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慢性腎臓病(まんせい・じんぞうびょう、英語: Chronic Kidney Disease; CKD[1])とは、慢性経過の腎不全について、その未病状態から末期までを包括する概念。
慢性経過の腎臓病については、古くより慢性腎不全(CRF)という概念が使われてきた。しかし、CRFにまで至らない未病状態であっても、心血管疾患(CVD: CardioVascular Disease)が併発するリスクは高く、また、容易にCRFにまで発展することから、より大きな概念として提唱されたのが慢性腎臓病(CKD)である。
CKDの定義は、
のいずれか、または両方が3カ月以上持続することである。原疾患、GFR区分、蛋白尿区分によって、下表のようにステージ分類されステージが上昇するほどリスクは上昇する。
原疾患 | 蛋白尿区分 | A1 | A2 | A3 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
糖尿病 | 尿アルブミン定量 (mg/日) 尿アルブミン/Cr比(mg/gCr) |
正常 | 微量アルブミン尿 | 顕性アルブミン尿 | ||
30 未満 | 30から299 | 300以上 | ||||
高血圧、腎炎、多発性嚢胞症、腎移植、その他 | 尿蛋白量(g/日) 尿蛋白/Cr比(g/gCr) |
正常 | 軽度蛋白尿 | 高度蛋白尿 | ||
0.15未満 | 0.15 - 0.49 | 0.50以上 | ||||
GFR区分 (m L/分/1.73m2) | ||||||
G1 | 正常または正常高値 | 90以上 | 付加リスク無し | 低リスク | 中等リスク | |
G2 | 正常または軽度低下 | 89以下、60以上 | 付加リスク無し | 低リスク | 中等リスク | |
G3a | 軽度から中等度低下 | 59以下、45以上 | 低リスク | 中等リスク | 高リスク | |
G3b | 中等度から高度低下 | 44以下、30以上 | 中等リスク | 高リスク | 高リスク | |
G4 | 高度低下 | 29以下、15以上 | 高リスク | 高リスク | 高リスク | |
G5 | 末期腎不全(ESKD; 旧CRF) | 15未満 | 高リスク | 高リスク | 高リスク |
CKDステージ3以上の患者は、20歳以上の日本人においては約1,926万人いるものと推定されている。CKDの概念において、従来の慢性腎不全(CRF)は、その終末期であるステージ5、いわゆる末期腎臓病(ESRD: End stage renal disease)として再定義され、CKDの下位概念となっている。
CKDに伴う高血圧の治療に関しては、いくつかの臨床研究がなされている。
CKDの発症には、メタボリックシンドロームなどによる動脈硬化症が重大なリスク要因となることから、腎障害所見やGFR値低下が出現する以前のハイリスク群についても、ガイドラインでは取り上げられている。
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