD・LDに収録されているメイキング映像では、同場面の撮影で「カット」の声がかかるとゾンビ役のエキストラ達が一斉に声を上げ、手団扇で臭気を払う様子を見ることができる。また、ジョセフはその直後に嘔吐した。
ゴリラズのファーストアルバム・「Gorillaz」に収録されている曲「M1A1」には冒頭のミゲルが拡声器で生存者へ呼びかけるシーンがサンプリングされており、サウンドトラックのベースラインに合わせてバンドの演奏が始まる仕組みになっている。
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